- Amazon.co.jp ・本 (413ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488150082
感想・レビュー・書評
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崖っぷち転職シリーズ3作目。
ゆえあって記録を残さないようにしているため、現金払いの不利なバイトを続けるヘレン。
今回は電話で勧誘する仕事。
トイレのタンクの洗浄剤を7年分売りつけるのだ。
怒鳴りつけられたりして大変な仕事なのね。
はっぱをかけると称して指導する上司の発言はすごい。
会社の搾取もあり、この仕事を続けているのは密入国者や子連れで来ている未婚の母、犯罪歴のある人間など。
電話中に人が殺されるような様子を聞いてしまったヘレン、通報するが現場は何事もなかったらしく、警官にはとりあってもらえない。
被害者の姉サヴァナと連絡が付き、事情を探り始める。
上流社会のあやしげなパーティーに潜入。あぶなっかしい…
住んでいるところだけは一定で、高齢だが粋なマージョリーとの信頼関係はすすむ。
謎の住人フィルも登場。
なかなか勢いがあって面白かったです。
2004年の作品。2008年12月発行。
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9784488150082
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崖っぷち生活継続中のヘレン、目下の仕事は電話セールス。拒絶や罵倒にひたすら耐えて売りこみをかけるある日の業務中、電話越しに“殺人”が起きるところを聞いてしまう。ところが、警察は事件のあった痕跡を発見できず、勘違いとして処理される。納得のいかないヘレンはみたび探偵活動を始めるが、成り行きでトンデモない相棒と組むことになり…。大好評転職ミステリ第三弾。
転職探偵(?)ヘレンのシリーズも3冊目。今回は電話セールスの世界を覗き見ることができて、それも実に面白いのですが、これまで姿を現さなかった謎の隣人フィルがいよいよ本格登場。謎解きも恋愛も面白くなってきました。大家のマージョリーとヘレン、フィルのトリオで次作以降も事件に巻き込まれていくのでしょうか。第4弾はブライダル業界が舞台(積読中)。楽しみです。 -
2011年9月11日読了。
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ヘレンの『崖っぷち転職記』の第三弾。今回は電話セールスが転職先。たまたまマーケッティングのために掛けた電話の向こうで、殺人が行われるのを聴く。警察は調べに行ったものの何事もなかったと報告を受ける。更にそのうちの持ち主から、微妙に圧力を掛けられたヘレンは自分独りで調査を始めた。その途中で被害者と思われる女性が判明し、その姉サヴァナととも調査を進める。
軽妙な話の流れと妙なリアリティーで飽きさせない。今回は隣人の『幽霊人間のフィル』の正体も明らかになるが、意外といえば意外、おきまりといえばおきまり。原書は更に4作以上出ているようで、今後の展開も気になるところであるが、翻訳本はこの後まだ出ていないようだ。 -
アラフォー女・がけっぷちミステリ第3弾。久々に電車の中で噴き出しそうになってしまいました。
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主人公ヘレンは元大企業の高給とりだったのに、わけあって今は身元を隠して低賃金の仕事を転々とする生活。この、わけあって、の「わけは最初からはっきり書かれていましたっけ?シリーズ最初のころは、いろんな想像をしておびえていたのが、ようやくはっきりしてきて安心したような。記憶違いかもしれないけど。今回の仕事は電話セールス。職場は狭くて死ぬほど汚くて劣悪な環境、お客には罵倒されっぱなし、給料は安い上にピンハネされる。同僚も、更生中のクスリ依存症、シングルマザーほか、わけありな人たち。格差社会、とか、低賃金労働者、とか、社会事情をまじめにいろいろ考えさせられたり。でも、どんな環境でも負けずに稼ぐヘレン。母親みたいなタフな大家さんとか、話し方が独特な親友とか、ほかいろいろな人に囲まれて、少し楽しそうにも見える。どんな環境でもがんばらなきゃ、って思ってしまうような。(小学生の作文みたいだけど)。ラストのほうのアクション映画のようなシーンはちょっとやりすぎ?、こんなシリーズだったけ?、と思わなくもなかったけど。
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崖っぷち転職シリーズ3段。本作からシリーズ名が付いたのね。
自分の居所を隠すために帳簿に乗らない仕事にしかつけないヘレンの今回の仕事は電話セールス。
この毎回の手職先が非常に興味深く描かれている。普段目にすることのない裏側など読んでいてとても楽しい。
今回はおなじみの面子に加えて、事件の発端となった犠牲者の姉がヘレンに協力して、際立った暴走振りを見せてくれる。
いつもの事ながら話はとてもスピーディ。でも合間にきちんとヘレンの悩み、周囲との交流が挟んであるのでうすっぺらい感じはしない。
ミステリ部分は大して複雑ではないけれど、コージーとしては十分なレベルではないかと思う。
何よりヘレンの生き様を見ているのがとても楽しいし、ページのこちらから応援したくなるのだ。
毎回新作が楽しみなシリーズだ。