修道女の薔薇 (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (388ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488195205

作品紹介・あらすじ

消えた修道女を捜してほしい、マロリーのもとに一件の訴えが持ち込まれる。同じとき、彼女の甥と思われる盲目の少年も姿を消していた。数日後、修道女は意外なところで発見される。市長邸の正面階段に積まれた四体の死体、その中に彼女もいたのだ。市長に恨みをもつ者の仕業か? その頃少年は、ある男のもとに囚われていた。盲目の少年に脱出の機会はあるのか。一方殺害事件を追うマロリーは……。『氷の天使』のマロリー・シリーズ、最新刊。

感想・レビュー・書評

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  • キャロル・オコンネル『修道女の薔薇』創元推理文庫。

    マロリー・シリーズの最新作。『初期の名作を彷彿とさせる』と本作の紹介文に書いてあったが、全くそんなことは無かった。初期作品のような切れ味のあるストーリー展開は無く、マロリーの人物造形も今一つ。

    教会の神父から失踪した修道女を探して欲しいと依頼されたマロリーは数日後に修道女が殺害され、何体かの死体と共に市長官邸の正面階段下に置かれていたことを知る。さらに修道女の甥の盲目の少年も姿を消し……

    本体価格1,480円
    ★★★

  •  マロリーシリーズ。
     (最後? これ以降新作でてないらしい)

     修道女が行方不明になり、その捜索が依頼される。彼女には盲目の甥がいて、彼の行方もわからなくなっていた。
     数日後、修道女は、市長官邸の前に置かれた複数の死体の中で発見された。
     
     全く接点が見えなかった事件たちが、つながり絵になっていく様は、すごい。
     もっとも、その絵を強引に絵具をぶちまけるようにして、描いていくのはマロリーなんだけどね。
     
     とはいえ、今回は盲目の少年の描かれ方が…。
     オコンネルといえば「クリスマスに少女は還る」なんだろうけど、それを髣髴とさせる。
     
     にしても、盲目の甥を育てるためにまだ幼かった修道女がとってきた行動のそれぞれが、切ない。
     と、タイトルの意味が分かった時の衝撃。

     最高に面白かったのだけど、どう書いてもネタバレになりそうなので…。
     ちょいちょい、年取ったバトラーが回想しているってシーンがはいるのだけど、なんかそれ読むたびに切ない。
     
     この作品以降、シリーズは書かれていないそうなのだけど、先を知りたいけど知りたくない気もする。
     マロリーが、幸福な老人になってる姿ってどうしてもイメージできないものね。
     でも、そうなってほしいのだけどなあ。

  • 「キャシー・マロリー」シリーズ。

    おかえり、マロリー。
    感情移入が出来ないと思いながら読み続けてきたこのシリーズだが、
    冷徹で頑固で愛を受け入れないマロリーを、
    とうとう懐かしく思うまでになってきた。

    修道女とその甥である盲目の少年が姿を消す。
    少女時代のマロリーを知る神父が修道女の消息を探すよう、
    マロリーに頼みに来る。
    だが、残念ながら彼女の遺体は、市長の官邸の庭で発見される。
    他の三体の遺体と一緒に。

    マロリーの独善的な捜査は相変わらずで、
    枢機卿が来ていると嘘をついて、
    告解室で修道院長の事情聴取(?)をしたりしていた。

    それゆえ、少女の頃、相棒のライカ―を脅した後に、
    仲直りの贈り物としてデスクにピーナッツの袋を置いた、
    という話がかわいらしく思えたくらいだ。

    一人息子を亡くした母親が、
    犯人に囚われている少年を助けるために、
    自分の息子の墓を暴かないといけないと判っていながら、
    少年を助けるよう、マロリーに叫ぶ場面は印象的だった。

    ようやく、なじんできたと思ったのに、
    この後の作品は現在のところ書かれていないらしい。
    残念。

  • 「愛おしい骨」等で感じたミステリー性はあまり感じなかった。読みながら何回か、本当にキャロル・オコンネルの作品かと疑った位冗長だったし、盲目の少年を狙った意図もイマイチ。狙うなら地位ある社会的な大物なら必然とは思うが。なが

  • 街中で誘拐された修道女と彼女の盲目の甥。修道女は後日市長官邸前で複数の遺体と共に発見された。一方少年は犯人に監禁されている。捜査にあたるマロリーは、犯行はプロの人間である事を見抜くが、その裏にいる黒幕は誰で何故誘拐殺人を繰り返すのか。動機が判明した時は、あまりにも異様で唖然とした。修道女達の母親とかプロの暗殺者とか色々背景詰め込み過ぎな感じかな。それにしてもマロリーは丸くなったなあ。

  • やっぱり苦手やった。全然イメージが喚起できひん。

  • 3人の孤独な身の上の死体と修道女の死体が市長官邸で発見された。
    4人は心臓を抜かれており、修道女の甥の盲目の少年も姿を消していることがわかった。
    ニューヨーク市警のキャシー・マロリーは、不機嫌をまき散らしながら、行方不明の少年と殺人犯とその手掛かりを装甲車を走らせるように辿っていく。

    ・シリーズモノ。うっかり最新刊から読んでしまったので、主要人物の相関図がよく分からなかった。が、それ抜きでも読める。
    ・マロリーよりも、少年と修道女と殺人犯が主人公だった。誘拐された少年はけして甘んじなかった。大切な叔母を殺された怒りくるった男の子だった。殺人犯も、殺人犯だけど、完全なシリアルキラーではなかった。

  • プロだけあって、話の展開は上手で、
    ある程度、楽しく読んだが、
    マンネリというか、
    デジャヴ感は否めない。
    (=セルフコピーみたいな出来)

    この後、続きも出ていないみたいだし、
    実際のところ、読者よりも作者本人が
    このシリーズ(主人公)に飽きていて、
    でもニーズ(契約?)があるから、
    しょうがなく書きました、的な
    一冊ではないだろうか?

  • 読み終わってからだいぶ時間が経つが、コメントをする価値があるかどうか迷ったからだ。まず、筋を追うのが難しい。子供がなぜ誘拐されねばならなかったのか。市長公邸の庭になぜ死体が置かれていたのか、投資に絡む事件だとは思うが、はっきりとした理由が分からない。最後まで読んで、なんか損をした様な気分がした。こんな筋にしては長過ぎる。

  • すみません、、。超絶スリリングな小説の後に読んだため、落差がありすぎてほとんど乗れませんでした。文学チックな表現がちょくちょく出てくるところで途切れてしまったかも。この作家さん二作目、前回もそう思ったから合わないのかなあ。

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