怪盗ニック全仕事(2) (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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本棚登録 : 108
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (462ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488201159

作品紹介・あらすじ

「価値のないもの、もしくは誰も盗もうとしないもの」を対象に依頼を受ける異色の怪盗ニック・ヴェルヴェット。その全短編を発表順に集成する日本オリジナル短編集第2弾。

感想・レビュー・書評

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  •  相変わらず、なんか、フツーなところが良いんだよな、ニック。価値のないものを盗む、ちょっと謎解きがあって、美女が出てきて、という定型お仕事パートは楽しんだ。
     恋人のグロリアの登場回数がぐっと上がってきていると感じたが、彼女が、いつもニックの帰りを大人しく待つただの可愛らしい恋人でしかないというところが、今世紀的にはちょっと物足りない。しかしこれも、ニックから見たグロリアの姿としてはその通りなのだろう。ニックの真の姿をグロリアが知らされていないのと同じように。語られていないグロリアの暮らしは、読者だって如何様にも妄想できる余地があると言える。グロリアを主人公にした二次創作とかないのかなあ。

  • 依頼を受け「価値のないモノ」を盗む怪盗ニック・ベルベットシリーズの全集二巻目

    「今日あたり帰り道には今読んでる本を
    読み終えて、読むものなくなるなぁ」とか、読む本が途切れる合間合間で読み進める。
    毎話よく出来てる。

    1冊目を読み終えてから、このニックの本だけをずっと読み進めようと思わないのは何故なのか?を考えていたが、なんとなくわかった。

    毎回パターンは違えど数ページで完結するため、なかなか設定やら人物名を覚えようと言う気が起きない。
    短編なんだから仕方がないが、短編の中で少しずつ増えていく常連のキャラクターや時間の経過を読み解く事で楽しみ方が増えるかもしれない。
    せっかく全集に纏まってるのだから、姿勢を正して読んでいこうと思う。

  • 短編って長編以上にセンスが必要やと思ってまして。
    全編の異常なクオリティの高さにホックの天賦の才能を感じる。偉大な作家やわ。

  • 怪盗ニックの第二作。

    価値の無いものだけを盗むニック。
    今回は、
    一緒に住むガールフレンドに正体を知られるかと思いきや、
    政府関係の仕事と誤解される。
    仕事がやりやすくなっていて良かった。

    手数料を取りそこなった話も面白かったし、
    地中海の王国でクリスタルの王冠を盗む話も。
    マフィアの虎猫の話も面白かった。
    動機も面白かったし、猫を返してマフィアに話をつけたところのも。
    睡眠薬で寝かした猫を電話線で外へ出すところは笑えた。

    そう、ニックがなぜ泥棒になったのか、という話も。
    もちろん、女が原因だそうだ。

  • 依頼人から高額の料金をもらって価値の無いものを盗むニック。なぜ価値の無いものに高額なお金を支払うのか。それがこのシリーズのミソ。以来主に盗品を渡して報酬を受けとると、xその理由を謎解きしてみせる。そんな短編のシリーズ。
    隙間時間に詠むのにピッタリ。

  • しかし考えてみますと、つまらないものを盗む手数料が2万ドル。
    けっこう目の付け所が鋭いのではないか……!

  • リアルなようでリアルでない。

  • 価値のないものしか盗まない怪盗ニックが主人公。
    宝石とか有名絵画とか価値の高いものを盗む怪盗は世にたくさんいるが、価値のないもの例えば普通の壁掛け時計とか、センスの悪い石像とか、普通の犬とかを盗むことを生業としている怪盗はそう多くないのでは。

    なぜ価値のないものを盗むのかがポイントでページ数の少ない短編のなかで、その辺りの理由をきちんと説明付する技量はなかなかすごいなと思います。

    良くない点をあげるとすると主人公が怪盗なので、やっぱり悪党なのには違いないということ。
    いくら価値がないものとはいえ人の物を盗むのは犯罪ですから。
    その辺りを上手く咀嚼できるようであれば楽しい作品だと思います。

  • 2015/09/18読了

  • 「価値のないもの、もしくは誰も盗もうとしないもの」を対象に依頼を受ける異色の怪盗ニック・ヴェルヴェット。その全短編を発表順に集成する日本オリジナル短編集第2弾。

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著者プロフィール

Edward D. Hoch (1930-2008)
アメリカの作家。ニューヨーク州ロチェスター生まれ。ロチェスター大学に学び、広告関係の仕事をするかたわら、1950年代に短編を書き始めた。1955年に「死者の村」を雑誌に発表してデビュー、「長方形の部屋」(67)でアメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞最優秀短編賞を受賞し、専業作家に転じた。以降50年以上にわたり、短編ミステリの第一人者として活躍し続けた。短編の総数は950編以上にものぼり、当代きってのプロの雇われ泥棒ニック・ヴェルヴェット、コネチカット州の名もない街の警察の凶悪犯罪班のリーダー、レオポルド警部、引退した一般開業医で、不可能犯罪のスペシャリスト、サム・ホーソーン医師、ホックのデビュー作の主人公であり、年齢二千歳とも噂されるオカルト探偵サイモン・アーク、暗号解読の専門家で、イギリス諜報部極秘部門秘密伝達局の局長ジェフリー・ランドなど、数多くのシリーズ・キャラクターを生み出した。長編は数冊のみ。2001年にアメリカ探偵作家クラブ生涯功労賞を受賞したほか、数々の栄誉に輝いた。

「2023年 『フランケンシュタインの工場』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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