幼き子らよ、我がもとへ〈下〉 (創元推理文庫) (創元推理文庫 M ト 6-4)
- 東京創元社 (2007年9月28日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488218102
感想・レビュー・書評
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上巻、下巻と一気読み。どんだけハマってるかという感じですね。4日間でフィデルマのシリーズを5冊も読んでしまいました。
下巻も酷い事件が続きます。その悪辣ぶりは読んでいても怒りがわくレベル。
さらに謎は深まるばかりで、コレはどうやって収拾つくんだろうと気になって、いつもなら寝てる時間だけど読み切ってしまいました。
ブレホン法にのっとりつつ、一見関係なさそうな事件と本筋を同時に解いて行くクライマックスは圧巻。
海辺の大修道院がメイン舞台なので、海や舟の知識が語られるのも興味深い。出てくる伝説についても、だいたいは知っているけれど、古代ケルトの時代で認識されていたリアリティみたいなものが、すごく新鮮でした。
このシリーズ本当に面白いので、どんどん邦訳で出して欲しいな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
図書館で。
フィデルマさんと国家間の統治問題が関わった争い。個人的には殺害された老学者さん、人望ないんだな…と読んでいて思いました。そして、村ごと虐殺って…そこまでする?という感じですが、時代背景的にないとも言えないのかもしれない…というのが怖い。
個人的にはフィデルマさん、頭は良いんだろうけど考え無だよなと思うところが結構ありちょっとビックリ。それほど彼女の立場は偉いんだろうか。えらいんだろうけど。とは言え、身分証明もない中で身なりと口頭での肩書のやり取りでそれ相応に敬えというのは難しくないのかな、しかも女性で…とちょっと思いました。孤児院虐殺の後の暴走はちょっと、ちょっとですよね…
最後はなるほどこういう納め方になるのか、と思いました。長子がいたのか!もっとこう…と思わなくもないですがまぁそれもお話の筋立ての内ですしね。 -
七世紀のアイルランドを舞台に、法廷弁護士でもあるフィデルマ修道女の活躍を描くシリーズの第二巻。彼女の故郷であるモアン王国に危機がやってきた。ロス・アラハーの修道院に滞在していたラーハン王国の高名な聖職者であるダカーンが死体で発見されたのだ。その死の責任の代償としてオスリガ小王国をラーハン王国に返還するよう要求された。それを拒めはラーハン王国と戦争となるだろう。その解決はフィデルマの肩にかかっている。
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フィデルマの生真面目さや能力の高さ、時代的な背景や知識の面白さなどなど、読んでて飽きないシリーズ。
今回も悲劇はあったものの、最後にフィデルマに退治してもらった感があって、やっぱり胸がすっとした。
どれだけ時代が違っても、人間というものは。
そういう当たり前のつぶやきが口をついて出てしまう。
20作近くも刊行されているシリーズだけど、翻訳はまだまだ。
次も待ち遠しい。 -
修道女フィデルマ・シリーズ第3作です。
今回は多くの死者が出たり、政治的な駆け引き、王位継承者をめぐる謎があったり、いろいろと盛りだくさんで、読み応えがありました。
また、これまで完璧超人として描かれていたフィデルマが、涙を流す場面があったのが印象的でした。この場面のおかげで、今まで近寄りがたい雰囲気だったフィデルマが、ようやく身近に感じられました。