紙片は告発する (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488240110

作品紹介・あらすじ

議員の娘だが周囲から軽んじられるタイピストのルース・エルダーは、職場で拾った奇妙なメモのことを警察に話すと同僚たちに吹聴した。その後副書記長ら、タウンホールの上級職員から紙片について問い質され、彼女は怯え始める。町では開発計画にまつわる不正入札の疑いが持ち上がっており、彼女の証言が重要な役割を果たすと思われた。その矢先、ついに犯人は実力行使に及び……連続する事件の背後に隠れる意外な人物の正体とは?

感想・レビュー・書評

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  • おもしろくよみましたが、トリックが地味で大したことないのが残念。

  • 著作の特徴としてツイストの魅力が大きいように思うけれど本作にはそれがない・・犯人像にさほど意外感がない(失礼)。それでもおもしろく読んだのは語り口の巧さ、登場人物たちを的確(魅力的)にとらえる描写(筆致=注意力ともなう丁寧さ)にある。舞台設定として役所やその人間模様(力関係)など退屈極まるものではというこちらの危惧を見事払ってみせる。地味ながら知性を感じさせる魅力ある等身大キャリアウーマンの主人公に惹かれた。終幕に用意された場面などベタだがよい読後感を残す。他著作の特徴的魅力を欠くもののこれはこれで佳品。

  • 著作の特徴としてツイストの魅力が大きいように思うけれど本作にはそれがない・・犯人像にさほど意外感がない(失礼)。それでもおもしろく読んだのは語り口の巧さ、登場人物たちを的確(魅力的)にとらえる描写(筆致=注意力ともなう丁寧さ)にある。舞台設定として役所やその人間模様(力関係)など退屈極まるものではというこちらの危惧を見事払ってみせる。地味ながら知性を感じさせる魅力ある等身大キャリアウーマンの主人公に惹かれた。終幕に用意された場面などベタだがよい読後感を残す。他著作の特徴的魅力を欠くもののこれはこれで佳品。

  • ディヴァイン作品。難しいトリックなどがあるわけではないが、なかなか面白かった。

  • 町役場のタイピストが、職場で拾ったメモのことを警察に話すと言った矢先に殺された。そのメモとは不正の証拠だったのか、それとも…自らも秘密を抱える副書記官のジェニファーは、事件の背景を探ろうとする。
    考えなしの娘が口封じに殺された?というオープニングはありがちだが、登場人物それぞれが野心や秘密を抱え、怪しく見えてくる人間ドラマはさすがにうまい。

  • 皆から軽んじられているルーシーが殺された。彼女は誰かの不正の証拠を握っていたらしい。主な語り手でありルーシーの上司でもあったジェンや同僚たちは否応なしに事件に巻き込まれる。彼ら1人1人に隠された秘密や野心があり、容疑者数名の誰もが怪しく思える。だが作者は親切にも何度も読者にヒントを与えてくれる。あの時の場面を再度読み直してみろと。ルーシーが殺されて以後はジェンの視点から話は語られるので、彼女の思考の過程が丁寧に描写されてとても読者に親切。ディヴァインの作品に外れはないな。

  • 2017/03/25読了

  • ディヴァイン9作目の長編。本書の刊行で未訳作品の残りは2作になったようだ(巻末解説より)。
    基本的に、事件やトリックを始めとして、派手さとは無縁の内容だが、個々の描写が丁寧なので引き込まれる。
    ディヴァインの良さをじっくり噛み締められる1作だと思う。

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