- Amazon.co.jp ・本 (475ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488252045
作品紹介・あらすじ
第二次世界大戦中、イギリス特殊作戦執行部員の女性がスパイとしてナチスの捕虜になった。彼女は親衛隊大尉に、尋問をやめる代わりに、イギリスに関する情報を手記にするよう強制される。その手記には、親友である女性飛行士マディの戦場での日々が、まるで小説のように綴られていた。彼女はなぜ手記を物語風に書いたのか? さまざまな謎が最後まで読者を翻弄する傑作ミステリ。訳者あとがき=吉澤康子
感想・レビュー・書評
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アメリカ出身でイギリス在住の作家「エリザベス・ウェイン」の長篇ミステリ作品『コードネーム・ヴェリティ(原題:Code Name Verity)』を読みました。
ミステリ作品とSF作品の間を行ったり来たりしていますがここのところ、アメリカ(出身)の作家の作品が続いています。
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第二次世界大戦中、イギリス特殊作戦執行部員の女性がスパイとしてナチスの捕虜になった。
彼女は親衛隊大尉に、尋問をやめる代わりに、イギリスに関する情報を手記にするよう強制される。
その手記には、親友である女性飛行士「マディ」の戦場での日々が、まるで小説のように綴られていた。
彼女はなぜ手記を物語風に書いたのか?
さまざまな謎が最後まで読者を翻弄する傑作ミステリ。
訳者あとがき=「吉澤康子」
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2012年(平成24年)に発表された作品で、翌年のアメリカ探偵作家クラブ賞(エドガー賞)ヤングアダルト小説部門を受賞したほか、アガサ賞、ゴールデン・カイト賞、カーネギー賞など数々の賞の最終候補になり、高く評価された作品です。
第二次世界大戦中、ナチ占領下のフランスでイギリス特殊作戦執行部員の若い女性「クイーニー」がスパイとして捕虜になった… 彼女は親衛隊大尉「フォン・リンデン」に、尋問と拷問をやめる代わりに、イギリスに関する情報を手記にするよう強制され、インクと紙、そして二週間を与えられる、、、
その手記には、親友である補助航空部隊の女性飛行士「マディ」の戦場の日々が、まるで小説のように綴られていた… 彼女はなぜ物語風の手記を書いたのか?
さまざまな謎がちりばめられた第一部の手記… 驚愕の真実が判明する第二部の手記、、、
そして慟哭の結末。最後の最後まで読者を翻弄する圧倒的な物語!
「クイーニー」と「マディ」が軍の中で知り合い、友情を育み、親友となる… そして、ナチスドイツ占領下にあるフランスへスパイとして乗りこんでいく「クイーニー」を「マディ」が送り届けることになるが、ドイツ軍の対空砲火により飛行機は航行不能となり、パラシュートで降下した「クイーニー」はドイツ軍に囚われの身となり、胴体着陸をした「マディ」はレジスタンスたちに匿われながら「クイーニー」を救出しようと奔走する、、、
この展開は、第二次世界大戦を描いた戦争小説、冒険小説、二人の女性の友情を描いた物語として、じっくり読めるし、これはこれで愉しめなくないことはないんだけど… 驚愕の真実が判明するミステリを期待して読んでいたので、ちょっと拍子抜けした感じでしたね。
読了後は… あれれっ という印象でした、戦争映画にすると面白そうな感じがしますね、、、
あと、著者が小型飛行機の操縦が趣味らしいので、飛行機の操縦に関する描写はなかなかリアリティがあり愉しめました… 飛行機の操縦、憧れなんですよねー詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
手記から戦争が描かれているが、今ひとつ形が見えてこない。結局主人公はどうしたかったのか、何が伏線で何が結末なのか、よく分からなかった。
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しっかりとした読み応えがある。
謎や意外性はないけど、戦争と女性と決断の手触りがはっきりとある。
子ども向けと思わず、大人の小説として味わうべき作品。 -
一部と二部に分かれており、一部はちょっと読みにくかったかなーと。
二部は読みやすく、一部での謎というか、いろいろ種明かしされてよかった。
つらいなー、戦争はつらい。
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女性2人の永遠の友情が描かれる戦争作品。
第一部はクイーニーの手記。親友マディのことを綴っているけど、クイーニーが捕えられている極限状態のせいか、文章も読みにくい。(あえて彼女は読みにくくしているのかもしれないけど。)
読みにくいと思いつつ、がんばって読み進めるしかない。
洋書だから読みにくいというより、そういう話なんだろうな。
第二部のマディの手記のほうが読みやすく、第一部の疑問を解消してくれる。
第一部よりジェットコースターに乗っているような疾走感のある第二部。
後書きを呼んで驚いたが、児童書、、、?!
内容を理解できるのか、と、刺激が強くないか?という疑問がある。私的には大人の作品かと。
柚木麻子さんが推薦していたため購読してみたが、納得のガールミーツガール小説。
キスして、ハーディ!
キスして、いますぐ!
ありがとうジュリー、マディ。 -
友人に薦められて読んだが、シンプルに面白かった。
前半は歴史の知識がないせいか読みにくいところもあったが、第二部で伏線回収、真実が明らかになるにつれ、戦争という過酷な状況にのまれていくふたりの女性の強さや絆の深さに感動した。
真実を知った上でもう一度読み直してみたい。
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ヴェリティ=真実、
記録された歴史の裏にある人々の思いこそ、戦争の真実である。
「スパイと飛行士」ふたりの女性。
ドイツ占領下のフランス。
作者のあとがきでは「マディとジュディーは私の空想から生まれたフィクション、舞台の都市名もその他の登場人物も架空、でも、一つ一つのエピソードは真実」と、さまざまな文献等から探り当てて織り込んだことがらに、この物語にかける熱量が伝わる。
そのすさまじさにより、男の戦場には表されない現実の戦争の残酷さを、まざまざと見せつけてくれる。
二人の主人公の語りの世界
第一部、とらわれたスパイのゲシュタポのための手記に描かれた“小説のような”独白は、いつまでも溺れていて出口のない夢のようなできごとに、奇妙な感覚を覚える。
一転して、第二部では占領下のフランスでのレジスタンス活動の緊迫感が押し寄せ、夢を見ている暇はない。
そして、二つの物語が出会い、
一瞬の笑顔と叫び声「キスして、ハーディー、今すぐに!」……。
言葉にならない……。 -
伏線がよく理解できずだが、ブラックブックを思い出した。
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とにかく読み難い