何か文句があるかしら (創元推理文庫) (創元推理文庫 M テ 10-1)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488261047

感想・レビュー・書評

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  • セレブな30代のアメリカ女性が、結婚とは縁遠いと自他共に認めていたのに~イギリス滞在中に運命の人と出会って結婚!
    チャーリーは自前の劇場を持つ劇団を経営しているが、大富豪の家系なので、赤字は財産で補填できるというもの。
    演劇修行に行ったロンドンで出会った彼はジャック・フェアファックス。
    長身で、ちょっと若い頃のグレゴリー・ペックに似ている彼。チャーリーの方はヘプバーンというよりはイザベラ・ロッセリー二だとか。
    アメリカに渡った新婚夫婦がとりあえず泊まることにしたホテルの部屋になぜか、死体が…!?
    結婚したと知らない劇団関係者が階上を借り切って帰国歓迎のために集まっていたので、新婚気分はお預けに。
    チャーリーの叔父ハリーは、元不良の大金持ちで、既に両親のいないチャーリーのことには何かと口を出してくる。
    金持ち故の悩みで、恋人と思ったら手切れ金目当てだったという悲惨な経験もあったのだ。
    叔父の娘シスは、薬物などの中毒の治療に出たり入ったりしている。
    今は恋人が出来て安定している時期らしかったのだが、突然誘拐され…?
    しかも夫のジャックは何か隠しているらしい。ハリーはすぐに調べをつけて、あてこすってくる。
    海軍の気象学者だったというジャックの経歴が実は…
    事態は、連続殺人事件の様相を呈してくる。
    有能なアイリーンや、人のいい親友のブレンダなど周りを囲む人々も生き生きしています。
    チャーリーを守ろうとするがゆえのジャックの行動で、隠し事をされたとケンカになりつつ、事件の解決に向かう。
    後半は冒険ものの要素も。
    大金持ちという現実離れした設定のせいか、公演しようとしている戯曲の年代というせいか、いい意味でレトロ風味な楽しさもあります。

    タイトルもいいですね。
    原題のSPEAK NOWってこういうニュアンスなのかしら。文句があるならさあ、言って!みたいな。

  • 劇団を主宰するセレブ、チャーリーは留学先のロンドンで知り合ったジャックといきなり結婚をした。サンフランシスコに戻った二人は仮の宿にしたホテルのスウィートで女性の死体を発見する。さらに訳ありのいとこが誘拐事件に巻き込まれ、脚本家、芸術監督の失踪など不審な事件が続く。そしてそれらすべてがジャックと関連があった。
    チャーリー自身が探偵かどうか意見の分かれるところであろうが、単なるお馬鹿なセレブとは違う。出てくるキャラクターはみんな個性的で飽きさせない。犯人も無理のない程度に予想外で、ミステリーとしても及第点。

  • 処女作らしくちょっと迷走気味の
    若干自己中セレブチャーリー(美人ではない)と
    謎の自称元インテリ軍人美男子(精力絶倫)の新婚ほやほや
    突然高級ホテルのバスルームに知らない女の死体を発見。
    そんなことをそっちのけで変人友人劇団に振り回される。
    チャーリー(女)は別に探偵でもなんでもない。

    ただ、面白いので続編に期待。

  • まあ、こんな御伽話があってもいいのではと。

  • コージー系?ふつうに面白かった。70年代の少女マンガみたいな内容。

  • い〜え、何もございません。言ってもしょうがないもんね。まぁわが国にもママからお小遣い20億円もらえる人がいるんだからアメリカのお金持ちは桁外れ。劇団の運営や、舞台裏が面白かった。

  • もう〜〜〜!(#^.^#)絵に描いたような超セレブ女性・チャーリーがハンサムでウィットに富んだ男性・ジャックとイギリスで出会い電撃結婚、故郷のサン・フランシスコに帰ってきます。ジャックは、お洒落で優しくて、女の子が言ってほしいことをさらっと口にする、まぁ、理想の夫なんですよね。でも、周辺で殺人事件が続き、そのたびに、気象学者であるはずの彼が、007並の活躍。それはもちろんカッコよくて素敵なんだけど、一体彼は何者? もしかして、チャーリーを騙す任務でも帯びたスパイなの? チャーリーがとても魅力的な女性なので、彼女の立場になって、とても心配させられるわけですよ。ねたバレです。結局、めでたし、めでたし、となるわけですが、彼の正体はわからないまま。なんか、とてつもなく大きな力をバックにしている人みたいなんだけど、チャーリーを心から愛していることがわかったから、この巻ではもうそれでいいことにします。続きはまだ訳されていないみたい。他にも、いいキャラの人物たちが多数配置されていて、まだまだお別れしたいくない!早く続きが読みたいです。(#^.^#)

  • おもしろかったー。軽妙でおしゃれなミステリ。舞台となるサンフランシスコのように(?)明るくて、陰鬱なところがないのがいい!主人公は資産家の娘で大金持ち、小さな劇団を運営している。新婚早々、殺人事件に遭遇するんだけれど、まるでロマンスもののヒーローのような夫はもしかしてスパイかなにか?と思われて……。その夫の秘密も結局はっきりとはしないし、殺人事件も根本は解決してない気がするんだけど、まあ気にしない(次作に続くのかな?)、謎解きは二の次でいいでしょう!(笑)。ゴッドファーザーみたいな叔父とか、その叔父の家の謎めいた有能な料理人とか、ボディガードとか、ユニークな登場人物がたくさん。主人公の女友達たちも、ちょっとわたしはセックス・アンド・ザ・シティを連想したり。主人公もただ能天気なセレブってだけじゃなくて、若くして両親を亡くして厄介な叔父のもとで暮らしたり、金持ちの道楽で劇団やってると見られて落ち込んだり、とちょっと屈折した部分もある気がわたしはしたんだけれど。劇団の稽古とかリハーサルとか初日の場面がたくさん出てくるのもものすごーーく楽しかった。(次作は劇団が出てこないのかなあとちょっと心配)。

  • 演劇修行で訪れたロンドンで電撃結婚したチャーリー。
    夫・ジャックを伴って故郷サンフランシスコに帰ってみたら、ホテルのスイートのバスルームで死体がお出迎え…。

    面白かった!とにかくどのキャラクターも魅力的。
    セレブで勝気な主人公のチャーリー。その夫で何か重大な秘密を持っているジャック。そしてその友人と称する不思議なスキルを持つ二人。チャーリーを悩ます叔父で育ての親であるハリー。
    その他のキャラクターも、よく動き話を作る。キャラクターに引き込まれてぐいぐい話が読めてしまう。
    その話もジェットコースター風で、次から次へと事件が起こり読み手を楽しませてくれる。
    ミステリ部分に関しては大雑把ではあるけれど、この作品はそれでよし!だと思う。細かく説明すると作品の勢いを殺いでしまいかねないし。
    多少ハーレクイーン風味ではあるものの、チャーリーの元気さが気持ちいい1冊。
    出始めのイヴァノヴィッチを髣髴とさせる。
    次作以降が楽しみな作家だ。

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