ヨルガオ殺人事件 上 (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488265113

感想・レビュー・書評

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  • カササギ殺人事件の、上巻から下巻へ移った時の衝撃は忘れられません。そんな作品の続編が出るとわかった時の狂喜といったら!噛み締めるように読みました。あれからあらゆるミステリー読んできたので、スーザンが事件について尋ね回るシーンは申し訳ないけど「普通じゃん」と思ってしまいましたね。けれど、作中作が登場すると、きたきたー、という喜びを抑えることができませんでした。この作品が事件とどう絡み合うのか、上巻読み終わった今、わくわくが止まりません。誰と誰が重なるのか、どうしても考えてしまいますし、この人は実はこうなのでは、あの人と関係あるのでは、とこんな私でもいろいろ考えてしまいます。そんなふうに導いてくれるこの作品はエンタメとして最高ですね。どうなるかわからない下巻、またまた噛み締めて読みます。

  • レビューは下巻にて

  • 最初はなかなかページをめくる手が進まなかったが、事件の内容が明らかになっていくにつれて謎が深堀りされ夢中になっていきました。
    劇中劇があるとは知らなかったので、急に『愚行の代償』が始まってびっくりしました。
    しかも上巻は劇中劇の途中で終わり、本編の真相も作中作の真相も下巻に続いてるため、続きが気になります!

  • 初読

    前作カササギから2年後、2016年。
    クレタ島でアンドレアスとホテル経営中のスーザン、48歳。
    アラン・コンウエイのアティカス・ピュントシリーズ3
    「愚行の代償」と8年前にブランロウ・ホールホテルで起こった殺人事件
    を携えてやってきた夫婦に失踪した娘の調査を依頼される。

    スーザン一人称のヨルガオ館と
    作中作アティカスピュントシリーズがダブルで楽しめるお得感。
    今回の愚行の代償は前回のカササギ殺人事件よりは没入感は少なかったけど
    意外な犯人と動機で楽しめた。

    アランの遺産を受け取ったジェイムス、やっぱ好きだわ〜
    高級レストランの隣であんな話されたら
    そりゃ聞き耳立てちゃうよねw
    お金持ちで気楽な彼、毎回出て欲しい!

  • カササギ殺人事件の続編として書かれた作品。
    前作で、人生のターニングポイントを迎えていたスーザンが、事件を深掘りしたことから最悪な結幕になり、自分の意思に関係なく選択せざるを得なかった現実の生活に悶々としている状況から始まる。自分の居場所はここじゃない感を抱いていた時にまた、過去の担当作家に関わる事件捜査の依頼。気持ち的にはわかるけど、事件にのめり込む彼女がちょっとイラッとする。ホロビッツでいつも思うことは、上巻の表現がかなりまわりクドくて、少し読みにくい。作中に挿入されるもうひとつの小説は秀逸!

  • 主人公は元編集者。
    過去に自分が担当したミステリーを読み、犯人が分かったと言って姿を消してしまった娘を見つけてほしいと依頼を受ける。気が進まないまま調査を始めて行きつく先が自分の編集した本。
    作品の中にまた作品があり登場人物が2倍に増えるがそれぞれ個性が強い。下巻を読まずにはいられない終わり方だった。

  • まさかの続編と聞いていましたが
    今度は前回と逆に
    虚構の事件を解決して犯人を当てなければ
    現実の方の犯人の答え合わせもできない構造。
    過去に起きた現実の殺人がモデルの作中作があって
    それを読んだ女性が「真犯人がわかった」と
    言い残して失踪したから。
    当然、過去の殺人犯が関わってると思うよね。

    この虚構のほうの『愚行の代償』がまた楽しい。
    安心して謎解きを楽しめる。
    聞き込みから村人の人間関係を読み解き
    ついに犯人に至る王道パターン。

    で、それを楽しんだあとから
    「え? でも作中作の事件と一致しないよ?」
    となり、いったいどこの部分から
    彼女は犯人を知り得たのか…がまた謎になる。
    虚構の名探偵や警察が善人なのに
    現実パートでは(前作で知ってたけど)
    名探偵の生みの親も警察も嫌なキャラすぎ( ̄∀ ̄)
    それも含めてやっぱり下巻一気読みの作品でした。

  • 現実に起きた事件の真相が小説の中に隠されているかもしれない。すごく興味を引かれ、ページをめくる手が止まらなかったです。
    そしてまた今回もピュントに会えたことがすごく嬉しい。
    前作でのピュントは、自分の死期を静かに待つ悲しげな影をまとっている感じだったけれど、今作のピュントは健康的でとても生き生きとしていて常に前を向いている。その対象的なピュントの姿が印象的でした。
    これからどんな風に事件を解決に導くのか。現実の世界の事件とはどのように関係していくのか。下巻を読むのが楽しみです

  • 読み応え抜群

    散りばめられた謎がどう解かれるのか

  • 「ちゃんと筋の通った世界が描かれ、最後にはまちがいなく真実にたどり着く本を読むのは、疲れた心をいくらかでも癒してもらえるからじゃないんでしょうか」
    上巻では、やはり語り手のこの言葉が最も印象的であった。

    以下は自分に向けた日記のようになってしまったが…。
    毎日仕事に行くだけでへとへとに疲れ切ってしまって、それを家事をしないとか、掃除をしないとか、日記をきちんとつけないとかの言い訳にしているような状況では、例えば海外文学とか、哲学に関する本などを手に取ってみても、どうしても先に進めなかった。
    どの本にしようか、次々に手に取ってみては、途中でやめてしまったりを繰り返していたが、ついに、数少ない、夜中まで営業している書店に閉店ぎりぎりで入って、(迷惑だと思うが)購入した本書で、ようやく読むべき本が決まった。
    やっぱり自分の一番好きな読書は、ミステリなんだと思った。純文学とか哲学書を読んでいる人の方が、偉いのかもしれないけれど、考えてみれば、やりたくもない仕事に一日のほとんどの時間を取られているのだから、残りの時間は家族と過ごすか、または、好きな本を読んでいるべきである。そして当然、私の家族と、私の好きな本については、誰にも文句をつけることはできないはずだと、思った。
    ミステリを読むとき、ハラハラドキドキの展開を楽しんでいるけれど、実のところ、私のような小心者は、安心したいがためにミステリを求めているのではないか。著者の作品はどれも、よく練り上げられていて、文章も巧みだし、読みごたえがある。しかし何より、著者は前作でも、上の引用のように「真実」をキーワードにしていた。ほんとうにそのとおりだと感じてしまった。現実は何が正しいのかわからないし、自分で決めなくてはならない。甘えているようだけど、まさに私個人にとっては、癒しの処方箋のようなミステリだった。

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著者プロフィール

Anthony Horowitz
イギリスの作家。1979年、冒険小説『Enter Frederick K. Bower』でデビューし、YA(ヤングアダルト)作品「女王陛下の少年スパイ!アレックス」シリーズ(集英社)がベストセラーとなる。ドラマ『刑事フォイル』の脚本、コナン・ドイル財団公認の「シャーロック・ホームズ」シリーズの新作『シャーロック・ホームズ 絹の家』(KADOKAWA)なども手掛ける。アガサ・クリスティへのオマージュ作『カササギ殺人事件』は、日本でも「このミステリーがすごい!」「本屋大賞〈翻訳小説部門〉」の1位に選ばれるなど、史上初の7冠に輝く。続く『メインテーマは殺人』『その裁きは死』『ヨルガオ殺人事件』(以上、東京創元社)も主要ミステリランキングで首位を取り、4年連続制覇を達成した。


「2022年 『ホロヴィッツ ホラー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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