日本探偵小説全集〈7〉木々高太郎集 (創元推理文庫)

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  • 東京創元社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (784ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488400071

感想・レビュー・書評

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  • 気持ち的なすれ違いから、今まで敢えて近寄ることをしなかった作家。でも、読んでみてわかった。この人は無視していい人じゃない。『文学少女』、『永遠の女囚』なんてもう…。あぁ、いつか彼を越えて芭蕉になりうる人は現れるのだろうか。

  • どの作品も精神的な部分が主体となった
    お話ばかり。いつもの作品のように密室も無いけど、コレはコレで面白い。この時代だからこそ書けた作品って感じです。

  • (収録作品)網膜脈視症/睡り人形/就眠儀式/緑色の目/文学少女/柳桜集跋/折蘆/永遠の女囚/新月/月蝕/わが女学生時代の罪/バラのトゲ

  • アンソロジーにて3本ほど短編を読んで以来、木々高太郎はずっと気になっていた作家だった。
    特に、この全集にも収録されている「文学少女」を読んだ当時、私はとても感動して、いつか木々高太郎をきちんと読まなければ、と思っていた。

    しかし、今この全集を読み終えて振り返ってみると、自分が感じていたかつての木々熱(?)は、当時の私の潔癖性と比例していたのかなぁ、とも思った。
    それくらい、私はこの全集を読んで木々作品に思い入れを感じなかったのである。むしろ、当時の自分の潔癖さを思い出して、少し恥ずかしいような、青臭いような気持ちになったのである。

    今回この全集を読んで、私は木々作品よりもむしろ、木々高太郎という人物に思いを馳せた。
    きっと・・・と私は考える。木々さんは、プライドが高くて、感受性が強く、自分の信念を曲げない人だったのだろう。そして、おそらくは、他人の話を聞くのがあまり上手くなかったのではあるまいか。

    「網膜脈視症」「文学少女」等は、木々作品が持つその「内に秘めた熱さ」がよく出ていて、いい佳作だと思う。
    しかし、その他の作品については正直、作者のプライドの高さが作品内にもにじみ出ており、それが鼻について読みにくかった。

  • 久しぶりに読み返しましたが、
    もう何回目かなー。
    毎回「文学少女」のラストで号泣。
    これ、お約束(´Д⊂ヽ
    今回の新発見は、昔よくわからなかった
    「新月」がピンと来たことですね。

  • 『網膜脈視症』、『睡り人形』、『就眠儀式』、『緑色の目』、『文学少女』、『折蘆』、『永遠の女囚』、『新月』、『月蝕』、『わが女学生時代の罪』、『バラのトゲ』の11篇の短・長編を収録。大部分の作品に精神病学教授の大心地博士が登場し、フロイト学派の精神分析とミステリの結婚の様な作品群。自分で配合した薬を妻に使い日夜愛撫するといったエロティックな『睡り人形』、文字通り文学に殉死する女の悲劇の一生を描いた『文学少女』、大心地博士のクリニックに入院し、失踪した美貌の女の精神分析が引き出す結果を元に殺人事件を推理する、同性愛や処女懐胎を扱った『わが女学生時代の罪』が好みだった。

  • 一話が長い話は読むのが疲れたけど、全体的に薄気味悪い感じで面白かった。
    「睡り人形」とがどツボすぎてもう駄目。

  • <pre><b>著者の得意とする精神分析を巧みに取り入れ、新し
    い型の名探偵像を創造した大心地先生譚は、海外探
    偵小説ファンにも新鮮な驚きを与えるだろう。「網
    膜脈視症」などの代表的短編と長編『わが女学生時
    代の罪』に、「文学少女」等の名作短編と長編『折
    蘆』を加え、木々作品の真髄をお伝えする。解説・
    紀田順一郎 挿絵・横山隆一、松野一夫</b>
    (出版社/著者からの内容紹介 より)

    資料番号:011269974
    請求記号:F/ニ/7
    形態:図書</pre>

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著者プロフィール

1897-1969。推理小説家、脳生理学者。『人生の阿呆』で直木賞受賞。作品に『四十指紋の男』『光とその影』『大心池先生の事件簿』等。

「2018年 『三面鏡の恐怖』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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