ブルーローズは眠らない (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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感想 : 93
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  • Amazon.co.jp ・本 (377ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488406226

作品紹介・あらすじ

両親の虐待に耐えかね逃亡した少年エリックは、遺伝子研究を行うテニエル博士の一家に保護される。彼は助手として暮らし始めるが、屋敷内に潜む「実験体七十二号」の不気味な影に怯えていた。一方、〈ジェリーフィッシュ〉事件後、閑職に回されたマリアと漣は、不可能と言われた青いバラを同時期に作出した、テニエル博士とクリーヴランド牧師を捜査することになる。ところが両者への面談後、バラの蔓が壁と窓を覆い、施錠された密室状態の温室から、切断された首が見つかり……。『ジェリーフィッシュは凍らない』に続くシリーズ第二弾!

感想・レビュー・書評

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  • 父と母を殺した犯人を炙り出す為に偽装殺人をし、犯人を特定して青いバラで最後トドメを刺すのが良かった。場所入れ替えトリックも騙されました

  • 前作からかなり間あいたのでマリアと蓮のノリについてけないし、化学式全然わかんないし、辛い過去を堂々と動機に据えられても好みでないし‥とかなり斜に構え読んでたら、こんな結末になるとは。面白い!これはシリーズ読み進めなきゃ。

  • シリーズ第二弾
    マリアと漣のテンポの良い掛け合いが楽しい。そして、空軍少佐のジョンも相変わらずいい味出してます。
    「エリックの視点」と「マリアと漣の捜査」パートが交互に展開し謎を深めていく。
    関係者の犯行に至る事情に、他に方法はなかったのか、仕方のないことなのかと思ったが、犯人の最後に関係者の思いを感じて、少し切なくなった。
    青薔薇誕生の難しさとともに「天界」と「深海」の美しさが印象的でした。

  • これぞ本格ミステリ、の一冊。

    不可能と言われた青い薔薇の作出に二人の人物が成功したとたん、密室と化した温室の中で切断された首が見つかった。

    前作よりも構成といい、日記の謎といい、トリックといい、こうも巧く読者をリードするとは。
    これぞ本格ミステリ、まさにその一言。

    特に終盤、随所に散りばめられた why?が綺麗にするりと紐解かれていく瞬間、あるべきところにぴたりとハマっていく瞬間は興奮の嵐。

    ミステリの醍醐味を味わえた。

    ラストの余韻も良い。想いが込められた置き土産、ほんのり残るせつなさが良かった。

  • マリア&漣シリーズの第2弾。実現不可能と言われた青いバラをめぐる殺人。マリアと蓮の会話は前作ほどの面白さはないがシリアスな話にもユーモアが入っていて良い。のめり込んでしまうストーリー。良かった。

  • 青い薔薇の魅力と必死に生きる子供たちが描かれる、珠玉な本格ミステリー。マリア&漣シリーズ 第二弾。

    遺伝子組み換え技術の話からテクノロジー主軸なクールな話かと思ったら、全く違いました。魂を揺さぶる熱すぎるお話です。海外ドラマのように次々繰り広げられる展開に夢中になって読みました、これは面白い!

    また本作は謎解き要素がスゴイ、全くもって全体像を見抜けません。
    2つのパートが交錯しながら物語が展開していくなかで、かなりわかりやすい構成になっているはずなのにぃ、うーん悔しい。密室殺人の仕掛けもガッツリ本格感が満載。素晴らしすぎてしびれました。

    現代のミステリー好きは、前作とともに必読の一冊ですね。

  • マリア&漣シリーズ第2弾。
    前作のジェリーフィッシュ同様、理系要素がまぁまぁ登場する。今回は特に遺伝子工学の分野。序盤に青バラ誕生のくだりで、この辺の説明がワンサカ出てくるが、当然門外漢なのでなかなか理解が及ばず…物語の展開にも波に乗れず…という感じだったけど、中盤のマリア,漣視点とエリック視点の違和感や、アイリスの日記の内容が出た辺りから面白くなって一気読み!

    それにしても犯行に至る背景を知ると切なすぎる。
    何とか平和な人生を送る方に舵を切れなかったかなぁ…と考えてしまう。
    本来送れたであろう幸せな家族の日常を思うと、やっぱり切ない。

  • ジェリーフィッシュ事件後、閑職に回された刑事のマリアと漣は、不可能と言われた青いバラを同時期に作出したというテニエル博士とクリーヴランド牧師を操作することになる。
    ところが、両社との面会後、施錠され薔薇の蔓が窓を覆った温室の中で、博士の切断された首が見つかり……。

    『ジェリーフィッシュは凍らない』のマリア&漣シリーズの第二弾。
    今回は、施錠され薔薇の蔓が覆う温室で発見された首の謎を追うマリアたちのパートと、虐待から逃れた少年が拾われた家で遭遇する惨劇のパートが同時に進行する形式になっています。
    類似する関係者、事件、そして共通する「テニエル博士」と「青いバラ」。一体2つのパートはどうつながるのか。読んでいる最中すごくワクワクしました。
    私は読書中かなり脳内に映像が浮かぶ方なのですが、青いバラの咲く風景がとても綺麗なのもお気に入りポイント。

    最初青いバラの作出に伴う学術的な話が多く、理系ミステリ系なのかと思ったのですが、人間ドラマ的な側面も強く、余韻を残すラストでグッときました。
    ハウダニット・フーダニット部分も良かったですが、ホワイダニットが特によかった。動機が魅力的なミステリは個人的にすごく好きです。

    魔に魅入られるような、心を狂わせほど美しいもの。死ぬまでにぜひ見てみたいものです。

  • 面白かった!解決編読みながら泣きそうになるあたり、前回よりも犯行の動機にしっかり理由があって、切ないけどすごく良かった。子供は可哀想だけど。
    ただ、トリックに関しては複雑すぎて、マリアはなぜあの瞬間にあの複雑なトリックに気付いたのか分からなかった。

    所々に挟まれるジェリーフィッシュ。
    そして本作でも完全に騙された。読者だけが騙されていた叙述トリック。

    名前の通り私は青い花が好きなので、一面に咲く天界にお目にかかりたい。

  • 前回の「ジェリーフィッシュは凍らない」が面白かったので、次を読みたいと思い図書館で借りて来た。

    相変わらず、漣とマリアのやりとりが好き。遺伝子の事など難しかったがそこは前回通りさらっと読み進め、真相に結末に泣きそうになった。そして、ある事を勘違いしてた事に最後、気付き驚いた。面白かったな、購入したいな。ただ本屋で見かけないんだよな…。Amazonで買おう。

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著者プロフィール

1976年、神奈川県生まれ。東京大学卒。2016年『ジェリーフィッシュは凍らない』で、第26回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。他の著書に『ブルーローズは眠らない』、『グラスバードは還らない』(以上東京創元社)、『神とさざなみの密室』(新潮社)など。

「2023年 『東大に名探偵はいない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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