- Amazon.co.jp ・本 (355ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488420024
感想・レビュー・書評
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最初のページからかなり期待をさせられるニッキのセリフがあるのですが、見事に本格として出来あがっている作品です。
読者への挑戦状も間に入っていて、本格好きとしては嬉しいことです。
ちょくちょく散りばめられているお茶目な仕掛けも憎いです。
「だれもがポオを愛していた」でも思ったのですが、登場人物達の名前がユーモア溢れる名前ですね。 -
一番の欠点は謎解きが作者の好きなようにかかれててすべて蓋然性と探偵だけが証拠を掴んでいることで裏打ちされている点。次に致命的なまでに探偵が語る解決篇がダラダラ説明してるだけで面白くもなんともないこと。それなのに最後謎解きを聞いた人がみんな涙流して拍手喝采。本を投げた。個人の内面などを徹底的に排除し、警察、被害者の夫などというようにきめられた以上の個性を与えないようにしてあるやり方やト書きみたいな書き方は面白いけど、話が下らない。また探偵が無意味に影薄い。謎に関しての姿勢が島田荘二っぽい。
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ー動機ばかり捜してちゃ、ダメですよ、部長さん。
主人公にしてこの作品の探偵役である更科ニッキの一言から始まるこの物語は珠玉の作品である。
日本ジグソーパズル協会の会長が当のパズルのピースに彩られ、殺害されるのを皮切りに、作者が示す102の手掛りを元にニッキと読者の知恵比べが開始される。
進まぬ捜査と深まる謎、次々と起こる事件に翻弄されながらも集まるピースを元に総ての謎に挑む楽しみ。
自分なりの推理と解けぬ謎を抱きながら解決編を読む緊張感。
(ちなみに私は犯人は正解も、トリックは解けませんでした。)
解決編にまで凝った趣向があり、堪りません。
ぜひ、ご観覧を。
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これはすごい!ユーモアたっぷりの文体とその文章の巧さは格別。さらにその殺人事件も突飛なわけではないのにかなり惹きつけられる。最後の解決なんて最高!徹頭徹尾論理と証拠によって建てられた推理はただただ嘆息もの。