掌の中の小鳥 (創元推理文庫) (創元推理文庫 M か 3-3)

著者 :
  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488426033

感想・レビュー・書評

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  • 加納朋子さんの本で一番最初に読んだ本。
    全く知らない作家さんだったので、短編なら万が一つまらなくても読めるだろうと思って読んだら、面白くてはまってしまいました。
    初めて読んだ日常の謎ミステリでした。
    ほんの小さなことから、バーのマスターが謎を解くのだけど、全てを言わず本人に行動させて本当の解決に向かわせるシーンが好きでした。
    よくある、推理を全部しゃべってそのシーンで終わりという終わり方でないのがよかった。
    心が温まる話ばかりでした。

  • 愛があります。

  • うーん、加納朋子さんの作品の中では珍しく、のめり込めない1冊です。彼女独特の人情味、という要素はよく出ているのですが、その方向性が僕の好みとは合致しなかったようで、少々残念。

    ただし"仕掛け"は見事。エピソードごとに変わる視点や、トリックの鮮やかさはやっぱりさすがです。
    エピソードとしてはやはり、「自転車泥棒」が好きですね。表題作冒頭のやり口も見事だけど、後味は少々…。

  • 僕がであった不思議な女性。ふたりが迷い込んだバー「エッグスタンド」。
    二人の過去や今と、エッグスタンドに集う人々が織りなす小さな謎やストーリー。

  • 例によって誰も死なないミステリーです。同じ登場人物の中で少しずつ角度を変えて日常より少し飛び出たミステリーを展開しています。構成は結構おしゃれ気味ですがトリックや謎が割と普通なのでそれほどびっくりしたりはしないですね。

  • ≪『―可愛らしくもしたたかな,女たちへ―』≫

    駒子シリーズが,駒子が空へと手を伸ばそうとする物語なら,本作『掌の中の小鳥』は,空からの俯瞰を得意とした人たちの物語.

    謎も,登場人物も,相変わらず愛おしい.
    特に紗英のキャラ,いうなれば「知らぬ間に謎に巻き込まれている」「実は謎そのものの張本人」.
    圭介の,常に冷静・今回の探偵役(「先生」という超俯瞰的人もいるけれど)でいて深海魚のような呑気に人込みを歩く姿.
    物語とテーマの連続性を考えると,第一章の前に添えられた『―可愛らしくもしたたかな,女たちへ―』の意味が分かってくる.

    こういう,謎と驚きと少しの毒と,確かな幸せがある物語を,本という媒体だけでとどめておくにはもったいないと思うのだけれど,どうかな.
    映像化,見てみたいな.

  • 旅用に文庫本を適当に借りた中の1冊。加納朋子を読んだのも久々だわ。5編の連作短編集。クールで頭のいい圭介ときっぷのいい紗英というカップルのお話。紗英がすごく魅力的。こういう女性になりたいものだ。私はどちらかというと圭介タイプだから。斜に構えるタイプだから。紗英の幼なじみの武史もいい。狂言誘拐の話は切なかった。子どもが誘拐されたっつーのに、白紙を置くなんて。こんな父親に愛人が2人もいるとは。そして泉さんみたいな素敵な女性がこんな男を大好きだったとは。若気の至りってもんだろうか。

  • 一話目が好き、とても好き。自らの手による崩壊の話はよいものだ。序盤の実際に目の前で絵の具を並べられているようなわくわくと、それを全て持って行かれてしまう寂しさがたまらない。
    うーん、ただ後半に行くにつれ、「女って強いのよ!」「あんた達がいなくたってやっていけるのよ!」みたいな面が強くなってちょっと読みづらくなった。この作者さんは柔らかくてあったかい世界を書く人だなあと勝手に思っているんだけど、この作品は他作品と比べるとけっこう我が強くてツンとすましてる感じがした。

  • 加納朋子さんらしい、身近な謎解きの短編集でした。

    ただ、紗英さんが苦手なタイプ。

  • 「ななつのこ」とは随分と大人な印象。1話.2話の語り口はとてもよかったのだけど3話以降がどうだろう・・。語り口と話の中の登場人物の印象が違い、全体の物語のバランスが崩れている気がし残念。紗英の性格もイマイチではまれなかった。

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著者プロフィール

1966年福岡県生まれ。’92年『ななつのこ』で第3回鮎川哲也賞を受賞して作家デビュー。’95年に『ガラスの麒麟』で第48回日本推理作家協会賞(短編および連作短編集部門)、2008年『レインレイン・ボウ』で第1回京都水無月大賞を受賞。著書に『掌の中の小鳥』『ささら さや』『モノレールねこ』『ぐるぐる猿と歌う鳥』『少年少女飛行倶楽部』『七人の敵がいる』『トオリヌケ キンシ』『カーテンコール!』『いつかの岸辺に跳ねていく』『二百十番館にようこそ』などがある。

「2021年 『ガラスの麒麟 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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