掌の中の小鳥 (創元推理文庫) (創元推理文庫 M か 3-3)
- 東京創元社 (2001年2月24日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488426033
感想・レビュー・書評
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加納朋子さんの本で一番最初に読んだ本。
全く知らない作家さんだったので、短編なら万が一つまらなくても読めるだろうと思って読んだら、面白くてはまってしまいました。
初めて読んだ日常の謎ミステリでした。
ほんの小さなことから、バーのマスターが謎を解くのだけど、全てを言わず本人に行動させて本当の解決に向かわせるシーンが好きでした。
よくある、推理を全部しゃべってそのシーンで終わりという終わり方でないのがよかった。
心が温まる話ばかりでした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
愛があります。
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うーん、加納朋子さんの作品の中では珍しく、のめり込めない1冊です。彼女独特の人情味、という要素はよく出ているのですが、その方向性が僕の好みとは合致しなかったようで、少々残念。
ただし"仕掛け"は見事。エピソードごとに変わる視点や、トリックの鮮やかさはやっぱりさすがです。
エピソードとしてはやはり、「自転車泥棒」が好きですね。表題作冒頭のやり口も見事だけど、後味は少々…。 -
僕がであった不思議な女性。ふたりが迷い込んだバー「エッグスタンド」。
二人の過去や今と、エッグスタンドに集う人々が織りなす小さな謎やストーリー。 -
例によって誰も死なないミステリーです。同じ登場人物の中で少しずつ角度を変えて日常より少し飛び出たミステリーを展開しています。構成は結構おしゃれ気味ですがトリックや謎が割と普通なのでそれほどびっくりしたりはしないですね。
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≪『―可愛らしくもしたたかな,女たちへ―』≫
駒子シリーズが,駒子が空へと手を伸ばそうとする物語なら,本作『掌の中の小鳥』は,空からの俯瞰を得意とした人たちの物語.
謎も,登場人物も,相変わらず愛おしい.
特に紗英のキャラ,いうなれば「知らぬ間に謎に巻き込まれている」「実は謎そのものの張本人」.
圭介の,常に冷静・今回の探偵役(「先生」という超俯瞰的人もいるけれど)でいて深海魚のような呑気に人込みを歩く姿.
物語とテーマの連続性を考えると,第一章の前に添えられた『―可愛らしくもしたたかな,女たちへ―』の意味が分かってくる.
こういう,謎と驚きと少しの毒と,確かな幸せがある物語を,本という媒体だけでとどめておくにはもったいないと思うのだけれど,どうかな.
映像化,見てみたいな. -
「ななつのこ」とは随分と大人な印象。1話.2話の語り口はとてもよかったのだけど3話以降がどうだろう・・。語り口と話の中の登場人物の印象が違い、全体の物語のバランスが崩れている気がし残念。紗英の性格もイマイチではまれなかった。