怪奇小説傑作集2英米編2 (創元推理文庫) (創元推理文庫 F ン 1-2)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (457ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488501075

作品紹介・あらすじ

「恐怖は人間の最も古い、最も強い情感だ」-H・P・ラヴクラフト。かくして人間は、恐怖を手なずけ、さらには恐怖を愉しむために怪奇小説を発明した。本アンソロジー全5巻には、その代表的な名作が網羅されている。この英米編2には、ふと肩越しにかいま見てしまったあるもののせいで、一生を隠者として暮らす男を描くJ・D・ベレスフォード「人間嫌い」など、全14編を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 恐ろしいというよりも、何処か人間の業の深さを感じるような、愚かさを感じるような。そういう意味で恐ろしいと感じるお話が多かったです。

  • ホラー短編小説をかなりの数読み漁ったつもりだったが最後は中学生時代に読んだこの短編集に戻ってきた。つまり出発点であるとともに終点でもあるということ。古典的な作風の中にモダンホラー的なヒントが満載である。

  • 一巻と比べて、個人的に好きな作品が多かった。
    あんなところで生きていくなんて、不老不死になっても嫌だと思った「船を見ぬ島」。
    髑髏の本当の望みは何だったのだろうか「泣きさけぶどくろ」。
    幸福と不幸の割合なんて案外、これくらいがちょうどいいのではないだろうか「住宅問題」。
    自分が植物になるなんて想像しただけでも嫌だ、でもあそこまで無感情というか無我の状態になれるのか「みどりの想い」。
    新しい宗教ができる時って、こんな感じかもしれない。「スレドニ・ヴァシュタール」。
    私は彼の目にどう映るのだろうか。どうか、醜悪な姿ではありませんように「人間嫌い」。

  • 気に入ったのは、住宅問題/ヘンリー・カットナーで、小人が住んでいるドールハウスのお話。アパートの住人の隠し持っているドールハウスを、知りたがりの大家がちょっかいを出して台無しにしてしますという話ですが、小人達がどんな姿をしているのかやっぱり見たくなりますよね。

  • L・P・ハートリイ「ポドロ島」
    ジョン・コリアー「みどりの想い」
    E・M・デラフィールド「帰ってきたソフィ・メイスン」
    L・E・スミス「船を見ぬ島」
    F・M・クロフォード「泣きさけぶどくろ」
    サキ「スレドニ・ヴァシュタール」
    フレデリック・マリヤット「人狼」
    S・H・アダムズ「テーブルを前にした死骸」
    ベン・ヘクト「恋がたき」
    ヘンリイ・カットナー「住宅問題」
    H・G・ウェルズ「卵形の水晶球」
    J・D・ベレスフォード「人間嫌い」
    サックス・ローマー「チェリアピン」
    E・L・ホワイト「こびとの呪」(『ルクンド』)

  • 怪奇小説アンソロジー。恐ろしいだけではなく、どこかしらコミカルなものもあって、さまざまな読み心地が味わえます。
    お気に入りはE・M・デラフィールド「帰ってきたソフィ・メイスン」。ある意味もっとも恐ろしく、悲しく、そしてひどい話。あまりに可哀想すぎる! でも案外そんなものなのかもしれない……因果応報のホラーの方がすっきりすると思ってしまいます。
    ヘンリイ・カットナー「住宅問題」はコミカルで印象的。人間にもいろいろな人がいるように、ああいう存在にもいろんなものがいるんですねえ。でもまあこれも幸運だからいいのかな?
    一番恐ろしいのは再読でもあるL・P・ハートリイ「ポドロ島」。この正体のわからない不気味さは、やはり他に並ぶものがないと思います。

  • 2014-11-6

  • 「ポドロ島」
    L・P・ハートリイ

    「みどりの想い」
    ジョン・コリアー
    変わった蘭を手に入れたマナリング氏。その後、飼っていた猫、一緒に住んでいた姪が居なくなる。そして、氏自身もその蘭に取り込まれてしまう。植物となった人の感じ方・反応がリアルに描かれている。植物としてあるのに、意識のあることの怖さ。

    「帰ってきたソフィ・メイスン」
    E・M・デラフィールド
    怪奇に気づけない愚かさ、怖さが描かれている。

    「船を見ぬ島」
    L・E・スミス

    「泣きさけぶどくろ」
    F・M・クロフォード

    「スレドニ・ヴァシュタール」
    サキ

    「人狼」
    フレデリック・マリヤット

    「テーブルを前にした死骸」
    S・H・アダムズ

    「恋がたき」
    ベン・ヘクト

    「住宅問題」
    ヘンリイ・カットナー
    海辺の家で貸家をしている夫婦。その貸家には、鳥籠にいつも覆いをかけているヘンチャードさんと言うおじいさんが住んでいた。ある時、ヘンチャードさんは、用事を済ませに一週間出かけると言い、夫婦に籠の中を見ないよう、触れないようにと厳しく注意をしていく。しかし、夫婦は好奇心に負け、籠の中を見てしまう。そこにはミニチュアサイズの家が建っており、中では小人が住んでいる気配がした。夫婦は毎朝晩、籠の覆いを外し、中の小人を覗こうとした。その結果、幸運を家賃代わりにヘンチャードさんの籠に住んでいたその小人はいなくなってしまい…。

    「卵形の水晶球」
    H・G・ウェルズ

    「人間嫌い」
    J・D・ベレスフォード
    孤島にたった一人で住む男には秘密があった。それは肩越しに振り替えって人を見ると、その人の性質ー醜悪な本質ーが見えてしまうのだった。
    見えてしまう恐ろしさと、見られる側の恐ろしさ。

    「チェリアピン」
    サックス・ローマー

    「こびとの呪」
    E・L・ホワイト
    アフリカが暗黒大陸と呼ばれていた時代に、ピグミーと呼ばれる小人を探しに探検隊が密林へと入っていった。その隊の隊長に腫れ物ができる。その腫れ物は夜になると大きくなり、しゃべり始めるのだった。そして付き人たちが、夜その様子を見ると、隊長の体から頭が生えており、それがピグミーであった。
    ゲームのピグミンに怖いイメージがついてしまった。

  • 英米編Ⅱ。有名どころも含め、たくさん読めて面白かった。
    以下気に入った作品
    「帰ってきたソフィ・メイスン」E・M・デラフィールド
    悪い男に騙されたかわいそうな女性の幽霊…なんだけど、最後にドンと落とすパターン
    「船を見ぬ島」L・E・スミス
    船が難破してある島に流れ着いた主人公。そこには先に漂流してきた男女が何人か住んでいて…唯一の女性の様子に注目すると怖い。
    「スレド二・ヴァシュタール」サキ
    子供が怖い。さすが名手。
    「テーブルを前にした死骸」S・H・アダムズ
    雪山で死んだ友人を埋めてあげても、翌朝になるとテーブルの席に戻っているという…心理ホラー。
    「人間嫌い」J・D・べレスフォード
    人を避け、孤島で暮らす男の理由とは…
    「こびとの呪い」E・L・ホワイト
    有名な作品。探検家が現地人からかけられた恐ろしい呪いとは…

  • ■ ポドロ島 / L・P・ハートリイ
    ■ みどりの想い / ジョン・コリアー
    ■ 帰ってきたソフィ・メイスン / E・M・デラフィールド
    ■ 船を見ぬ島 / L・E・スミス
    ■ 泣きさけぶどくろ / F・M・クロフォード
    ■ スレドニ・ヴァシュタール / サキ
    ■ 人狼 / フレデリック・マリヤット
    ■ テーブルを前にした死骸 / S・H・アダムズ
    ■ 恋がたき / ベン・ヘクト
    ■ 住宅問題 / ヘンリイ・カットナー
    ■ 卵形の水晶球 / H・G・ウェルズ
    ■ 人間嫌い / J・D・ベレスフォード
    ■ チェリアピン / サックス・ローマー
    ■ こびとの呪 / E・L・ホワイト

     解説 / 平井呈一
     新版解説 / 荒俣宏

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