- Amazon.co.jp ・本 (428ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488501105
作品紹介・あらすじ
本書には、死んだ美しい女の回向のさなか、身の毛もよだつ妖怪に襲われた神学徒を描くゴーゴリの「妖女(ヴィイ)」をはじめ、全9編を収録した。
感想・レビュー・書評
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ドイツとロシアの怪奇小説。
ドイツの怪奇小説、『蜘蛛』は江戸川乱歩の『目羅博士の不思議な犯罪』の元になったお話で有名なやつです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【ドイツ編】
ハインリヒ・フォン・クライスト「ロカルノの女乞食」
テオドール・ケルナー「たてごと」
H・H・エーヴェルス「蜘蛛」
E・T・A・ホフマン「イグナーツ・デンナー」
【ロシア編】
ミハイル・アルツィバーシェフ「深夜の幻影」
アレクセイ・レミゾフ「犠牲」
ニコライ・ゴーゴリ「妖女(ヴィイ)」
アントン・チェーホフ「黒衣の僧」
アレクセイ・トルストイ「カリオストロ」
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「恐怖は人間の最も古い、最も強い情感だ。」
ラヴクラフトの名言。 -
結局、侯爵は女乞食に呪われたのだろうか?「ロカルノの女乞食」
竪琴が私には妻が秘書をあの世へと誘っているようにしか感じられなかった。もしかして妻と秘書は不倫していたのだろうか「たてごと」
この部屋に泊まった全員が蜘蛛女の魅力に憑りつかれたのか。途中の蜘蛛の逢瀬の描写がこの話を象徴しているようだった「蜘蛛」
どこからどう見てもおかしいのに、村人も何かあるんじゃないかと勘繰ってしまう「妖女(ヴィイ)」
フェードシャを造り出したのに、マリヤと結ばれることを望んだアレクシスが身勝手にしか思えない「カリオストロ」 -
第五巻はドイツ・ロシア編。
わりときっちりオチがついている感のあるドイツ編もいいですが、ロシア編の精神病じみた雰囲気も良かったです。
ロシア編の「犠牲」のラストシーンは、いっそ爽快感さえあるようなバッドエンドでなかなか。
日本やイギリスの怪奇小説は読む機会も多いですが、ドイツやロシアの作品はあまり知らないので、読めて良かったです。