帝王(リーガル)の陰謀 上 <ファーシーアの一族2> (創元推理文庫)
- 東京創元社 (2005年7月8日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (576ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488562038
感想・レビュー・書評
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再読。これはもう、一番好きなのかもしれない……というほど、何回読んでも面白い。つまるところがない。狼の<兄弟>ナイトアイズとの出会いがようやくあって、ちっこかった<ちび>が大きくなっていくのが愛しくてたまらん。道化はこのへんは影薄いなあ。でもフィッツのこと大好きなんだろーなあ、と見守ります。
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謎の赤い船団の襲撃。
フォージされる人々。
〈技〉を駆使して赤い船団にひとり抵抗するヴェリティ。ぼろぼろ。
モリーと結ばれるフィッツ。
孤独なケトリッケン
シュルードを弱らせるリーガル。暗躍しすぎ。
やっと迎え撃つ軍艦が完成。
フィッツは狼のナイトアイズと絆を結ぶ。
ベアルンズ大公の娘セレリティに求愛されるフィッツ、困る -
感想は下巻にて
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『騎士の息子』の続編、ファーシーアシリーズの第二部。
少年の恋、隣国からの侵略、宮廷内の陰謀。
かわいい狼の子供も登場します。
第一部と第三部のつなぎとして、やはり地味ながら
とても楽しい作品です。 -
暗い。
と一言で終わらせたくなる暗さ。前作「騎士の息子」もこれでもか、これでもかと主人公フィッツに困難きわまる問題が振り回され、傷つけられていたが、パワーアップしてる。しかも、前回はまだ、国の外から来る敵がメインに王家とフィッツを苦しめていたが、今回は内からだ。長男は息子フィッツにより王位継承を退け早くに死に、次男は外からの敵に対するので精一杯。そしたら、ずる賢くて性格も悪くて権威大好き三男が黙っているわけに行かない。もちろん、フィッツなんて毛嫌いしている。題名そのままに三男リーガルの陰謀づくし。
下巻に行くまでが大変である。読者もそれなりに忍耐を強いられるのである。 -
少年から青年へと成長したフィッツ。城では危うい立場。庇護してくれたシュルード王に老いと病、謀略の影が忍び寄り、ますます国が危うく。
ヴェリテイとケトリッケンの関係の変化も見どころか。ケトリッケンは強く立派な王妃になった。 -
2008年4月9日読了。
面白すぎる〜。陰謀劇もさることながら、人物の心理描写がすばらしいです。
登場人物たちがそれぞれとても不器用。親近感が持てる。
まるで破滅に向かっていくかのような展開に、ハラハラし通しです。
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●面白いと思うんですけどねえ。
主人公が人間よりも獣と心を通わせがちなあたりとか、J.R.R.マーティンの『氷と炎の歌』シリーズを、思い出させなくもない。よく出来てる少年成長小説だなあ。 -
「騎士(シヴァルリ)の息子」に続くファーシーアの一族の二作目です。
六公国が未曾有の危機に襲われる中、大人の世界に足を踏み入れていく少年フィッツの物語。
波瀾万丈です〜。
無邪気な犬たちに代わって狼の子ダークアイズが登場、「俺たちは群れだ!」と語りかける強力な相棒となり、不良少年仲間のミ・アミーゴといった雰囲気。
シュルード王は高齢で病み、第一王子シヴァルリは庶子のフィッツを残して既になく、世継ぎとなって実質的に政務を執る第二王子ヴェリティは遠視能力を使って赤い船団と戦い続け、すっかり疲弊している状態。
第三王子リーガルは美貌で口が上手く、上の二人とは違う母親の血筋を誇り、王位を狙っていました。
幼馴染みのモリーの危機を救おうと病んだ身体で帰国したフィッツは、思いがけなくモリーが城に来て雇われていることを知ります。恋に落ちた二人!
けれども庶子とはいえ王族のフィッツの結婚はままにならず…
一方、風習の違う国から嫁いだヴェリティの妃ケトリッケンは宮廷で浮いていましたが、フィッツの協力もあって次第に良さを発揮していきます。彼女がりりしくて、かっこいいんですよ〜。
予言めいた言葉を吐く王の道化など、脇役もなかなか魅力的。
じっくり書き込まれた人間関係と危機的な状況がやがて下巻で炸裂します!