詩人たちの旅 (創元推理文庫 F シ 4-5 デイルマーク王国史 1)
- 東京創元社 (2004年9月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488572068
感想・レビュー・書評
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ファンタジー作品はハードカバーのみのものが多く、文庫本で探してみつけた本作品。ダイアナ・ウィン・ジョーンズ女史の初期作品ということで前評判からもそんなに期待してなかったけど、中盤からのぐいぐい方向が変わるスピード感あるストーリーに、しっかり作りこまれたデイルマークという王国の世界観に、キャラクターに、もうさっすがダイアナ!といった感じですっかりハマりました。後半はモリルのクィダーに対する心の考察が長かったですが、決して退屈ではなく、主人公と一緒に成長していけました。クィダーの魔法で山を動かすという序章から歌で示していた場面は、4部作のうちいつか後半で語られるだろうと思っていたら、本作品のクライマックスでした。この出来事への葛藤や、それを上回る魔法な戦いに、第二作目にも大いに期待がもてました。<内容>町から町へと旅する吟遊詩人クレネンの一家が、見知らぬ少年を馬車に乗せたときから、過酷な運命が始まった。父の死。囚われた兄。末っ子のモリルは父の素顔を知るとともに、遺された弦楽器クィダーに秘められた、魔法の力を見出す。だが、さらなる危機が…。現代ファンタジイを代表するジョーンズが描く、壮大なる冒険と奇跡の物語。「デイルマーク王国史」四部作、ここに開幕。
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図書館で。
表紙の絵が大分、なんか、昭和というか古き良き感じ… でもちょっとイメージが違ったような。
個人的には主人公ドライすぎない?と思ったり思わなかったり。母君のドライさはわかるんだけど。そりゃ、自分の望まない…というか縁の無かったような生活を何年も送ったら考えちゃうよな。でも父親の居る時には文句を言わないだけ母の鑑なのか。
後はお姉ちゃんが感情的すぎて苦手なタイプ。面倒くさい感じだ…
二巻以降も同じ主人公かと思ったら違ったのでびっくりしました。 -
やはり、母と父の身勝手さが小気味よいです。
他の作品を年代順に読んでから読み返すと、それでも生きていく主人公の強さが、この作者らしさなんだなぁ、と改めて思いました。そんな強さは滅多に描かれることはないので、というかそれを生き抜いた作者だからこそ描けるものなのだろうな、と。
割と作者の作品の中で、一番好きなシリーズ。 -
しばらく前に読了。デイルマーク・シリーズ第1巻。
以前読んだことがあったのだけど、そのときは話に入り込めなかった記憶がある。今回は面白く読めた。ミステリタッチなところもあり、旅回り描写に慣れると続きを読んでいける感じ。今回のモリルとへステファンもそうだけど、夢見るようなまなざしの魔法使いってジョーンズ作品のひとつの典型なのかなぁ。
2巻目以降も時間を見つけて読むつもり。 -
面白かった。
すっごく!とはならないのは、解説にある、「スパイダーマンの投網」型が好きなので・・・。
これから壮大な物語が始まる、とのことですが、すでに壮大な気が・・・あ、いや、この著者の場合こんなもんで終わるはずないか。 -
刊行当初に全4巻を読み、
いつか絶対再読したいと思っていたのだけど、絶版らしいと聞き慌てて購入。
初期作品であり、作者らしからぬ王道ハイファンタジー。
ジョーンズファンには物足りないかも知れないが(だから絶版なっちゃったのか?!泣)、逆に言えば入門編になりうる。かも。
ここから壮大な物語が始まるので、1巻を読んだ人は4巻まで必ず必ず読んで欲しい。これ重要!
物語はやや地味だけど、人物描写はやはりジョーンズ。人間ってよく分からないし色んな側面があるよね。
特に主人公の母の描かれ方が面白い。 -
洋物はファンタジーの宝庫だけど、いかんせん、前置き(と言うのか、導入部と言うか)が長くないか?面白くなるのを期待しつつ読み進めるのは、やはり疲れる。
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ジョーンズ作品とは思えない静かな始まりで出だしは退屈。でもいつのまにかひきこまれる。モリルの両親の真実がなんだかさみしい‥