巨人たちの星 (創元SF文庫 (663-3)) (創元推理文庫 SF 663-3)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (469ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488663032

感想・レビュー・書評

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  • 『星を継ぐもの』『ガニメデの優しい巨人』に続く三部作完結編。SF要素よりサスペンス要素のほうが強い。前2作(特に第1作)と比べるとSF作品としては劣る否はあるものの、重厚な政治ドラマのような権謀術数が繰り広げられる。ガメニアンやチューリア人、ジュブレン人といったSF的要素を用いて外交サスペンスに仕上げるホーガン氏の構想力はさることながら、後半のジュブレン人の慌てふためくコメディー的要素、人類が一矢報いるカタルシス、そして全3部作をつなぐ円環は読者を飽きさせない。

    それにしても未来をさも見越していたようなホーガン氏が、米国対ソ連の冷戦構造軸を組み入れ、1980年前後の延長線で作品を描いている点が、我々未来人からすればホーガン氏もやはり人間なのだな(当たり前だが)となかなか親近感が湧く。

  • 星を継ぐもの三部作の完結編。読み終えてゾラックに接続できていない自分が、巨人たちを友人に持たない人類が寂しくなります。

  • 三部作の完結編。ついにほかの星に暮らすガニメアンと出会い、地球がずっと監視されていたことが発覚。巨人たちの星が抱える問題に、ハントら地球人やガルースらのシャピアロン号のガニメアンらも加わり、物語は進んでいく。

    前二作と少し雰囲気が異なり、今回は「敵」といえる存在がいる。政治的な問題が大きなテーマとなっている。でも、今回もやはり驚きの展開で、まさに「円輪は閉じた」という結末。より現実離れした異星人や科学技術がでてくるので、(非現実的ではあるけれど)とても現実味をおびていて、純粋に宇宙の謎を解き明かしていった一作目がいちばんおもしろいとは思う。でも、一作目からいるハントやダンチェッカーはもちろん、ガルースやゾラックなど二作目に登場する異星人らには愛着があるので、登場人物に出会えるという点ではとてもうれしいしおもしろい。よりスピード感があるように思えるので、三作のなかではいちばん読みやすいかもしれない。

  • シリーズ3作目。
    政治、外交といった要素が入り、スパイもののような雰囲気も。少し好みから外れたかな。
    自分の今までの読書経験で、最も物語のスケールが大きなシリーズであることは間違いない。
    1作目、2作目での謎も解決し、作中の表現を用いると、「円環は閉じた」感は強い。
    続編はどんな作品なのか、非常に楽しみ。

  • 前作2冊と比べるとだいぶ毛色が違う。
    なんていうか、敵がいない、悪い人がいない、ドンパチしないのが気に入ってたけど、今回は悪役あり。そして理系感が減少してる。
    でもページを繰る手が止まらない。もうすっかりハントやダンチェッカー、ガルースやゾラックに愛着ができちゃってるから、ハラハラドキドキでした。

    個人的にはダンチェッカーの頑固でプライド高いけど最後にはちゃんと意見を受け入れる人間臭くて憎めないところが気に入ってる。

    ラストは、え?そうなっちゃうの?って感じでしたが、これからの人類への期待と、そしてヴィザーのような人工知能?がどう成長していくのか…気になります。

    さらに続編もあるみたいなので、そちらもぜひ読みたい。

  • 前2作に比べSFらしさが少なく、宇宙人と地球人の知的な戦争という感じだった。随所にはSFらしさ・遺伝子操作・重力場の大擾乱・瞬間移動システム・電波天文学・時空の歪等登場していて面白かった。500万年前、月面で死んだ男たちの謎が解かれていてよく分かった。但し、トータルとしては前2作の方がよかったと思う。ブラックホール・ルナリアン・ジュベレン人・戦争等自分の視野を広げてくれる本だ。

  • ハードSFから始まった3部作は、心温まる交流を経て、手に汗握る大笑い社会学SFとして円環を閉じて完結。
    そして嬉しいことに、さらなる続編が20年以上前に生まれ落ちているのですよ( ^ω^ )
    評価は分かれていますが、とりあえず次を読み続けられることに感謝。

  • 楽しかったが、全2作ほどではなかった...(キャラクターとしての)敵方がポッと出すぎた。また、彼らとの掛け合いに緊張感がなく、主人公らの思惑通り動く人形のようなキャラだった。ただ謎に決着をつけたという意味で星3

  • 三部作で世界観がどんどん広がって行くのが面白いですね。
    そして、過去2作に比べて国対国のような政治的な側面が強くなり、ある意味リアルな感じがしました。
    テューリアンの設定が好きです。

  • 策略と文化の話ばかりで、ガニメアンたちも矮小な人間ぽく感じてしまったけれど。
    時間や宇宙そして時空をまたがる発想、すべての伏線を回収した結末といい、堂々の完結編だった。

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