銀河英雄伝説〈3〉雌伏篇 (創元SF文庫) (創元SF文庫 た 1-3)

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  • 東京創元社
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感想 : 100
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488725037

感想・レビュー・書評

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  • ヤンの査問会のシーン、好きなのよね。

  • 査問会〜第八次イゼルローン攻防戦流れがかなり好き。ヤンがイゼルローンを留守にしているか否かで気を揉み思い切った戦術を取れない様が「死せる孔明、生ける仲達を走らす」のようでおもしろかった。
    夢中になって読んでしまった、、未読の人には「銀英伝はとりあえず3巻まで一気に読んでくれ」と勧めたい…

  •  ユリアンくんがとうとう初陣。そして大活躍。育ての親の複雑な親心。
     帝国、同盟、フェザーンの均衡と登場人物たちの内面的なものと外面での駆け引き。とてもよく書かれていると思う。
     それにしてもメルカッツとビュコックが最高なのである。こんな大人になりたいのだ。

  • 亡き親友との銀河の覇者となる約束を果すべく決意を新たにしたラインハルトに、イゼルローン攻略のための大計が献じられた。その裏で暗躍する第三勢力フェザーンの狙いとは。一方、ユリアンの初陣からの帰還に安堵する間もなく、ヤンは査問会に召喚され、同盟首都に向かう。だがその隙を衝くようにイゼルローンの眼前に帝国軍要塞が出現。巨大要塞同士の戦いの火蓋が切られた!
    (1984年)
    --- 目次 ---
    第一章 初陣
    第二章 はばたく禿鷹
    第三章 細い一本の糸
    第四章 失われたもの
    第五章 査問会
    第六章 武器なき戦い
    第七章 要塞対要塞
    第八章 帰還
    第九章 決意と野心
    解説/細谷正充

  • 後書きの通り、全然雌伏じゃない怒涛の展開。

    これからどうなっていくのか、物語が次巻から動き出しそうな感じ。

  • 腐敗する自由惑星同盟の政治があまりにも他人事ではない。メディアをおさえるやり方や都合の悪い集団を権力でねじ伏せるやり方、後方でぬくぬくとしながら他人には正義を押し付け間違った愛国心で人々を扇動するやり方、どれをとっても今の与党に重なる。

    ストーリーとしては相変わらず面白い。

  • 台詞や描写が小気味良いものが多く、読んでいてにやっとする。
    出来の悪い新兵と同程度かそれ以上に出来の良すぎる者は睨まれる
    軍隊に限らず人間はこういうところがあるだろう。
    ビュコックの「わしらは仲間だというわけだ。世代は違ってもな」という台詞も痺れた。
    ヤンの査問委員会での立ち振舞いも、不愉快な査問の中にあって
    溜飲が下がる思い。
    忍耐と沈黙はあらゆる状況において美徳となるものではない。
    耐えるべきでない時に言うべきことを言わないと相手は際限なく増長し
    エゴがどんな場合でも通用すると思い込む。幼児と権力者を甘やかしつけ上がらせてはいけない。

    政治家とは社会の生産になんら寄与せず
    市民が収める税金を公正に再分配することで給料をもらっている。
    よく言って社会機構の寄生虫でしかない。偉そうに見えるのは錯覚。
    この言葉も、個人的に今政治家に失望している状況で読んだもので
    大きく頷いてしまった。

    ユリアンがヤンのことを、多勢に交じると目立たないがいないとなるとすぐわかる人
    と評価しているのも興味深い。
    二人のやり取りがとても微笑ましくて好きだ。

    暴力には抑圧するための暴力と解放の手段としての暴力がある。国家の軍隊は前者。
    国家の軍隊に属するヤンから出てくる言葉だからこそ、重く感じる。
    ”正義”の為に働きたいのに、うまくいかないのは何故なのだろう。
    ユリアンは実力があるだけに、この先どうなっていくのか心配になる。

  • 酷い敗北を喫した部下に対して、敗戦を許し労ったラインハルトがカッコ良すぎた。絶対怒られると思うじゃん。怒られると分かってて、「敗戦の罪は全て自分にあるから部下には寛大な処置を」とお願いするミュラーさんもカッコいい。
    ワインに蜂蜜とレモンを入れて、お湯で割ったホットパンチをつくろうとするユリアンに、蜂蜜とレモンとお湯を抜いてくれというヤンも可愛いし、いっそワインを抜きましょうねというユリアンも可愛い。

  • キルヒアイスの死により冷酷さを増した感のあるラインハルト。そこへ技術畑のトップからもたらされた、要塞をワープさせてイゼルローン要塞を攻略するという案。戦略的必然性はないが、興味を惹かれ乗ることにしたラインハルト。一方、ヤンはフェザーンの策謀で本国に査問のため呼び出され。その間に、イゼルローン要塞の前面にあらわれた同規模の要塞。苦戦する同盟側守備軍。しかしヤンの帰還がすんでのところで間に合い、帝国軍を撃退することに成功、といったところまで。ここに来て不気味な存在感を増すフェザーンが印象に。帝国と同盟をかきまわすトリックスターの位置に///一流の権力者の目的は、権力によってなにをなすか、にあるが、二流の権力者の目的は、権力を保持しつづけること自体にあるからだ/「現在の同盟の権力者どもにふさわしいやりかただな。口に民主主義をとなえながら、事実上、法律や規則を無視し、空洞化させてゆく。姑息で、しかも危険なやりかただ。権力者自らが法律を尊重しないのだから、社会全体の規律がゆるむ。末期症状だ」(ルビンスキー)/死者は絶対によみがえらないのだ。この世のことは生者だけで解決しなくてはならない/彼は疲れていた。勝利は、いつも彼を疲れさせるのだ/人類の歴史がこれからもつづくとすれば、過去というやつは無限に積みかさねられてゆく。歴史とは過去の記録というだけでなく、文明が現在まで継続しているという証明でもあるんだ。現在の文明は、過去の歴史の集積のうえにたっている(ヤン)/一部、現代日本の警句にもなっている。歴史論、文明論を書いてすごしたかったヤンは、著者の分身でもあるのかもしれない。

  • 第2巻では帝国、同盟それぞれの内戦が描かれた。今作は副題が雌伏篇ということもあり、内戦以降のそれぞれの地盤固めが描かれつつ、今後の伏線を丁寧に張っていく巻かと思いきや良い意味で裏切られて、要塞を中心とした宇宙戦というこれまでは描かれていない、わりと派手な戦闘が描かれた。ユリアンの活躍が見られるのも本巻の見どころ。

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著者プロフィール

1952年熊本県生まれ。学習院大学大学院修了。1978年「緑の草原に……」で幻影城新人賞を受賞しデビュー。1988年『銀河英雄伝説』で第19回星雲賞(日本長編部門)を受賞。2006年『ラインの虜囚』で第22回うつのみやこども賞を受賞した。壮大なスケールと緻密な構成で、『薬師寺涼子の怪奇事件簿』『創竜伝』『アルスラーン戦記』など大人気シリーズを多数執筆している。本書ほか、『岳飛伝』『新・水滸後伝』『天竺熱風録』などの中国歴史小説も絶大な支持を得ている。

「2023年 『残照』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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