超弦領域 年刊日本SF傑作選 (創元SF文庫) (創元SF文庫 ん 1-2)
- 東京創元社 (2009年6月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488734022
感想・レビュー・書評
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「ノックス・マシン」「全てはマグロのためだった」「笑う闇」「From the Nothing,With Love.」が好き。
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初めて読む作家さんの作品もいくつかありましたが、特に印象に残ったのは、「土の枕」、「分数アパート」、「幻の絵の先生」でした。
3つともSFとは呼べない作品なのが微妙なとこですが。「分数アパート」は面白い。ひたすら笑い転げました。「幻の絵の先生」は有名な「星新一 1001話をつくった人」に関係するノンフィクションですが、とても興味深い話で「1001話」の方も読みたくなりました。 -
「青い星まで飛んでいけ」をとりよせたら、これがきちゃった罠。
一編だけ小川 一水が含まれてたので読みました。
青い空まで飛んでいけ
人類の末裔エクスくんが、“未知の探求”をする宇宙規模のお話。
単語ひとつひとつに宇宙規模の壮大さというまだるっこしさがつきまとうのでうまく説明できないけれど、エクスくんが様々な“未知との遭遇”をして、“未知の存在“と争ったり恐怖したり否定されたり融合したりする様をポップかつ未来的に描いています。
わりとかわいらしい。ラノベっぽい軽やかさ。
芯はえんぴつ程度に固い。
考えようと思えば深読みもでき、壮大な宇宙思想に思いを馳せることもできる。
他もちゃんと読みたいなー。 -
久々に日本のSFを読んだ。高校時代の記憶とシンクロするドキドキ感が蘇ってくるのだが、これってセンス・オブ・ワンダーなのかしら。
ただ、向き不向きはあるもので、伊藤計劃と円城塔は頭が受け付けてくれなくて挫折してしもうた。 -
年刊日本SF傑作選第2集。大森望・日下三蔵両氏による2008年の優秀作品を集めたもの。2008年というと、野田昌宏氏やアーサー・C・クラーク氏などが亡くなった年として記憶に残っている。
おそらく自分がSFを読み返すようになったのは、クラーク氏が亡くなられた事がきっかけかもしれない。ただ、日本のSFはほとんど読んでいなかったので、本書に納められている様な話は読んでなかったのだが、どれも面白い作品でもう一度日本のSF作品をじっくり読んでみたい気持ちになった。
今回はトリの伊藤計劃氏の作品が良かった。氏の作品は前回の虚構機関で読んだ物と併せて、少々血なまぐさい印象があるのだが、話はしっかりしていて人間心理の描写がとても良いのでついのめり込んで読んでしまう。ネタが虚構機関での山本弘氏と同じ物を扱っているのが気になるが、SF作家の間では意識に対する認識はほぼ共通した考え方になっているのだろうか。
円城塔氏の作品で大数の位取りが出てくるが、現在では一般的な「じょ」(どうも漢字がきちんと出ない)ではなく、寛永年間以前に使用されていた正統的な(?)「秭」になっている演出が心憎い。内容は理解不能だったが、さすがにハードSF作家だという印象を受けた。
面白かったのはBoichi氏の鮪の漫画と法月綸太郎氏だろうか。
しかし、どれも良い作品でやはり星五つになってしまったが...。作品集の題名も前よりSF的な感じがするように思う。 -
2008年の傑作選。全15作だ。期待はもちろん堀晃作品。前回(2007年版)で意味不明だったリベンジの円城塔作品も楽しみだし、伊藤計劃の筆にも期待。加えて、意外性はミステリーの大物法月綸太郎作品。
さて、大期待の法月綸太郎「ノックス・マシン」は期待通りのタイムトラベルもの。特異点発生の理由をわかりやすくSF的に記している。もちろん、物理用語もたっぷりと出てきて、作者の天才ぶりが目立つ作品だ。先頭打者ホームランと表現されているが、まさにその通りの作品で非常に満足。
続く、林巧「エイミーの敗北」はイマイチだなぁ。さらに、樺山三英「ONE PIECES」もだめ。小林泰三「時空争奪」のアイデアは面白いんだが、表現というか描写が好みではない。津原泰水「土の枕」はSF? なんか読み飛ばしてしまった。時代物が苦手な私だからだろう。藤野可織「胡蝶蘭」はミステリータッチの作品。好みじゃないけれど。
岸本佐知子「分数アパート」(「あかずの日記」より) 、石川美南「眠り課」 、最相葉月「幻の絵の先生」で絶望し、Boichi「全てはマグロのためだった」ってなマンガにも諦め、倉田英之(イラスト・内藤泰弘)「アキバ忍法帖」 に至っては本を投げつけようかと考えた。
気を取り直して、堀晃「笑う闇」。梅田と漫才を舞台としてロボットを描く。ハートウォーミングなお話だ。そして、クラーク追悼の、小川一水「青い星まで飛んでいけ」 が最高に良かった。これいいなぁ。
気分が乗ってきたところで、リベンジの円城塔「ムーンシャイン」に進むのだが、今回も撃沈。加えて、伊藤計劃「From the Nothing, With Love.」 にもぼろ負け。
合わないのかなぁ。ま、今回は小川一水作品が最大の収穫だった! -
「青い空まで飛んでいけ」「ノックス・マシン」「From the Nothing,With Love」「全てはマグロのためだった」が好み。それと解説が堅苦しくないのが良かったです。
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「ノックス・マシン」、「時空争奪」、「分数アパート」、「全てはマグロのためだった」、「青い星まで飛んでいけ」、「From the Nothing, With Love.」辺りが特によかったかな。
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面白いなぁ。
素人がすべて追い切れるわけじゃないから、こういう集成は今後も続けて欲しい。
それにしても、伊藤計劃……残念すぎる。
むちゃくちゃ面白い。
あなたの魂に安らぎあれ(TДT) -
2008年の日本SF傑作選。小説のみならず、マンガやエッセイに短歌と幅広い品ぞろえ。どれも面白かったけど、特に良かったのは、法月綸太郎「ノックス・マシン」、津原泰水「土の枕」、伊藤計劃「From the Nothing, With Love.」かな。巻末の推薦作リストも嬉しい。
「ノックス・マシン」、ノックスの十戒をネタにしたバカSF。読んでる間中ニヤニヤ笑いがとまらない。
「土の枕」、このページ数でこの膨大な物語の量!!。酩酊感がたまらない。
「From the Nothing, With Love.」、007かと思いきやクリスティの○×。まさかあの作品が見事なSFになるとは。