- Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488737023
作品紹介・あらすじ
日夜“怪獣災害”と闘いつづける気象庁特異生物対策部(気特対)。今度の敵は、宇宙から飛来した巨大生命体! 本格SF+怪獣小説の傑作『MM9』続編、文庫化。
感想・レビュー・書評
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MM9シリーズの続きを久々に読みました。今回は長編で“気象庁特異生物対策部”略して”気特対“のお仕事よりも、なんだかラブコメがメインでした。
でも、怪獣バトルの首都破壊描写は迫力ありました。皇居東御苑……怪獣退治とはいえミサイル叩き込んで良いところなのかな?
ヒメの(怪獣が凍って死ぬわけないじゃないですか)に、(シンゴジ〜!)と思ったり、ウルトラマンなところもありました。
「多重人間原理」はいまいちよくわからないけど、ビックバン宇宙と神話宇宙の違いと「神話宇宙にはわれわれの理論が通用しない」は面白い世界観でした。
「妖怪」の皆さんも、御星ひかるも気になります。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ウルトラマン世代ってどのくらいの幅があるのだろうか。Qを含むウルトラマン・シリーズへのオマージュ。舞台は2012年の日本のように見えるが文中で時折語られる歴史が一部改変されていることからここがパラレルワ―ルドであることが分る。自然災害の代りに怪獣災害が繰り返される世界を描いたシリーズ第二作。ウルトラマンの役を巨大怪獣少女が務めるという元祖オタク作家的展開。当初は激しく違和感を覚えるも知らぬ間に設定に馴染んでいる私がいた。お約束の三分間ネタも出てくる。見方を変えれば異類婚姻譚という伝統的物語世界とも言える。
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好きなジャンルであり、初作も楽しめたのでハードカバー版もすぐにでも読みたかったのだが文庫本をコレクションしている身としては 文庫版になるまで「じっと我慢の子」は長かったなぁ。
前作のコンセプトが、元々は特撮を用いた大人向けの怪奇ミステリーシリーズ『アンバランス』から派生した『ウルトラQ』の形態を踏まえており、大人でも楽しめる「気特対」の面々の視点でドラマが構成されて≪怪獣版・怪奇大作戦≫となっていたのに対し、第2部の本作は最初から少年向けの特撮冒険活劇として企画された『ウルトラマン』のド!ストレートなリスペクトであり、巨大ヒーローストーリーを照れることなく真摯に胸を張って挑んでいる所が気持ち良い。
『ウルトラマン』のメインシナリオライターを務めた故・金城哲夫の筆によるノベライズ作品『小説 ウルトラマン』に倣い少年冒険活劇を今風のボーイ・ミーツ・ガールをを絡めて描いているので、若い読者から見れば≪ライトノベル≫として読める事だろう。が、そこは大人の目で怪獣小説としてを読むか?はたまたテレビに噛り付いて30分という時間を夢中で過ごした「あの頃の自分」の目で読むのか?で印象がガラリと変わる作風を「演出」として得てして行っている所に作者の『御企み』を伺い知ることが出来る。
物語の中では古今東西のSF怪獣映画作品を多数「事例」としてとりあげ、その方面のマニアならばニヤリとさせられる「くすぐり」もサービスとして盛り込まれているのは前作から受け継いで健在。
今回のメインキャラクターとして 登場する人間側の味方である巨大ヒーロー(ヒロイン)はその設定こそ『ウルトラマン』のそれであるものの、容姿の設定は「映像化」が不可能であろう事を承知の上で描いており、今日の日本の特撮、映像の業界に対して「実写では描けないもの」を提言する作者のシニカルな面も見え隠れする。もっとも、今の邦画業界においては、こういうお話は充分な予算も与えられないし、安易に映像化などすると8割方失敗するから「読んでイマジネーションを膨らませて脳内演出する方が正しい楽しみ方である」と同時に活字の話を楽しむ「小説の強み」を作者自身が力強く語っているようにも視得る。 最終巻の「第三部」も非常に楽しみ。 -
山本弘さんの趣味が炸裂する、MM9の第二部となる作品です。
個人的なイメージでは前回は『ゴジラ』的な怪獣対策組織の活躍の物語だったと思うのですが、今回は『ウルトラマン』最近のアニメだと『グリッドマン』を思わせるような、怪獣対ヒーローの対決がメイン。それにボーイミーツガール的な要素が加わります。
ボーイミーツガール的な部分は、一昔前のラノベ的というか、どこか牧歌的な印象があります。この手の作品でお約束といえる要素もふんだんに取り込まれていて、ある意味吉本新喜劇を観てるような安心感(笑)
エンジンがかかってきたのは後半からかなあ。宇宙から怪獣が飛来し、スカイツリーに突っ込んでくるという状況に、怪獣災害の対策本部はパニックを起こしながらも大奮闘!
そしてクライマックスは怪獣VS巨大少女のバトル! 過去の山本弘さんの小説を読んでいると「これ100%趣味だな」という感じで、それはそれで面白い。もちろん格闘シーンも読み応えは十分あります!
あとがきを読むと、作品の作り込みと特撮への愛が伝わってきます。だからこそ、後半のシーンの読み応えはすごかったのだなあ、と納得しました。
本編とは関係ないですが、主人公がアキバで前回の内容を踏まえた同人誌が出ている、という話をしていてちょっと吹き出しました。確かにあれは恰好のネタだわなあ。 -
遠い宇宙から襲来する怪獣を、また別の怪獣に憑依されたヒメが、東京スカイツリーにて迎え撃つ。巨大少女好きにはたまらない描写の数々。
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面白かったです。
何でもかんでも『多重人間原理』で辻褄合わせをしてしまう傾向はありますが、それを受け入れれば楽しんで読めるのではないでしょうか。
早速、続編の『MM9-estruction』を注文しました。 -
小説で怪獣ものが楽しめるのは嬉しい。
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映画『シン・ゴジラ』を観て読みたくなって積んでいたこの本を手に取る。
MM9シリーズの第2巻であり、新シリーズの前編ではあるが、この本の中でも一区切りは付いている。
某ウルトラマンを彷彿とさせるニヤリあり。 怪獣が自然災害として扱われる世界。
行動パターンや、その他の情報から、怪獣の性質弱点を推理してやっつける系の、濃い理論飛び交うハードSF。
今回の敵は、宇宙怪獣。
秋葉原のヲの字全開のシーンは、ライトノベルでやってほしかった気もする。
ノンケ(非ヲタの意)置いてけぼりの暴走。