原色の想像力 (創元SF短編賞アンソロジー) (創元SF文庫)

制作 : 大森 望  日下 三蔵  山田 正紀 
  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (506ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488739010

感想・レビュー・書評

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  • 原色の想像力 (創元SF短編賞アンソロジー) (創元SF文庫)

  • [創元SF短編賞アンソロジー『原色の想像力』を読んで - heyheytower]( http://maijou2501.hateblo.jp/entry/2016/01/04/004313 )

  • 第一回創元SF短編賞に応募の新人アンソロジー
    宮内悠介、松崎有理がお気に入りの作家に入ったので、同時に選考に残った他の作品も読んでみたくなった。
    大森望、日下三蔵の編んだアンソロジーは好なのが多いし、山田正紀も好きな作家だけど、嗜好が完全に一致するなんてことは無い罠

  • 2010年12月24日初版、並、カバスレ、帯なし
    2014年1月4日阿倉川BF

  • 時計じかけの天使

  •  第一回創元SF短編賞の応募作品のアンソロジー。

     まず何と言っても直木賞候補にもなった宮内悠介の短篇集の表題作「盤上の夜」。四肢を失った女流棋士が、それ故に碁盤を特殊な感覚で捉えるようになった生い立ちを記者の視点から綴っています。上田早夕里「ナイトブルーの記憶」に似て、脳科学・心理学的なテーマを元に、感覚の変容を第三者の視点で描いています。小説との親和性が高いテーマでありながら、学問的なことは控えめに抑えているのが好印象でした。専門用語で説明文を読まされるのはツライので。

     個人的に好きなのは山下敬「土の塵」。ストーリー自体は珍しくないけれど、丁寧に描写しているので読みやすく、ヒロインのキャラが立っているので途中で飽きることもありません。専門用語は無理なく紹介されますが、論理的な点は目を瞑りましょう。いぶし銀のような小説です。

     松崎有理「ぼくの手のなかでしずかに」は、北の街(つまり仙台)を舞台にした研究室モノ。研究室の中の人間なら、必ずニヤリとするはず。「比較的まともな椅子を目で探し、腰をおろした」の一文でやられました。

     永山驢馬「時計じかけの天使」は、いじめ対策のためにいじめられっ子ロボットが導入された社会が舞台。既視感はありますが、まあ普通かなという感じ。驚愕の展開があると良かったかも。

     あとは端江田丈「猫のチュトラリー」が面白かったな、というくらい。

     「うどん キツネつきの」とか「人魚の海」とか、SFなのか不明なものも多い印象。「かな式 まちかど」は明らかに出落ち。

     逆に「ママはユビキタス」と「さえずりの宇宙」はSF的には良いんだろうけど、読みづらさは耐え難いものがありました。多分ある程度SFを知ってる人なら分かるんだろうけど、マニアック過ぎて暗号化されてます。最後まで読めただけでも奇跡的。

     しかしこうして俯瞰してみると、視点(語り手)に配慮されている作品はハズレがないと思うのだけど、気のせい?

  • 完成度がやはり、という作品は多い

    そのなかで、時計仕掛けの天使(TVでみたことがあると思ったら、世にも奇妙な物語で放送されていた。すごい)、盤上の夜は頭抜いてる感じ。
    ぼくの手の中では別格。


    うどんは中盤冗長。途中で読むのを止めそうになったが、最後の年度で起こさせる視点の転換はなかなか。ただし、なんでそうするという意図は共感できない。

    猫は女系の家族の作者が書いたんだなーという印象。主人公、セールスマンが弱い。ネーミングがださい(ケアノイド、ミャウリンガル)。ストーリー、アイディアの口当たりやわらか

    時計仕掛けは、ストーリー重視。個人的に一番好み。SFとしてはイマイチだが、人間的成長がある。

    人魚は文章上手いけど、描写に偏りが。

    まちかどは色物。面白いし、視点の転換もある。ただしSFでない。

    ママはよくわからない。情報量が多くて処理できない。巻末にもある通り、愛がない

    土の塵は古いSFという印象。アイディアが素直。別に馬鹿SFとは思わない。ただし、マリア出生以外のSF的アイディアは小賢しい

    盤上の夜は、記述がこなれてる印象。しっかりしてる。ただし、SF?
    あと、短編なのに場面切り替えが多くて頭の切り替えが大変

    さえずりは理解不能。目的が分からず、読むのが苦痛。今風なのは分かる

    ぼくの手の中ではさすが。文章が今風で読みやすい。数学の話は数学でなくていいと思えた。素数を押す理由が明かされず、消化不良
    アルジャーノンの前半を想起


    ソフトなSFが多い

    巻末の選評が面白い。どんなこと言ってるのかなーってのが聞けるのは大変貴重。ときどき、えー?、って思うこともありつつ、やっぱり!って共感できるのは面白い。

  • ステキなタイトルが示すように、新人作家のアンソロジー。

     「うどんキツネつきの(高山羽根子)」の世界観は理解できなかった。褒めちぎられているのだが、理解できなかった。「猫のチュトラリー(端江田仗)」の文体も乗り切れず。「時計じかけの天使(永山驢馬)」はいぢめ対抗ロボットということで、どこかで読んだ設定ながらも、なかなか力が入った感じで面白かった。

     「人魚の海(笛地静恵)」は魚舟の世界に近いながらも、イメージがついて行かず斜め読み。「かな式まちかど(おおむらしんいち)」は言葉遊びっぽく最初からパス。「ママはユビキタス(亘星恵風)」は面白そうなんだが、どうしても集中できずにパスしてしまった。「土の塵(山下敬)」輪廻の蛇っぽい展開が面白いのだが、その必然性がクリアでないから減点かな。

     「盤上の夜(宮内悠介)」「さえずりの宇宙(坂永雄一)」は連続読み飛ばし、「ぼくの手のなかでしずかに(松崎有理)」では数学の楽しさを・・・と思ったら意外な(ダイエットの)結末で驚き。

     確かに原色というか原石の感じですねぇ。

  • たまにはサラダみたいなSFが読みたいな、と思って手にとった。創元SF短編賞の最終候補作品集。前代未聞のオール新人作家アンソロジー。ひらがな擬人化ストーリー「かな式 まちかど」と、古きよき王道宇宙SF「ママはユビキタス」が面白かった。

  • 永山驢馬「時計仕掛けの天使」

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