不平等の経済学―ジェームズ・フォスター、アマルティア・センによる補論「四半世紀後の『不平等の経済学』」を含む拡大版

  • 東洋経済新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492312803

作品紹介・あらすじ

経済的不平等に対する理論的な検討に三好内外国特許事務所1997年拡大版の全訳。厚生経済学と社会的選択の理論に対する貢献によって1998年ノーベル経済学賞受賞。

感想・レビュー・書評

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  • 4200円購入2011-03-31

  • 本書はアマルティア・センによる不平等の考え方を数理的アプローチも交えて比較的厳密に論じた本である。経済学における不平等の考え方を記した上で、それを徐々に拡張して議論している。
    ひとえに不平等と言ってもさまざまなベクトルでさまざまな形態があり得るために、不平等の何が問題かを捕らえるためには多角的な分析が必要となってくることを、本書を通じて改めて認識した。本書が執筆されてから20年近く経っており、当時から現状は少し変化した部分があるが(たとえば実験経済学や行動経済学の台頭によって効用関数が測定可能になってきたり、幸福という概念が出てきたり、ピケティが新たな視点を導入したり、など)、本書で書かれている内容は現在不平等を考える際にも大いに重要な観点となるため、本書の内容を把握しておくことは重要である。また、本書で政治哲学との交わりについて、当然ながらロールズについては言及されていたが、コミュニタリアニズムなど今日的な政治哲学には当然言及されていないため、政治哲学との関係性については個人的に興味深いものとなった。

  • 今一番有名な経済学者(というか思想家?)の一人ではないか。
    シラバスにセン教授がどーたら書いてあったから、はるばる農学部まで行ったのになんか期待はずれだった。授業が。

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著者プロフィール

1933年、インドのベンガル州シャンティニケタンに生まれる。カルカッタのプレジデンシー・カレッジからケンブリッジ大学のトリニティ・カレッジに進み、1959年に経済学博士号を取得。デリー・スクール・オブ・エコノミクス、オックスフォード大学、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス、ハーバード大学などで教鞭をとり、1998年から2004年にかけて、トリニティ・カレッジの学寮長を務める。1998年には、厚生経済学と社会的選択の理論への多大な貢献によってノーベル経済学賞を受賞。2004年以降、ハーバード大学教授。主な邦訳書に、『福祉の経済学』(岩波書店、1988年)、『貧困と飢饉』(岩波書店、2000年)、『不平等の経済学』(東洋経済新報社、2000年)、『議論好きなインド人』(明石書店、2008年)、『正義のアイデア』(明石書店、2011年)、『アイデンティティと暴力』(勁草書房、2011年)などがある。

「2015年 『開発なき成長の限界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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