ブロックバスター戦略―ハーバードで教えているメガヒットの法則

  • 東洋経済新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492533710

作品紹介・あらすじ

圧倒的勝者には共通する戦略がある!

巨額の製作費をかけるハリウッドの看板映画、
スーパースターに大型投資するレアル・マドリード、
全米2万店舗に大々的に出荷されたレディー・ガガの『ボーン・ディス・ウェイ』
なぜ、回収不能と思える予算を投じるのか?

ハーバード大学で異色の人気授業!
映画、テレビ、スポーツ、IT業界で「ひとり勝ち」するための戦略を解き明かす。
『イノベーションのジレンマ』のクリステンセン教授も絶賛!

〈本書で取り上げる事例〉
ハリー・ポッター/レディー・ガガ/レアル・マドリード/シャラポワ/ネットフリックス/スパイダーマン……

〈日本語版刊行に寄せて  鳩山玲人〉より抜粋。
ハーバード・ビジネススクール在学中に出会った教授の中で、特に思い出深い教授が本著書の著者であるアニータ・エルバースさんです。……そんなアニータが、ハーバード・ビジネススクールで研究してきたエンターテインメントビジネス理論の集大成としてつくり上げたものが本書『ブロックバスター戦略』です。…… 
私自身もブロックバスター理論の信者です。大型のコンテンツの時代の流れに合わせて、サンリオでも映画製作の取り組みを開始します。…… 
この理論は特にエンターテインメントやIT業界で参考になり、活用できる戦略理論になります。この本に書いてあることをよく引用して私自身も話をすることが多かったのですが、ここに日本語版ができることにより、ようやく日本の皆さんにも手に取っていただけるようになったことをとても嬉しく思います。

感想・レビュー・書評

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  • 読者の事前の期待から賛否両論ありそうだが、個人的には単純に面白かったので★4つ。

    <理由>
    普段取り上げられることの少ない(?と思われる)、スポーツ業界、映画業界、音楽業界、出版業界、そしてクラブ経営のマーケティングの成功事例が痛快にあげれられていたから。

    <まとめ>
    要は、大衆の支持が厚いものはその創造に巨額を投じても、マーケティングに巨額を投じても、回収するどころか巨額の利益を生み出しますよ、そんな事例が昨今多いですよ、という話。(逆に中途半端はダメよ、的なアンチテーゼになり)

    そしてこれは発達した情報化社会の影響であり、特徴ではないかと。
    大衆は昔よりも簡単に、そして瞬間的に圧倒的に「良し」とされるコンテンツに群がる。これが本質でないかしら。

  • 小さなヒットを重ねるより、メガヒットを出した方が効率が良くトータルでも成果が出るという考え方。
    ロングテールの逆。

    映画のワーナーブラザースやレディ・ガガなどエンターテインメント業界の事例をもとに紹介していて面白い。

    それでも小さな作品にも投資を続けるには営業先との関係構築や人材育成などの意味合いもあり、バランスが大事。

    エンタメ業界の人には参考になる。

  •  メガヒット法則のお勉強。


     …小さく賭けるほど”安全だ”という考えは、俗説にすぎない。ブロックバスター戦略は、ほかのリスク回避戦略を確実にしのぐ成果をあげる。つまり、エンターテインメントやメディア部門で好業績をあげている企業は、かなりのリソースを数作品だけに投資することで発展し、その数作品に高水準の開発やマーケティング支援を行うことで、選択に導く。いくらか”自己充足的予言”の趣きがなきにしもあらずだが、これは確かに効果がある。それに、エンターテインメント商品の再生と流通にかかる限界費用は比較的少ない―とくに先行投資した制作費と比較した場合は―し、宣伝活動にかかわる規模の経済のおかげでベストセラーや最高の興行成績、あるいは記録的視聴率などのメリットは、きわめて大きい。

     (報酬の一人勝ちについて)
     まずひとつ目の(それに明々白々な)見解として商品がたとえチームでつくるものだとしても、創造性あふれるひとりの人物が商品の成功に多大な影響力をもつという点があげられる。…
     …トップを占める少数精鋭が高報酬を得る2つ目の理由がわかる。彼らはマーケターがいう”製品属性”になるのだ。現代の大スターの多くは、彼ら自身がブランドであり、消費者の意思決定過程において、決定要因の役割を果たすことが多い。

     …この法則(「80対20の法則」)では、売上げの80パーセントは、全販売商品の20パーセントで生み出しているとされる。前述したアルバムの場合、法則があるとすれば、むしろ80対1の法則に近い。ある時点での実店舗の販売商品をたとえ控えめに見積もったとしても、ロングテールの売上げがヘッドの売上げと肩を並べるという、アンダーソンの予測とはほど遠い。

     …エリック・シュミットもロングテールについて考えを変えたようだ。ロングテールを支持してからわずか2年後に、シュミットは次のように述べた。「インターネットがこれほど公平な土俵を築き上げてきて、ロングテールは間違いなくそこにふさわしい―差別化や多様化、新たな意見にあふれた場所である、といいたいのだが、あいにくそれは違う」…「テールは非常に興味深いが、現実として、収益の大部分はヘッドにある。これは企業が学ぶべき教訓である。ロングテール戦略を擁する一方で、ヘッドももつほうが良い。これはヘッドこそが収益を生み出す場所だからだ。」シュミットはこれを「90対10のモデル」と称して、「われわれはロングテールを気に入っているが、わが社の収益のほとんどはヘッドからあがる」と述べた。

     新デジタルツールが、さらに革新的な―しかもそれほど高価ではない―商品をもたらす可能性は、エンターテインメント事業にとっては朗報だが、話はこれだけでは終わらない。『デコーデッド』の発売は、ブロックバスター戦略が遭遇しそうなもうひとつの局面も示している。コンテンツ制作者と、彼らとはまったく異なる目標を掲げる企業との間で結ばれるパートナーシップの重要性の高まりだ。ロック・ネイションとマイクロソフトの組み合わせは奇妙に見えるかもしれないが、こうした結びつきは今後さらに一般的になっていくだろう。

  • アメリカでの事例集、ロングテールは実際には成り立たず一極集中になるのでは?という話など。
    なお、この本の内容を実践するにはその市場でそもそもトップにいる必要がある。

  • 映画、ミュージシャン、サッカーなどを題材に、メガヒットの秘密を説く。ロングテールに対抗する戦略で、納得のできるところも多いが、事例の多くがUSのもので、私が知らないものも多く、実感にはちょっと欠ける。

  • 2015年10月に実施した学生選書企画で学生の皆さんによって選ばれ購入した本です。
    通常の配架場所: 開架図書(3階)
    請求記号: 336.1//E45

    【選書理由・おすすめコメント】
    ハーバードビジネススクールでの講義をもとに、映画・スポーツなど様々な業界のブロックバスター戦略(メガヒット戦略)について書かれている。ぜひ読んでみたい
    (薬学科)

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著者プロフィール

アニータ・エルバース
ハーバード・ビジネススクール教授
ハーバード・ビジネススクールのリンカーン・フィレーン記念講座教授。同校の女性教授として史上最年少で終身在職権を取得し、MBA1年目の必修カリキュラムの議長を務める。人気授業「クリエイティブ産業の戦略的マーケティング」を担当し、映画、テレビ、音楽、出版をはじめ、スポーツ産業やナイトクラブまで、ビジネスのロジックで分析していく。『ニューヨーク・タイムズ』紙、『ウォールストリート・ジャーナル』紙、『バラエティ』誌、『フォーチュン』誌などで研究が取り上げられる。マサチューセッツ州ボストン在住。


「2015年 『ブロックバスター戦略』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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