そうそう、これが欲しかった!―感性価値を創るマーケティング

著者 :
  • 東洋経済新報社
3.61
  • (19)
  • (22)
  • (40)
  • (5)
  • (1)
本棚登録 : 246
感想 : 24
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492555880

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ここのところマーケティング系の本をよく読みますが。
    小阪先生の本は、うなるところが多い。

    なぜ売れないのか?
    ではなく「買おうというプロセスまでおとしこむにはどうしたらいいのか?」
    を常に考えるようになりました。

    いかに自社を思い出させるか。
    これポイントですね。

  • ゼリア新薬、銀座の味噌おにぎり、「そうそう、これが欲しかった」

  • ・ 感性消費の時代にお客さんが求めているものは、ミズダコではない。それで生活が面白くなるかどうかである。
    ・ 大切なのは、どんな価値を増幅させるかという視点である。店舗での販売の際に、あるいは商品のカタログでも、先のような組み合わせを見ていくことで、お客さんは価値の増幅を直感的に感じ取ることができる。そこにポップやセールストークで言葉を重ねれば、価値をさらに高めることも可能だろう。
    ・ ニーズを満たすことを主眼においたマーケティングであれば、売上はお客さん次第ということになる。一方、お客さんのニーズを作り出す感性価値創造のマーケティングでは、企業の側が売上を作り出すことが可能となる。
    ・ 「感性ナレッジのマネジメント」①お客さんの行動を分解する ②仮の行動モデルをつくる ③行動モデルに「動機付け策」をプロットする ④実際に実施し、結果を計測(または観測)する ⑤デザインを修正する ⑥デザインを標準化し、展開する
    ・ お客さんが商品を購入するまでの行動をいくつ化の行動に分解することが重要だ。分解することで、そこにどんな働きかけをしたらいいのかもまた明確になる。
    ・ 大切なのは最初に行動モデルをつくることだ。特に、規模が大きな企業の場合、行動モデルがなければ、結果を客観的に分析したり、ほかの人たちと共有したりすることも難しくなり、後々成功事例を標準化できない。
    ・ 提供している商品やサービスだけでなく、ごかんにうったえるようそをととのえることで、お客さんの感性に訴求することが可能だ。その結果、お客さんは「なんかいいな」と感じて、消費行動を起こしていく。
    ・ お客さんにセールスのステップをスムーズに進んでいただくためには、動機付けをするだけでなく、妨げになる要素を排除、または軽減することが大事だということなのだ。資料請求や説明会はあくまでもそのための手段にすぎない。
    ・ 感性消費行動デザインの目的は、商品の価値をお客さんの心の中にうみ行動してもらうことである。
    ・ 認知ギャップをあえて生むことで、行動を生む。
    ・ この時代、お客さんは説得されるのではなく、自ら共感することで行動することを好む。共感の結果として商品を買い、サービスを利用する。
    ・ 大切なのは、お客さんとの接触機会をなににするかを考えること
    ・ 関係性のマネジメントを行う上で、お客さんが店を出た後にどのようなフォローをするかは非常に重要なポイントだ。店を出た後で、その店のことをどれだけ思い出したり、考えたりするかということ。
    ・ 事業者はお客さんが知らない知識や知恵を持っている.これを顧客にわかりやすく伝えていくことが顧客感性の育成につながる

  • 小阪さんの著書は2冊目。前回読んだ、買いたいのスイッチを押す方法に引き続き、今回も面白かったな。その製品・サービスが持っている価値はお客様にキチンと届いてますか!?がテーマ。お客様の心をいかにグッと手繰り寄せるか。そんなヒントがたくさんありました!

    <1>感性消費行動をデザインする
    (1)お客様の購入する迄を細かく分解する
    (2)仮の行動モデルを作る
    (3)繋ぎ目を超える動機策を考える
    (4)動機策の実践、検証、修正
    (5)修正策の再実践
    (6)ノウハウの整理・横展開

    <2>関係性のマネジメント
    (1)接触機会をつくる
    (2)人間的なコミュニケーション 
    (3)広報活動委に宝をいれる
    ・顧客感性は育成出来る

    <3>感性ナレッジメント
    (1)感性トレンド(メガ・モード・テクノロジー・環境)
    (2)感性メガニズム(店内BGM)
    (3)認知メカニズム(看板は黄色・赤が目立つ)
    (4)Before・Afterでの検証・蓄積

    <4>巻き込み推進のポイント
    (1)以前よりも良いと納得できること
    (2)以前のやり方と似ていること
    (3)簡単に理解できること
    (4)簡単に試すことができること
    (5)成果が目にみえること

    <5>事例
    (1)ゼリヤ薬品のウィズワン(座薬)。製品は一切変えずに、店頭での打ち出しを変えることで、万年5億円の商材が15億円に成長。市場も成長。「うんちどっさり」というインパクトのあるPOPでお客様の注意を引き付け、何故どっさりかの詳細理由(製品特性)でお客様の購入を後押し。数店舗の成果をスピーディーに横展開。
    (2)ワインの売り込みPOP。彗星のごとく登場、有名評論家が走って買いに行け、政府に逆らって作った。
    (3)とある居酒屋のビール売り込み。美味しいビールは泡が違う。エンジェルリングが出来る(お客様が自分の目で確認できる、やってみたくなる→自分毎になる!)。何故なら、全員研修済み、サーバーの毎日の掃除を徹底している(証拠提示)
    (4)落として耳が欠けてしまったネコの陶器貯金箱につけたPOP「交通事故に遭いました~。痛い。。。右の耳を少し怪我しましたが、おかげさまで元気になりました。こんな私ですが可愛がってくれる飼い主さんを探してます。おっちょこちょいですが、冗談のわかるネコです。お友達になって欲しいのです」
    (5)試飲コーヒーのゴミ箱の位置を店外から店内に少し入ったところに置き直した。ゴミを捨てに一歩店に入った人が、店内を回遊し、製品購入に繋がった。お客様の動きを分解、分析して、流れが切れてしまう箇所を改善。
    (6)扉を明けて店に入るのは心理的ハードルが高い。入口は極力店員が近くに居ない方が入り易い。また、入口は複数箇所≒脱出口が多く心理的圧迫感が軽減される。
    (7)おむすび店「十石」。銀座にあるおにぎり専門店。1個300円近い値段するが、売れに売れている。売れ筋では無い味噌味のおにぎり、普段は12-13個程度の売れ行きが、見せ方を変えた瞬間60個を超える売れ筋に。「3代目 鈴木紀夫」というおにぎりのネーミングいよるインパクト。何故??という疑問を埋めたくなり、近くにあるPOPを自然と読む。POPには、味噌を作っている鈴木紀夫さん書いたどれだけ拘って作っているかの手紙が掲載されている。それだけ拘ったのなら、買ってみようと購入。

  • 商品価値は、今や壊れにくいとか、使いやすいとかではない。買う人の生活に対し、ワクワクするストーリーが伝えられるかに、かかっている。
    商品開発するうえでも、社内の人達を巻き込むだけのストーリーテラーにならなければならない。

  • 消費者に自分の欲しいものを理解させるマーケティングは自分にとって新しい概念だった。

  • 同著者の『「買いたい!」のスイッチを押す方法』を読み、深く感銘を受け購入。
    内容としては上記著書のフレームワークを大きくしたもので、マーケティング戦略として実行してみたくなる。著者はどの作品を読んでも論旨が一貫しており、自分にとっては共感でき、受け入れやすい内容。人間を深く信頼して理想を掲げながらも、現実的なこの世界の原則に従っている。
     

  • 寄贈:誠さん
    貸出:新田(2011.1.22)返却(2011.2.4)
    ・どうすれば売れるのか
    ・どのようにお客さんと良い関係を作るのか
    ・どのようにお客さんの感性を高めていくか
    をとても論理的に紹介してくれます。
    売れるためには理由があるのが、改めて 納得できるようになりました。

  • タイトル にひかれた

  • (U)企業が人の「感性」を軸にマーケティングを進めていくための方法、つまりは「感性価値創造」というテーマを中心にそのフレームワークと実践法について紹介されている。「感性価値創造」という言葉は、お客さんの感性に響き、お客さんの心をつかむことで生じる「価値」のことである。
    これを計画的に創造する方法を企業として身につけると売上げというものは作ることができるようになる。
     この書では、感性価値創造をいかにビジネス現場で行うかということについて具体的な事例を基に紹介をされている。ビジネスの現場で実践を通じて体得するために一読してみると良いと思う

全24件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

オラクルひと・しくみ研究所代表

「2022年 『「価格上昇」時代のマーケティング』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小阪裕司の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×