HUMAN+MACHINE 人間+マシン: AI時代の8つの融合スキル
- 東洋経済新報社 (2018年11月23日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784492762462
作品紹介・あらすじ
製造、サプライチェーン、会計、R&D、営業、マーケティング
ヒトと人工知能との「協働」が始まる
GE、マイクロソフト、BMW、グーグル、アマゾン・・・・・・
先進企業に学ぶ「これまでと違う仕事」と「これまでと違う仕事のやり方」
AI革命とは「人間の能力を拡張する」ために業務プロセスを根本的に変えることである。
本書はこの新しい時代を理解し、勝ち抜くためのガイドとなる。
【主要目次】
イントロダクション AI時代における人間の役割とは
パート1 「人間+マシン」の未来を現在から考える
第1章 自己認識する工場―製造・サプライチェーン・流通におけるAI
工場内のAI/倉庫とロジスティクスにおけるAI
第2章 会計業務をするロボット―コーポレートファンクションにおけるAI
業務プロセスにおけるAI/人間を中心にプロセスを再設計する
第3章 究極のイノベーション・マシン―R&Dとビジネス・イノベーションにおけるAI
製品・サービスデザインにおけるAI/R&Dのリスク要因
第4章 フロントオフィスにボットがやってくる―カスタマーサービス、営業、マーケティングにおけるAI
買い物客を自動認識する店舗/小売業におけるAI
パート2 ミッシング・ミドル―AIで業務プロセスを再考する
第5章 アルゴリズムを正しく設計する―「責任あるAI」を実現する上で人間が演じる3つの役割
トレーナー(訓練者)/エクスプレイナー(説明者)/サステイナー(維持者)
第6章 普通の人々が素晴らしい結果を生み出す―AIが新しいレベルの生産性を実現する3つの方法
能力拡張の3つのタイプ/増幅/相互作用/具現化
第7章 業務プロセスを再設計する―リーダーのための5つのステップ
[M]マインドセット:あるべき業務プロセスを想像する
[E]実験:実験をデザインする
[L]リーダーシップ:人間とマシンのミックス文化をつくる
[D]データ:データのサプライチェーンを設計する
第8章 人間とマシンのコラボレーションを発展させる―AIが働く職場のための8つの新しい融合スキル
人間性回復スキル―仕事に人間らしさを取り戻す力
定着化遂行スキル―人間とマシンの共存を日常化する力
判断プロセス統合スキル―マシンの力を借りて判断する力
合理的質問スキル―マシンから必要な情報を引き出す力
ボットを利用した能力拡張スキル―ボットを使いこなす能力
身体的かつ精神的融合スキル―心身ともにマシンと融合する力
相互学習スキル―マシンに教え、マシンから学ぶ力
継続的再設計スキル―マシンとともに変わり続ける力
結論 人間+マシン時代を生き残るために
解説 日本語版監修によせて、日本と日本企業が取り組むべきこと
感想・レビュー・書評
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面白かったー!人間の未来は暗くナイ!!
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機械は「敵」ではなく協業する相手であるということ、あくまでも道具であることを認識して過ごしたいと思った。
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AIは人から仕事を奪うのではなく、人とミッシングミドルと呼ばれる中間領域で協働し、相互に相手の得意とする部分を引き出し合い学び合う中で成果を高めていくことが重要。そして、AIと融合していく能力が益々必要になる。
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AIについて、わりと右も左も分からない状態だったので、その全体像や今後の方向性をざっくりと俯瞰して掴むことが出来た。
グローバルの事例も豊富で、最先端企業の状況もイメージ出来た。
一方、巻末には日本語版監修として、特に日本のビジネス環境にフォーカスした解説もあり、日本企業の現実はたしかにこんなもんだよなと納得。
翻訳の質が悪く、とても読みにくい。機械翻訳レベル。(レベルというか、実際、翻訳作業にAIを活用したとは確かに書いてあったけど…) -
2021年6月 小展示「AIと新時代」
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人間とシステムの関係をMeldsアプローチをという枠組みで再設計することを提唱している。ある意味DXの一歩先行く、DXの本質を説明し、改善というか今後の働き方を示している。単純にITを入れる、AIを導入するというのではなく、関わる有機無機の主体役割をきちんと定義づけている。残念ながらシンギュラリティに向かってこれらの関係性のバランス感は人間の可能性を示す一方で領域的には縮小しそうな印象を持ちました。絶対おすすめ。
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マシンやAIが人間から職を奪うものでは無く、マシン+人間により更なる付加価値が出ると説きます。
実例が豊富で気づきも多かったです。
マシンやAIを伝統的な人間の置き換えに使う企業は敗者になるとも説き、仕事を奪われる不安に対するメッセージになっています。
もう少し、その点を深堀しているとオジサンとしては安心しますね。 -
詳細なレビューはこちらです↓
http://maemuki-blog.com/?p=14173 -
オートデスクのソフトウェア「ドリームキャッチャー」
遺伝的アルゴリズムを活用して、実現可能なデザインを繰り返し検討する。従来の人手による検討プロセスの繰り返しが自動化される。デザイナーは、生成されたデザインを見ながらパラメーターの微調整を行い、最終的な決定を下す。これにより、人間は価値のあるスキル(判断力とセンス)の行使に専念できるようになる。エアバスの機内パーティションの設計に使われた。
SigOpt(スタートアップ企業)
最適化アルゴリズムは、従来は専門家にしか使われていなかったが、誰もが使えるようになりつつある。ユーザーはベイズ最適化の専門家である必要はないし、システムの中身に関する知識を持っている必要もない。
人間とマシンがハイブリッドで働く時代では、あるスキルを持っていることよりも、それを学習できることが人間には求められる。 -
AIが仕事の中に浸透してくること起こることとは、人間の仕事がAIによって取って代わられるのではなく、人間とAIが協力しながら課題を解決していく働き方が新しく生まれるということなのだというのが、よく分かった。
そのような新しい働き方が生まれる領域というのが、「ミッシング・ミドル」と筆者が呼ぶ領域である。
そのような領域において人間は、
・人間社会に適応した「責任あるAI」を実現するためにAIをトレーニングしたり、AIの働きを説明したり、AIが「正しい道」を逸脱しないようにガイドレールを敷く役割
・AIと協働することで、これまでに不可能だった創造力を得たり、AIと対話することで個人の経験値を超えた多くの情報をもとにカスタマーサービスを行ったり、究極的なカスタムメイドの生産活動を行うことができたりする能力
といった役割や能力を発揮することが期待される。
このようなAIとの共同作業を実現するためには、仕事における業務プロセスも、根本から見直していく必要がある。
これまでの業務の一部をAIに代替することで効率化を図るというのはなく、業務プロセスの中心的な部分に実験やデータの活用による創造的な仕組みを取り込むことが大切である。なぜなら、そのようなプロセスこそ人間とAIの協業が最も力を発揮する分野であるからである。
そして人間の側も、従来の働き手に求められていたスキルセットではなく、AIにトレーニングをしたり、合理的な仕事でAIから最適な答えを引き出したり、マシンの出力してくる情報をもとに適切な判断を下すといったスキルを、より多く求められるようになる。
ある意味、人間的な要素を強く持った能力が求められるようになると言えるだろう。
AIの進展はおそらく不可逆的に進んでいくだろうが、それによってこれまでビジネスの領域ではあまり顧みられることのなかった人文系の専門性や、高等教育ではなくむしろ幼児から初等教育の中で身につけられるコミュニケーション能力やチームワークといった事柄が、改めてスポットライトを浴びる時代になってくるとよいと感じた。