奇縁まんだら

著者 :
  • 日本経済新聞出版
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感想 : 49
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532166588

作品紹介・あらすじ

いまや日本を代表する女流作家が、藤村、川端、三島から岡本太郎まで、21人の物故巨匠作家との奇縁を綴った随想集。誰にも書けない日本文学史“ライブ”であり、“自立した女性”の魁となった著者の精神史でもある。

感想・レビュー・書評

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  • ふと立ち寄った小さな古本屋で出会った本。ページをひらく度に、著者と各作家との交友を垣間見せてもらい、新しい世界に誘われるよう。明治から昭和にかけて活躍した作家の世界にどっぷり浸りたい気持ちになった。久方ぶりに図書館に行ってみよ!

  • 2022.01.08 朝活読書サロンで紹介を受ける。島崎藤村、谷崎潤一郎、川端康成、三島由紀夫、岡本太郎等。彼らとのご縁。作家は、イケメン&ダメ男。

  • 遠藤周作:病苦は想像の外のものだったらしい。ある日、病床で遠藤さんが順子さんに向かって、自分は神様を本当に熱心に信じて、あんまり悪い行いもしないで、一生懸命小説を書いてきただけなのに、どうして神様はこんなに辛い病苦をお与えになるのだろうと弱音を吐いたことがあると言う
    水上勉:私は水上さんの書くものから、いちど結ばれた仏縁は、自分で切ったつもりでも、決して仏様ははなされず、逃げた人物の背のどこかに糸の端をしっかり縫い付けられているものだと言うことを教えられた

  • いうことなし。まず寂聴さんのお人がらが聞き出す本音、サービス精神旺盛と言うのがよくわかる。お金も気もちも出し惜しみする人にはわからない思いやり。最高の本だった。

  • 瀬戸内寂聴さんがどんな人だったか少し知れた。
    文豪たちとのエピソードがけっこう痛烈。
    この本に登場するのは女(男)たらしで派手な人たちが多く、作家が根暗で地味であるという私のイメージは覆された(笑)。

  • 作家とはポジティブだなぁ。

  • 正宗白鳥やら島崎藤村やら。
    自分にとっては、もはや「教科書レベルの過去の人」の範疇である文士を、作者は直に見たことがあるかと思うと、す、すごい……。

  • 昭和の文士たちが
    これでもか 
    と 描かれている

    ややもすれば
    礼賛すべき存在として
    通り一遍等に書かれおらず
    そのお一人お一人が
    ちゃんと肉体を持った
    息もすりゃ、屁もひる、
    等身大の人物として描かれているのが
    うれしい

    横尾忠則さんの
    肖像画? が
    その人物よりも
    よりその人らしく描かれているのが
    また
    うれしい

  • 瀬戸内寂聴が今まで縁のあった方の人物伝。

    「奇縁まんだら」のタイトルがなんともその通りといった感触。驚くようなビックネームの数々、、、。
    その人となりが時に毒舌に。愛情込めて描かれている。
    奇縁まんだらを通して実感としてそのビックネームの方々の存在を感じる事ができる。
    現実は小説より奇なり、、、。今だったらバッシングの嵐ブログ炎上で済むかな?くらいのスキャンダラスな内容もあり驚き。

    何がすごいって横尾忠則の画がすごい。ネットなんかの写真をもとに描いているのだろうけど。一人一人の生き様のようなものが凝縮されているよう。

  • 日経新聞連載中から愛読していましたが、単行本で通して読むとまた違った感じがします。文学者たちの横顔がサッと切り取られていて、読後になんとも言えぬ感覚を留めていきます。

  • 21人の作家や芸術家との出会い、交流、エピソードが綴られた貴重な本作だ。恥ずかしながら10人の作家は名前すら知らなかった。私が敬愛する谷崎潤一郎のことについても意外な一面をうかがえて、とても良かった。他にも川端康成、佐藤春夫、稲垣足穂、松本清張、水上勉などが本当に個性的で面白かった。

  • 神戸ビエンナーレ2013その2です
    後半のメインは、横尾忠則

    翌日が、神戸マラソンなので、
    土曜日午後に行ってきました
    バスにも乗れたんだけど
    JRで灘駅からスタート
    ミュージアムロードを往復しました
    結構な距離かと思ったけど
    楽しく歩けました

    さて、県美の方から
    初めて拝見する滝のシリーズ
    キャンパスを組む画法は、
    2種類が組み合わさって見えるのが新鮮
    さすが、横尾氏!

    日本の風景は、意外と美しく
    いや~な感じがしません
    色彩は、突拍子もなく斬新ですが(;^^)ゞ
    70年代の写真もおもしろかったです

    そして、Y字路は、雨の夜がいいかんじ
    キャンパスの中に入り込めそうな
    異次元の入り口がたくさんある展示室でした

    BBプラザは、中辻悦子の喪失を感じる作品や
    現代陶芸のマットなオブジェを鑑賞

    そして、横尾忠則現代美術館へ
    初めてだったので、めっちゃ期待!!
    ライブペインティングの動画に感心
    イッセイミヤケの招待状懐かしかったかも
    新聞で親しんだ寂聴さんの連載挿絵は、
    印刷では、ない迫力でよかったです
    以前は、拒否していた横尾ワールドですが
    受け入れられる自分になれてよかったです

    元気でここに来られて
    本当によかったな~
    ありがとう

  • 瀬戸内晴美、改め寂聴氏が出会ってきた人々の、エピソードや思い出を綴るエッセイ。文壇の人々が中心だけれど、岡本太郎氏をはじめ違うジャンルの芸術、芸能関連の人々も登場し、その多彩さに驚かされる。実は私は、彼女の小説をきちんと読んだことがなく、新聞の連載で触れる程度だったのだけれど、面白かったその連載が本になったと聞いて手に取った。
    たぶん、喜んで自分のことを話したくなる空気を作り出すことのできる、聞き上手で人好きのする人なんだろうなぁ。。。彼女の取材力や人脈の様子を読むにつけ、そんな風に感じた。
    戦前、戦後を知る人が減りつつある今、元気いっぱいに語り続ける彼女の存在は頼もしい。続、続の二、終わりと、すでにあと3冊あると知ってのけぞっているが、、、そのうち時間を作って読んでみようかと思っている。

  • いったい、寂聴さんはいくつなんだろう!

  • 明治~昭和の激動期、この頃の作家には恋愛や政治活動に命をかけるような人が多かったんだなー。作家になるにはカタギの生活を捨てる覚悟がいるのかもしれない。

  • 気軽に読めた。
    それにしても瀬戸内さんの交友関係には驚く。
    歴史的な作家に実際に会い、人となりを直に知る。
    それを瀬戸内さんを通して私も知ることができるのが貴重であり、面白かった。

    特に今東光さんに魅力を感じた。
    出版社主催で作家達がチームを作り
    地方で講演会をする企画の話で、
    メインの人気作家が松本清張、
    彩(女性)がお喋りで気もつく瀬戸内さん、
    あまり人付き合いが好きではない松本さんとも旅が出来、ムードメーカーで真のリーダーを今東光さんが引き受け、良い関係を築きながら講演会を行う様子が書かれていて面白かった。
    もっとこの旅について書いてほしかったなぁという印象。

  • 人間臭い!豪快さがいい!
    横尾さんの絵もさらに良い!

  • 有名作家たちの素顔が垣間見られる。
    横尾忠則の絵も良い味を出している。

  • 週間ブックレビューを見て。

  • 齢90に差し掛かる著者が鬼籍に入った作家との生前の逸話を語るエッセイ集。人間、長く生きるのも才能のひとつだと思わせてくれる。寂聴さんが著名な作家たちに如何に気に入られていたかがわかる。出色なのは、《佐藤春夫》と《平野謙》の項目だと思う。

  • 2012.2.8読了。

    みんな生き生きしている。文壇の裏側みたいなものって、あまり興味がなかったというか むしろ敬遠していたけど、これはすごくおもしろい。

  • おすすめ度:95点

    2007年1月6日~2008年1月5日日本経済新聞土曜日付朝刊連載分。計21人との交遊録。
    奇縁、奇遇による奇才、奇人たちの奇事、奇談。
    超著名な文士たちの真実の姿、人間味あふれる素顔に触れることができる。
    作家デビュー前に三島由紀夫からファンレターの返事がきた、その几帳面な文字。
    谷崎潤一郎、佐藤春夫、千代の三角関係に明かされる更なる真実。
    今東光、松本清張との3人での地方講演行脚の旅。
    遠藤周作の日頃の明るさからこそ際立つ死を前にした寂しさ。
    そして、本書最大の驚愕は、荒畑寒村が語る、大杉栄、幸徳秋水、伊藤野枝、菅野須賀子、神近市子ら革命家たちのその情愛関係だ。真実は小説よりも奇なり。

  • 学生の頃国語の便覧でみたような、名だたる作家ばかりでその顔ぶれに驚き。これだけたくさんの人に可愛がられた作者の人柄も垣間見える。作家の人柄しると本よんでみたくなる。横尾忠則の絵もよい。

  • 奇縁まんだら / 瀬戸内寂聴

    色んな有名な方とのお話を綴られています。
    奇想天外なお話が多いですがほのぼのしました。
    私はこの本を読んで「人を憎んでも何も生まれない」と悟ったよ、
    と友人に話したら笑われました(^o^)
    また横尾忠則さんの絵も素敵ですよ。

  • 瀬戸内寂聴【奇縁まんだら】読了。割と読みやすいから、サクサク先に進むんだけど、時折読み返した部分で行間の深さに気がつかされる。個人的には岡本太郎、三島由紀夫のエピソードは興味深かった。やはり天才という人は、普段からそういう立ち居振る舞いをしてるんだと興味深かった。とても読みやすい本だけに、何度も読み返したくなるし、その都度、常に新たな発見がある一冊。

  • 名だたる作家と、著者との想い出は、まさに見事な曼陀羅図のよう。こんなに多くの有名作家の方々と関わりが持てるだけでも驚きに値するのに、さらに、愛され、そこから生まれる友情から、美しいエピソードが紡ぎだされる。
    改めて、寂聴さんという作家の、すばらしい筆力に感動するとともに、この人の人間的魅力にも心惹かれた。

  • とても面白かったです。
    寂聴さんが昭和の作家や芸術家との縁を、そしてその輪を、噂話の類いでなく身近に接してきた者として、各御人とのあんなことこんなことをそっと教えて下さいます。わたくしは無学で無知な文学文壇馬鹿素人故、この本に出てくる素晴らしい方々の作品を殆ど存じ上げて無いのですが、それぞれとても興味深く拝読させて頂きました。
    当たり前ですけど、皆様生きていらっしゃったのですね。身近に感じます。

  • 寂聴さんが交流のあった(大)作家との思い出を語る。
    私はどっちかというと、他の作家に寂聴さんを語って戴きたい。

  • 続巻から読んだので、そちらと比べると、断然本書の方が面白い。記憶力にも舌を巻くが、まず構成がすばらしい。ひとつひとつが短編小説と言っていい。平野謙の章はかつて「子宮作家」と罵られた恨みの意趣返しとなっている。

  • 187.初、並、カバスレ、帯付き。
    2010.7/2.鈴鹿ベルシティBF.

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著者プロフィール

1922年、徳島県生まれ。東京女子大学卒業。63年『夏の終り』で女流文学賞、92年『花に問え』で谷崎純一郎賞、11年『風景』で泉鏡花賞を受賞。2006年、文化勲章を受章。2021年11月、逝去。

「2022年 『瀬戸内寂聴 初期自選エッセイ 美麗ケース入りセット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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