B勘あり!

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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本棚登録 : 78
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532169572

作品紹介・あらすじ

豆腐店の妻が営んでいた裏ビジネス、寂れた店の息子の羽振りがいい理由、リフォーム業者の特殊関係人…。税務署は、どこに目をつけ、何を調べるのか。ヒット作『税務署は見ている。』の著者が、税務調査の実態を紹介する超リアルな物語。

感想・レビュー・書評

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  • 将来、国税に入りたいというひとには良い入門書だとおもう。

  • 税理士事務所に入った若い駆け出しの女税理士・岩崎美咲、税務署総務課長の石川優子、また税務所の若手エリート大卒を主人公としたストーリーは結構楽しめた。美咲と優子の2人が著者自身の経歴を反映した分身のようだ。豆腐店、花屋、リフォーム業、ラウンジのママなどの税務申告の問題が明らかにされていく。TVドラマにしても可笑しくない内容。その中でさらりと税務に関する知識を挟み込んでいる。気軽に読める本として見事!

  • 税務署職員から見た実録税務調査小説といったところ。しかし、豆腐屋さんとか北新地の個人ホステスとか調査先が小ぶり。おからクッキーで副業してたのが無申告だったとか、そんなレベルの低い調査を税務署の職員はやってないと現職職員からも怒られそうな話しだ。言ったら悪いが、個人課税課一筋で個人の調査経験しかないと、書く内容も薄くなっちゃうのかな。いや、著者と同じ所得税一筋の小田先生であれば、もっと面白く語ってくれると思う。調査官の能力、経験の深さがその後のものを言う。
    検閲が通らないと思うが、著者が研修会でよく話している、税務署の理不尽さを書いてくれると面白かったかな。調査官と納税者が折り合えず、調査官自ら修正申告書を作成して、自分で納付するという不正の背景なんて読んでみたかった。無理だろうな。

  • 飯田真弓『B勘あり!』(日本経済新聞出版社)読了。
    著者は元国税調査官で、現在、日経で「税務署は見ている。」という記事を書いています。
    まあ、いってみれば『マルサの女』(古過ぎ?)の調査官バージョン。マルサは国税査察官で調査に強制力を持ちますが、この本の話は任意の調査。『トッカン』(特別徴税徴収官)に似ています。とはいえ、いずれも納税に関する調査には違いがありませんので、あまり好かれる業務ではありませんが…。
    女性税務署職員が主人公という点で並べれば、面白さ(エンターテインメント)という点で『マルサの女』>『トッカン』>>>『B勘あり!』。
    飯田さんは実務家ですので、面白さというより事実に基づいた内容にならざるを得ず、そこに限界があるように感じました。思いっきり飛び出せないという感じ。その証拠に、帯に「この話、フィクションでないと書けない。」とあります。
    この本の貢献はB勘という用語を使ったことでしょうか。B勘という言葉は知りませんでしたが、業界用語で裏帳簿・隠し口座等のことを指すようです。大阪の税務署が舞台ですので、A勘定(ええ勘定=いい帳簿)に対する語呂合わせの用語かな。全国的に使っているのかどうかは分かりません。いずれ、税務署に勤めている教え子に訊いてみます。
    そういえば今日、同僚に「東芝の決算書を見て今回の会計不正が分かりますか?」と訊かれました。これに対して即答しました、「分かりません。」(笑)
    外から見て分かる会計不正は初歩的過ぎるわけで、そもそも大企業が外から見て分かりやすい会計不正をすることはないでしょう。
    会計にはいろいろな基準がありますが、個人的には決算書は性善説に基づいて作成されると思っています。だから公表される決算書は基準どおりに作成されているというところから話を始めます。もし性悪説に立てば、決算書を見て財務諸表分析するなどということにはなりませんので。
    会計不正は、最終的には利益を大きく見せるか、小さく見せるかに集約でき、税金の問題に発展するのは利益を小さく見せる場合がほとんどでしょうね。これは大企業も中小企業も零細企業も個人商店も同じでしょう。『B勘あり!』はほとんどが零細企業・個人商店を対象にしています。
    決算書は性善説で作成されていると考えることができても、人間は性悪説的かもしれません。聖書でいうところの原罪かしらん。

  • 2015年6月刊。
    『税務署は見ている。』の著者(元国税調査官)が書いた、税務署員と税理士の両方の視点から書かれた小説。
    3つの事案が絡み合うところが面白くもあるが、正直ちょっとややこしい。

    【引用メモ】
    「ある特定の費用を計上しないということは、それに紐つく売り上げを除外する意図があると、そう判断されても仕方ないんですよ」。(p.80)

    収入から経費を引いて、そこからさらに扶養控除や基礎控除を差し引きすると、税金を払う計算のもとになる所得金額がマイナスになる場合がある。それを「控除失格」と呼ぶ。(p.214)

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著者プロフィール

元国税調査官・税理士産業カウンセラー・健康経営アドバイザー 高卒女子初の国家公務員(税務職)として採用され、現場一筋26年、7つの税務署でのべ700件に及ぶ税務調査に従事。2008年、「誰もが活き活きと自分らしい人生を送れる社会を創造したい」という志のもとに退職。 現在は、「おかん税理士」として、法人会、納税協会、税理士会、商工会議所などで講演やセミナーを実施。また産業カウンセラーとしては、企業を対象に、個別カウンセリングほか研修なども実施、働きやすい会社の実現に尽力している。 日本芸術療法学会正会員。一般社団法人日本マインドヘルス協会代表理事。

「2023年 『税務署はやっぱり見ている。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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