- Amazon.co.jp ・本 (481ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532170998
作品紹介・あらすじ
賄賂が横行した田沼時代の乱れた世を正そうと、老中・松平定信は借金苦の徳川家直参家臣を救うため、武家の禄米を担保に高利でカネを貸し付け、贅沢な暮らしをきわめる札差に、棄捐令(借金棒引き)を発布した。川上から川下へ、カネの流れは滞り、人々の身も懐も寒さが厳しさを増すなか、大店の次男が始めた小さな志高き商いが火消しを走らせ、そして…。
感想・レビュー・書評
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寛政の改革の松平定信が、倹約の政策を徹底させ、江戸が不景気におちいるところから話は始まる。不況下において、商いの志を大切にした老舗の兄弟の行動を描いた物語。お金を使ってこそ景気が上向くというのは、現代にも共通した話。当時の江戸の様子も想像できる楽しさもある。
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借金棒引きは嬉しいことだったのですが
常に借金をしないと生活できない武士は
借りられないために益々困窮生活!
再読:24.8.26
棄捐令による庶民・札差・武士への生活の
影響がよく判る作品なのだ
でも、再読だとは半分杉まで気がつかなかった -
真っつぐ読了。四章あたりから一気読み。五章・六章で開陳される 江戸しぐさ、江戸豪商の商人心得や身のこなし、ものの言い方。 どんなノウハウ本よりどんなコンサル講演より、腹にストンと落ちてきた。お茶と菓子をひとつ出すにも、こんなにも含みのある所作か......と。
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「経済は人情で動く」
これがこの本の副題です。時代小説なのになぜ? と思われるでしょうが、この物語は、寛政の世、江戸を襲った大不況の中、老舗大店の次男坊が起こした新ビジネスが人々の心に響き、やがては不況風をも追い払っていくというものです。
商売をしていく上において大切なものはいくつもあります。この本はその中の多くのものを悟らしてくれます。 -
2010.04.11 日本経済新聞に紹介されました。