おたふく

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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本棚登録 : 84
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (481ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532170998

作品紹介・あらすじ

賄賂が横行した田沼時代の乱れた世を正そうと、老中・松平定信は借金苦の徳川家直参家臣を救うため、武家の禄米を担保に高利でカネを貸し付け、贅沢な暮らしをきわめる札差に、棄捐令(借金棒引き)を発布した。川上から川下へ、カネの流れは滞り、人々の身も懐も寒さが厳しさを増すなか、大店の次男が始めた小さな志高き商いが火消しを走らせ、そして…。

感想・レビュー・書評

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  • 江戸時代、松平定信が発布した棄捐令の頃の特撰堂という大店の兄弟の物語。
    江戸の気持ちのよい人達が、たくさん出てくる。粋な図らい、心配りには、うまくいき過ぎやろ!とツッコミをいれたくなることもあるけど、ま、いいか。

  • 寛政の改革の松平定信が、倹約の政策を徹底させ、江戸が不景気におちいるところから話は始まる。不況下において、商いの志を大切にした老舗の兄弟の行動を描いた物語。お金を使ってこそ景気が上向くというのは、現代にも共通した話。当時の江戸の様子も想像できる楽しさもある。 

  • 借金棒引きは嬉しいことだったのですが
    常に借金をしないと生活できない武士は
    借りられないために益々困窮生活!

    再読:24.8.26
    棄捐令による庶民・札差・武士への生活の
    影響がよく判る作品なのだ
    でも、再読だとは半分杉まで気がつかなかった

  • 真っつぐ読了。四章あたりから一気読み。五章・六章で開陳される 江戸しぐさ、江戸豪商の商人心得や身のこなし、ものの言い方。 どんなノウハウ本よりどんなコンサル講演より、腹にストンと落ちてきた。お茶と菓子をひとつ出すにも、こんなにも含みのある所作か......と。

  • 「経済は人情で動く」
    これがこの本の副題です。時代小説なのになぜ? と思われるでしょうが、この物語は、寛政の世、江戸を襲った大不況の中、老舗大店の次男坊が起こした新ビジネスが人々の心に響き、やがては不況風をも追い払っていくというものです。
    商売をしていく上において大切なものはいくつもあります。この本はその中の多くのものを悟らしてくれます。

  • 2010.04.11 日本経済新聞に紹介されました。

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著者プロフィール

1948年高知市生まれ。都立世田谷工業高校卒。旅行代理店、広告制作会社、コピーライター、航空関連の商社勤務等を経て、97年「蒼龍」でオール讀物新人賞を受賞。2002年『あかね空』で直木賞を受賞。江戸の下町人情を得意とし、時代小説界を牽引する人気作家の一人。著書多数。

「2023年 『草笛の音次郎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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