これからの十年日本大好機

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
3.00
  • (0)
  • (0)
  • (6)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 24
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532193898

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 団塊の世代(1947年から50年頃)に生まれた世代が定年(55歳)を越える頃(2003年)に書かれた堺屋さんの本であります。定年を越えて70歳まで働ける社会を創りましょう。お役人は、ともすれば短期楽観、長期悲観ですが、そうではなく、短期悲観、長期楽観の見方をすることが勧められており、若い人たちからリスペクトされる年寄りに、というメッセージです。さあ団塊の皆さん、みんなで、好老社会を創りましょうという事ですが、現在、2024年、団塊の世代は、後期高齢者ゾーンに、好老社会は、何処まで実現されたのでしょうか(いくかの勧めは実現されているか、と)。★三つです

  • 内容(「BOOK」データベースより)

    団塊の大量定年で日本は決定的に変わる。自由な労働者となり、「金持ち・知恵持ち・時間持ち」の高齢者は、もはや「老人」ではない!「70歳まで働くことを選べる社会」と「満足の大きい定年後の生き方」を提唱する画期的シニア論。

    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

    堺屋太一
    作家、元経済企画庁長官。1935年大阪府生まれ。60年東京大学経済学部卒業後、通商産業省(現・経済産業省)入省。62年の通商白書で「水平分業論」を展開して注目され、70年には日本万国博覧会を手がけた。78年に同省を退官し、作家としての執筆活動を開始。98年7月から2000年12月まで、小渕恵三内閣、森喜朗内閣で経済企画庁長官を務めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

    目次

    はじめに―高齢化はニューフロンティア
    第1章 高齢化こそ大好機(千日の大変革―「もと」が変わる! 「戦後」の終焉 知価革命の風 団塊の定年が世の中を変える 定年後は「満足の大きい」生き方を)
    第2章 高齢化を活かそう(高齢者の増加 好老社会の見取り図 職縁社会から好縁社会へ)
    第3章 高齢市場の実例と分析(なぜ音楽を習うのか おじさんおばさんのスポーツ 高齢化時代の住宅産業 中高年マーケット連関 本当に好かれているか 百貨店は生き残れるか 高齢者は老人ではない 魅力ある高齢者)

  • この本は2003年に堺屋氏によって書かれた本を文庫化したものです、日本の将来は危ないという本も多く読んでいますが(巷に多く溢れています)そればかり読んでいると気が滅入ってくるので、たまには気分を変えてこのような本を読むことにしています。

    あまり主義主張を変えるのは良くないと思われているので難しいとは思いますが、悲観論だった人が楽観論に変わった人の著作があれば、ぜひ読んでみたいと思っています。考え方を変更するというのは、よほど大きな変化を感じたからだと思います、読書を通して、そのような経験ができたら素晴らしいと思っています。

    この本は、これから定年を迎える団塊の世代を中心に、日本の未来は明るいということが書かれています。私は団塊の世代ではなく、あと15年は頑張らなければなりませんが、10年後には、多くの人が希望を持っていられる明るい世の中になっていて欲しいものです。

    以下はためになったポイントです。

    ・かつての家族は、1)生産手段の共同保有、2)共同の生産労働、3)子孫の出産育児、4)子女教育、5)共同の祭祀、6)共同消費、7)共通娯楽、8)家庭内での福祉、9)情報共有、の9機能があった。現在残っている機能は、3)のみである(p37)

    ・イギリスでの産業革命を引き起こした要因は、蒸気機関で動く大きな機械の出現、に加えて、囲い込み運動の結果に生じてしまった、自由な労働者が存在したこと(p54)

    ・本当に好きなことを判別する方法は、1)他人よりも疲れない、2)それについて誰とでも話したい、ということ(p62)

    ・日本には6000兆円もの資産(国富)があって、公的負債は1000兆円であるので、日本の標準的な生活水準が大きく下がることは考えにくい(p64)

    ・人口構造が変わると、世の中の考え方・将来に対する考え方、に加えて、高齢者というものに対する考え方&扱い、が変わってくることになる(p70)

    ・移民とは、移民を出すほうの都合で移住した、例として、ヨーロッパ人がアメリカ大陸へ(インディアンの許可は得ていない)、日本の本土から北海道へ(同じくアイヌ人にも)(p91)

    ・80年代の日本は、流通・金融・建設・農業・医療・教育については、国際競争のない島国であった。製造業においても、内外価格差がつけられたので、日本国内は聖域であった(p94)

    ・人口減少は、経済・文化の発展・衰退の両方の要因になりえる、ポイントは、自由な人口移動と職種の創造ができるかにかかっている(p108)

    ・100の国内総生産があった場合、国民が60を消費した時、40の貯蓄となるが、それに見合う投資(需要)=個人住宅投資+民間設備投資+公共投資、があれば経済は均衡する(p121)

    ・日本の老人は、所得が低いにもかかわらず貯蓄が多い、地方金融機関の資金の多くが東京に流れているので高齢者・地方の消費が伸びない、これは欧米では見られない現象である、原因として日本には欧米と異なって高齢者が楽しめるものが無いことが考えられる(p135)

    ・高齢者は年少者とことなって、独自の家計を持っている、1500兆円といわれる個人金融資産の過半は、65歳以上の高齢者が所有する、50歳以上で一人当たり1000万円の金融資産(p163)

    ・趣味は、楽しさ・安心・健康が目標となると、上手下手は問題ではない、他人との比較ではなく、自分の過去との比較(横でなく縦)が主となる(p180)

    ・日本では住宅の物納を認められるためには、建物・立木をすべて取り除くことを条件としている(p192)

    ・片付けの基本として、1)よく使うもの、2)必要でもたまにしか使わないもの、3)滅多に使わないが記念的心理的に保存したいもの、それ以外は不要なもの、に区別することである(p205)

    ・自由市場における真の評価は、リピーターが多いかどうかが、最大の尺度である(p222)

    ・高齢者向けの旅行を企画するには、1)好きな場所、2)好きな時期、3)好きな行動、の3つを満たすことである、彼らは、金・知恵・時間、を十分に保有しているから(p224)

    ・商店街の不可欠な5要素とは、魚屋・肉屋・八百屋・乾物屋・酒屋、である(p235)

    ・徳川時代の男性は、平均寿命(50歳)の6割である30年間働いた、現在は平均寿命が80歳を超えているので、48年間働くのが普通(大卒の場合、22歳から70歳まで)となる(p257)

    ・高齢期を楽しむ人脈作りのためには、多少のお金を惜しむことなく、より自分を魅力的にする投資と考えるべきである(P267)

  • 今後の生活スタイルに影響を及ぼす書という意味で、「生活・健康」カテゴリーに入れた。著者の見方は楽観的であり、社会的弱者にとってはついていけないと感じる面も多々あるものの、これからの生き方を積極的に選択しようという人にとっては数々の示唆を与えてくれるだろう。いきなり文庫本が書店に並んだ印象だが、単行本でも出版されていたんだろうか?

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

堺屋太一

一九三五年、大阪府生まれ。東京大学経済学部卒業。通商産業省(現経済産業省)に入省し、日本万国博覧会を企画、開催したほか、沖縄海洋博覧会や「サンシャイン計画」を推進した。在職中の七五年、『油断!』で作家デビュー。七八年に退官し、執筆、講演、イベントプロデュースを行う。予測小説の分野を拓き、経済、文明評論、歴史小説など多くの作品を発表。「団塊の世代」という言葉を生んだ同名作をはじめ、『峠の群像』『知価革命』など多くの作品がベストセラーとなった。一九九八年から二〇〇〇年まで小渕恵三、森喜朗内閣で経済企画庁長官、二〇一三年から安倍晋三内閣の内閣官房参与を務めた。一九年、没。

「2022年 『組織の盛衰 決定版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

堺屋太一の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
堺屋 太一
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×