- Amazon.co.jp ・本 (438ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532193966
作品紹介・あらすじ
漢字研究の第一人者・白川静、東洋思想の権威・中村元、民族学の梅棹忠夫、哲学者・梅原猛-。専門分野を超えて縦横無尽に思索を展開した、日本を代表する知の巨人たち。日本の風土に根を下ろしながら、国境の、民族の、宗教の、垣根を「越境」した四人の学究者が自らの生い立ちと人生を振り返る。
感想・レビュー・書評
-
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/52413詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
私の履歴書の総集編なので、すぐに読めました。梅棹さんが、よく司馬さんのエッセイに登場するので興味がありました。
この年代の人たちをみていつも思うのは、旧制高校がこの人たちに与えた影響の大きさです。どういった仕組みなのかが、いまいち分かりませんが、今の日本でもこういった感じの学制を取り入れてみては、と勝手に考えています。 -
越境者の所以は、学問ではなく、世界について考えて続けているからか。
大家の志。第一人者同士のつながり。
○努力しないで習得したものが、すぐれた文化を生むと思うのは、横着な考え方というべきであろう。(106頁)
○知識は、すべて疑うことから始まる。疑うことがなくては、本当の知識は得がたい。疑い始めると、すべてが疑問にみえる。それを一つずつ解き明かしてゆくところに、知的な世界が生まれる。(106頁)
○老人が真っ先に立って新しい学問を開拓する必要がある。(232頁)
○一日作さざれば一日食わず(431頁) -
梅棹忠夫氏の履歴書が読みたくて購入。
やはり梅棹氏の章が圧倒的におもしろかった。
青年期に色々な経験をし、その記述が最も分厚くなっているせいだろうか。そんな人生にあこがれる。
偉業を単なる自慢にならぬような書きぶりで書くのはなかなか「知の越境者」といえども難しいようだ。 -
四巨人のサラリとした「昔話」。
-
梅原猛、白川静、梅棹忠夫の三氏の分を読んだ.共通するのは強烈に噴出する知的エネルギーであろうか.一方で学長や博物館長を長くつとめた梅原、梅棹の両氏とそのような管理職に縁のなかった白川氏の対比も興味深い.この二つのグループはエネルギーが外に向くか、内に集中していくかの違いでもある.
-
学生時代、ゼミの読書会で読んだ本の著者の方々の半生記。懐かしく読ませていただきました。梅原猛先生の、あの情熱的な文章の背後にあるものは。梅棹忠夫先生は枠から外れたいタイプの人間なのに、なぜ組織力を備えているのか。ひょうひょうと語る人。功績を語る人。友人を語る人。人となりを知ってから、本を読んだ方がより、その方々の著書への理解が深まっていたかも。
2007.07.19-10.31