働くことがイヤな人のための本(日経ビジネス人文庫) (日経ビジネス人文庫 グリーン な 7-1)

著者 :
  • 日本経済新聞出版
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感想 : 33
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532195304

感想・レビュー・書評

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  • 結構胸にくるものがあったな。 

    「不条理」さに屈服するでもなく懐柔されるでもなく、常に思案を止めないでその「不条理」な社会で己を研鑽していく。そういった心持ちで世の中で働く。

    それが幸福かと言われればクエッションどけど、そういう生き方っていうのも一部の人にマッチするのではないかな。翻って自分の人生について振り返る良い機会になったと思う。

  • 哲学特有の煙に巻くような表現で、言ってること分かるような分からないようなまま、仕事というか人生を捉えようという試みに流されていく本。
    でも、なんとなく視点を高くすることができるし、哲学したくなる気持ちが湧いてきて、それが働くことがイヤなことに対する唯一の救いになる気がしてくる

  • 題名を見ると、働きたくない怠け者向けの本みたいですが、働きたい、または、働いているけどこれでいいのか?と思っている人のため本に感じた。哲学書な感じなので、なんとなくけむに巻かれたような印象もあるが、世の中理不尽なのだという大前提があるとした上で、自分の体験する理不尽なことも大前提の上のことと納得はできた。
    最後まで読んだけど難しいので一度だけでなく、二度読んだ方がいいと思った。

  • 哲学を教えている大学教授の本。
    読んでいる途中は、ほんと仕事なんて嫌になりそうになる。でも、読み終わったら、仕事をやってみたくなる。

  • 筆者のような哲学者の本が日経から出ている事に興味を持ち、読了。

    抽象的な話だけでなく、筆者自身の経験が述べられてるところがこの本の良いところだと思う。

    但し筆者が「人間嫌い」でも生き残れたのは学歴を含めた「頭の良さ」にもあるんじゃないかとどうしても思ってしまうのである。

    それでも「失敗者」である事に安住する事がどんなに良くない事かについては同感だった。

  • みずからの言葉を批判可能な場に晒す。 腐りに腐った言葉。単細胞的きれいごと 鈍才 「才能がない」と言ってあきらめてしまえる者は、そのことをもって才能がないのだといわざるをえない。 愛の貧乏脱出大作戦 ブスで性格が悪いのは星屑のように多い 世の人々は不遇の天才物語は大好きであるが、優遇されすぎた凡才物語は嫌いなのだ。 所をえたものはますます伸びてゆき、所を得ない者はますますかじかんでゆく。 この世界が理不尽であるなら、その理不尽を味い尽くそう。 きみのからだは、きみの頭脳が知らないことを知っているbyニーチェ 不純の極致 カフカの城 吉行淳之介の砂の上の植物群 美しい敗者 自分はこの程度の男なんだと悟って、むしろ安心しているんだよ。 不器用なたくましさ もし仕事によって生活を支えることができなくともよいと居直っているのだとしたら、きみはプロではない。厳密には仕事をしているのではない。それによって生活を支えているものが君の仕事である。逃げ場を作らないもの、それがきみの仕事である。「よく生きる」とは、「どうせ」死んでしまうことの意味を問いつつ生きることさ。理不尽の中心に「死」がでんと居すわっている。 その人に向けて「なぜ」と問いつづけ、その人も「なぜなら」と答える努力をしつづけ、そうした言語的運動をえんえんと続けるんだ。 残酷さを直視しようとしない者は哲学者にはなれないだろう。 「死ぬ準備」という仕事 哲学とは「死の練習」byプラトン

  • 誰しも人生においてつまづいたことがあるはず、そんな時こうも明快に人生は理不尽であると教えてくれる先生がいたらどんなに救われた人がいるだろう。もちろん、奈落に突き落とされる人もいるだろうが。。。
    人は考え続けるのが苦痛になる為、安直に「これはこうだ」「こうだからしょうがない」と結論を出して安心を求める。しかし人生は理不尽とした上でもその都度、自分自身と向き合い正解のない問いに立ち向かうプロセスの連続をして「生きる」というのかなとも思った。考えずに日々仕事をして寝て食べて。。では死んでいるのとどのくらいの違いがあるのだろう。

  • 人生が運に左右されることの理不尽さを嘆くのでもなく、そのことに開き直るのでもなく、仕事を通じてよく生きることが重要らしい。異常な自己愛を持って世の中を徹底的に軽蔑しながら生きることを、「俺は悪人だから、救われる」と考えるような本願ぼこりとして一貫して批判していて、少し耳が痛かった。

著者プロフィール

1946年生まれ. 東京大学法学部卒. 同大学院人文科学研究科修士課程修了. ウィーン大学基礎総合学部修了(哲学博士). 電気通信大学教授を経て, 現在は哲学塾主宰. 著書に, 『時間を哲学する──過去はどこへ行ったのか』(講談社現代新書),『哲学の教科書』(講談社学術文庫), 『時間論』(ちくま学芸文庫), 『死を哲学する』(岩波書店), 『過酷なるニーチェ』(河出文庫), 『生き生きした過去──大森荘蔵の時間論, その批判的解説』(河出書房新社), 『不在の哲学』(ちくま学芸文庫)『時間と死──不在と無のあいだで』(ぷねうま舎), 『明るく死ぬための哲学』(文藝春秋), 『晩年のカント』(講談社), 『てってい的にキルケゴール その一 絶望ってなんだ』, 『てってい的にキルケゴール その二 私が私であることの深淵に絶望』(ぷねうま舎)など.

「2023年 『その3 本気で、つまずくということ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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