不透明な時代を見抜く「統計思考力」
- 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版 (2013年11月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532197087
感想・レビュー・書評
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2013.12.23 am1:15 読了。統計学って難しい。はじめに数学を使わずに統計を説明すると述べていたが、途中で思いっきり数学出てきた。ルートや絶対値の計算式等々。数字アレルギー復活。その辺りから内容が頭に入ってこなくなった。数学アレルギー、治ってきたかと期待してたんだけどなあ。ぶり返した。内容は、統計学についてかなり易しく説明していることは感じた。数学やデータを鵜呑みにしない、データによって適当な分析方法は異なる、相関と因果の違い。学び取れたのはこのくらい。理解はできてないが、統計の重要さは分かった。「自分にとって重要な数学を頭に入れておく」(28頁)は納得。気をつけたい。要するに、統計って何?と思うひとで、簡単な数式やグラフに抵抗がない人にはぴったりだと思います。根っからの文系の私にはきつかった…。数字に対する嫌悪感を減らしたいと思う今日この頃。
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これはわかりやすい。内容も、構成も、説明も。数字数学は私の苦手とするところなのに楽しく読み終えた。
数字の裏付けなしに印象だけで語ることの危うさも、豊富な事例でなるほど納得。
例えば、副題にもなっている「小泉政権のせいで格差が広がった」という説。
著者の見解では、正しくない。格差の定義をジニ係数などに求めていろいろな社会統計を検証してみると、確かに格差が広がる現象は見られるものの、その傾向は小泉政権の期間よりずっと前から始まっているから。小泉政権の間に加速した様子もない。なぜなら、主な原因は人口構成の変化に求められるから、という。
ここまではいい。
だけど、もの足りなさも感じてしまうのだ。
ないのもねだり1としては「なぜ間違うのか」の考察と対策案の提示が欲しい。「元データにあたろう」は「正しい」かもしれないけれど、実行するのが大変な対策だから効果がない。なぜ間違うのかを理解していなければ、私はこの先もずっと間違い続けてしまう。
ないものねだり2として、本書の内容(統計を使ってモノゴトを理解する方法)をどう伝えたらいいのか教えて欲しい。本書は自習書入門書として素晴らしいと思う。だけど、さらに、それをまわりにわかりやすく伝えられたらもっといいのに。
「小泉政権は格差拡大の原因じゃないよ」っていきなり言ったらトモダチなくしそう。
いずれも「ないものねだり」と書いたように、本書の中に書いておいて欲しかったというより、著者の神永さんに次はこういうことについて書いて欲しい、という要望。