ハーバード流ボス養成講座: 優れたリーダーの3要素
- 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版 (2012年1月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (403ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532317584
作品紹介・あらすじ
「結果を出すマネジャー」と「グズ上司」は何が違うのか。MBAだけではダメ。できる上司になるには人生の転換が必要だ。「できる上司」になるために必要な、新しい価値観、深い自己認識、感情面での成熟、賢明な判断を下す力を習得する方法。ハーバード・ビジネススクール人気教授の30年以上にわたる研究の集大成。
感想・レビュー・書評
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『感想』
〇この本は対象者がどのレベルの人なのか。一つ一つ丁寧に書いてある分、初心者には量が多すぎるし、かなりの経験者には初歩的な部分が多いので疲れる。
〇新しく見識を得たのは、文書プランと文書にならないプランについて論じている部分だ。文書にならないプランでは人に理解させるのは難しいから文書化を目指すべきだと考えていたが、最終的にはそうであっても、そこに至るまでに情報を集め手法を試しているあいまいな期間も大切なのだとわかった。文書になるということは完成することで、そこまでの発展途上中に可能性を議論することや中身の幅広さからくる変化があるから人は成長するわけだ。
〇共感は自分が相手の立場に立つことではなく、相手の考え方をする目で自分を見ることでできること。
『フレーズ』
・できるマネージャーの3つの課題(p.58)
1 自分をマネジメントする
2 人脈をマネジメントする
3 チームをマネジメントする
・上司だからといって自惚れてはいけないのだ。(p.78)
・敏腕マネジャーは、権限を優越感の源泉とは見なさず、主として自分のニーズを満たす手段と捉えるわけでもない。むしろ、価値ある仕事を成し遂げられるよう、他人を後押しするための道具と考えているのだ。(p.81)
・あれこれ命令するのが得意かどうかではなく、いかに命令せずにすませているかが、マネジャーの試金石である。(p.87)
・日ごろから忠誠を示している人は、時には反対意見を述べたり疑問を呈したりしても、受け入れられるものだ。反論する時にしか声を上げない人は、相手を支持してきた人たちと比べて、たいていは小さな影響力しか持てない。だから、上司に心から賛成できる時は、その気持ちが相手に伝わるようにはっきり言葉で表そう。(p.191)
・あなたは上司に課題を説明して解決してもらおうとするだろうか?上司の多くはこのやり方を嫌う。むしろ、上司が対応しやすいように、課題、分析、選択肢、対策案をそろえてから相談に行こう。(p.194)
・あなたは上司の強みを活かさなくてはならず、そのためには強みとその価値に気づかない事には始まらないからだ。(p.194)
・表情、態度、身振り手振り、声の調子など、言葉以外のコミュニケーションは往々にして、あなたが上司に抱いている本音を表し、この重要な人間関係を次第に傷つけかねない。(p.195)
・共通の目的とそれに関係したやりがいのあるゴールを掲げ、その実現に向けて互いに約束を交わして共同で仕事をする人々の集まり、それがチームである。(p.210)
・文書にならないプランは、文書プランよりも遥かに中身が幅広い。前者はあなたの心の中にある。何をするか、どこへ向かっているのか、なぜそこを目指すのか、どうやってたどり着くつもりかについての理解であり、その中身は生きて進化している。(p.228)
・文書プランには具体的な目的、里程標、行動の手順、明快な前提などが盛り込まれるだろう。文書にならないプランのほうは、直観、あいまいな目標、一般的な方向性、おおまかな優先順位などを含む可能性がずっと高い。時が過ぎゆくなか、粘り強く情報を集め、アイデアや手法を試すうちに、以上の要素の多くはあいまいさが消えて明快になり、漠然としたものが具体的になり、文書化に適したものになるだろう。(p.229)
・文書にならないプランは生気、活力、可能性に満ちていて、あなたが経験からより多くを学び、部下や人脈内の人々と議論するのに合わせて、たゆみなく変化していく。(p.231)
・大多数の人はチームの一員であることを望んでいる。これは強い思いだ。しかし同時に、誰もがおのおの自分の貢献を認めてほしいと考えている。(p.288)
・マネジメントとは人との接触なのだ。(p.289)
・真の共感とは何かを知ろう。自分が誰かの立場になったらどう感じるかではなく、相手の人格をもとにその人がどう感じるかを理解するのが共感である。(略)共感とは突き詰めていくと、他者の目で世の中と自分自身を見る力を指す。(p.299)
・権限移譲は仕事の放棄とは異なる。細かい指導か任せきりか、という二者択一ではないのだ。(p.300)
・できるマネージャーは、日常業務とマネジャーとしての業務をそれぞれこなすのではない。(略)予定外の出来事、問題、義務を活かして、マネジャーとしての仕事を片付けるのである。(p.322)
・進歩はあなた自身の仕事上の経験からしかもたらされない。挑戦と学び、観察と他者との交流、思考と奮起からしかもたらされないのだ。(p.350)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
◯人徳のある人とは、一揃いの理念を信じてそれに従いながら生きる人を指す。(106p)
◯権限や友情を人間関係の軸に据えてはいけない。自分の手腕と人柄への信頼をよりどころに関係性を築くのだ。(120p)
◯集団思考が働くと(中略)気づかないうちにみんなが同じ発想に染まって付和雷同するため、新しいものはいっさい生まれてこない。(284p)
★マネジャーがやるべきことが具体的に網羅されている良書 -
何度身につまされる思いをしたかわからない本。タイトルとハードカバーのデザインが微妙で半信半疑で買ったものの、買ってよかったと思えた本。
要するところ、更に要するところ、マネジメントは全人格が問われているということ。一切の甘え、妥協も許されないということ。それゆえ、自分が放置しやすいことや苦手なことに関する記述を読むと目もあてられなかった。 -
優れたリーダーになる為の意識すべき「3要素」を詳細に解り易く述べた本です。
各章毎に3要素「①自分の/②人脈の/③チームのマネジメント」の自身のレベルを意識出来る質問があり解りやすい!
特に「できるマネージャー(リーダー)は、日常業務とマネージャーとしての業務をそれぞれこなすのではない。予定外の出来事、問題、業務を活かして、マネージャーとしての仕事を片付けるのである。」という文から発想の転換をもらい、受身で細切れの仕事の連続で、日々の予定を守るのに必死になり、予定調整力のなさに失望していた自身に勇気を貰いました。
現在、同様の立場で同じ考えに陥っている部下に対して、その考え方を伝えて、職場改善を実施しております。
部下もきついとは思ってますが・・・ -
コーチみたいな本だった。悩んだり迷ったりしたときは、何度でも読み返す。
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ハーバード流ボス養成講座―優れたリーダーの3要素2012/1/6 著:リンダ・A・ヒル、 ケント・ラインバック
本書は「マネジメントの旅はどういうもので途中では何が起きるか」を理解できるよう、手助けをしている。進歩するためには、マネジメントの本質は何か、なぜ難しいのかを理解しておく必要がある。先がみえないままでは孤独になり、悩みは自分ひとりのものだと感じるから、挫折するおそれが大きい。
構成は以下の3章から成る。
①自分をマネジメントする
②人脈をマネジメントする
③チームをマネジメントする
苦い薬が良く効くと感じるうように洋書独特の訳本であり、読みやすいというものではない。しかし、マネジメント能力を渇望する人には良薬なのかもしれない。
アカデミック的な要素もちらほらありながらも具体例から読み手の理解への努力も垣間見られる一冊。読み応えと時間が必要。モノに出来ればこれでもかというほどマネジメント能力を高めることへの貢献は期待できる。