サントリー対キリン

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532319601

感想・レビュー・書評

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  • 2014年11月刊。両社の特徴と戦略の比較。

    【引用メモ】
    一番搾りをコアとする強化策への転換の背景には、増税の動きがある。キリンが強みをもつ家庭用の発泡酒と第3のビールは酒税が低い。350ml缶で比較すると、ビールは77円、発泡酒は47円、第3のビールは28円だ(14年11月現在)。財務省は、ビール類の3つ(中略)の税率を、将来はひとつにしていく考えをもっている。ビール類ならば、ビールは下げ、第3は上げるという方向だ。(中略:キリンはビールの比率が他社よりも低いため)税制改正が実行されてしまうと、キリンは不利になる。(p.193)

  • サントリーとキリン、二つの体質が全く異なる大飲料水、酒造メーカーについて、経営者、社員たちへの取材をもとにそれぞの企業についての分析がなされてる作品です。

  • 2015.1.1 読了
    成功の反対は、挑戦しないということですな。
    サントリーは、失敗しても、その失敗がマイルストーンとして蓄積され、会社にとって価値があるとされるから、出世するらしい。
    それくらいやらないと、この精神は根づかないだろう。

  • 永年業界をウォッチしてきた著者による、キリン・サントリーを中心としたビール類業界の話。両者の現在だけでなく、過去からの流れも盛り込まれており、業界の地理感がなくても分かりやすい構成になっている。
    興味深いのは、書中に登場する両者の人物がいずれも自社の強みを明確に語っていること。すべて統一された見解ではないが、自らの強みを理解していることは重要。もっとも、それが過去の強みなのか、将来に向けて通じる強みなのかは分からないが。
    統合交渉決裂後、ビールではなくウイスキーでグローバルに踏み出したサントリーには、経営のダイナミクスがある。ただ、「やってみなはれ」が出過ぎな気がするのだが。ロジカルでない社風の中で、生え抜き社長たちはどのような意思決定をするのだろうか。
    一方のキリンは、国内・海外ともに今一つ。スキルが高い人材が多くいるのだろうが、「キリンに人がいない」という話もあり、佐藤章氏の社長就任まではこの状況が続くのだろうか。
    読了後、キリンの社長交代の報道があり、不思議な感じがした。

  • キリンとサントリーの歴史の違い、文化の違い、戦略の違いを実際の社員や役員へのインタビューや当時のエピソードを交えて語られておりおもしろい。

    キリンは技術力、品質、組織力、真面目。
    サントリーはブランド力、マーケティング力、個人力、挑戦。

    サントリーは海外志向、地産地消のビールではなくウイスキー注力。ビーム社買収。
    キリンは国内志向、一番搾り注力、クラフトビール進出。ヤッホー買収。

    これほど対象的な会社が組んでたらと思うとおもしろい。めちゃ最強になったか、お互いにつぶしあったか。。。

  • キリン・サントリー、企業文化の異なる飲料業界トップ2企業のそれぞれの考え方が対比されて語られており、読み応えあります!どちらのカルチャーが良い悪いではないんだろうけど、サントリーの「やってみなはれ!」というのは本当に文化として根付いているんだろうな、凄いことだ。食品業界に携わる人は読む価値あり!
    個人的には「現場の人々」の具体的なストーリ、営業だったり開発だったりの話にグっときました。

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著者プロフィール

1958年群馬県生まれ。明治大学経営学部卒。東京タイムス記者を経て、フリージャーナリスト。著書には『究極にうまいクラフトビールをつくる』(新潮社)、『ビール15年戦争』『ビール最終戦争』『サントリー対キリン』『人事と出世の方程式』(日本経済新聞出版)『国産エコ技術の突破力!』(技術評論社)『敗れざるサラリーマンたち』(講談社)『一身上の都合』(SBクリエイティブ)『現場力』(PHP研究所)など多数。

「2023年 『日本のビールは世界一うまい!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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