プレイセラピー: 関係性の営み

  • 日本評論社
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  • Amazon.co.jp ・本 (307ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784535562226

感想・レビュー・書評

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  • 久々に感想文。
    最初はプレイセラピーの歴史的、概念的話題が多く、いかにも「翻訳!」って感じだったので、少々つまらなかったが、途中からは、プレイセラピーで聞きたくてもなかなか聞けないような具体的な問題について、非常に多くのトピックが挙げられており、とても参考になった。

    特に面白かったのは、日本のプレイセラピーと違って、向こうは、関与的観察者としてのセラピストという立場を重視している事がなかなか新しい視点だった。

    いつも思う事だが、子どもと一緒に遊んだり、一緒に遊びに没頭してしまうと、子どものことをきちんと観察できなかったり、その遊びの持つ意味についてじっくりと考えられなかったり、適切な声掛け、あるいは言語化ができないことがよくある。

    しかし、関与的観察者として子どもと関わる事で、こういった問題は、すぐに解決されるのである。

    事実、僕はプレイセラピーで子どもに攻撃を向けられているとき、その時は互いに必死なので、その攻撃性の持つ意味や攻撃について考える事なんて出来なくて、いかに子どもに罪悪感を与えずに攻撃性を受け止めるかということに目が向いていることが多いことに、本書を読んでいて気づかされた。

    ほかにも、具体的な制限設定や、推奨される玩具、言語化の行い方など、詳細に触れられている。

    ヒューマニスティックな立場の筆者ではあるが、ある特定の学派にこだわらず、あくまでも、「プレイセラピーとは何か」ということを、書く事にこだわった本のように思えた。

    文化の違いはあれども、解説で山中氏が言っているように、心理臨床系の院生や子どもの臨床に携わる現場の人には必読書かと思われる。

  •  プレイセラピーについて広範囲にまとめられた専門書。
     この本がいいのは、どんな遊具を置くべきかといった基本事項や、子どもが話さない時どうするかといった様々な状況への対策などを、こうするべきであると非常に具体的に述べている点だ。そう考える根拠や実際のセラピーの例なども挙げられていて分かりやすい。
     ベースとしてはパーソンセンタードがかなり色濃く、人によっては多少違和感を感じる人もいるかもしれないが、それでもこの本はプレイセラピーを行う人全員が目を通す価値があると思う。

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