ギフト± (13) (ニチブンコミックス)

著者 : ナガテ・ユカ

• 日本文芸社 (2018年9月18日発売)

作品紹介・あらすじ

曹から逃れてきた梨世がもたらした環の心臓の“秘密”。 それは秋光正の果てしない執念の所業だった。 亡き祖父に反発しつつ再生医療を進めるタカシだが、 曹は日本市場を虎視眈々と狙っていた。 そして天廻功との一件以降、環の言動には奇妙な変化が表れて――！？ 圧巻臓器売買ミステリー！！

感想・レビュー・書評

[charmie11さんの感想 · 2021年9月4日]

ペースメーカの手術をした時にとった環の心臓のサンプル．そこから見つかったのはナノファイバー片．再生医療に不可欠な3つの要素である幹細胞，足場，刺激の内，足場の痕跡．あくまでも心臓の弁だけが作られたもの．環の心臓のドナーが再生医療の人体実験を受けたってこと？アメリカ側は環の心臓弁を作る工程に興味があったが，コストが高すぎて興味を失った．それが梨世が切られた理由．
心臓弁は人工物でも置換できるにも関わらず再生医療で作った弁を使った．つまり，秋光翁はあくまでも環を献体として捉えていたということ．曹から常に見ているからなというメッセージ．タカシは梨世を自宅の離れに匿う．離れに住んでいるのは寝たきりの兄である渉．

謹慎が解けた瑞希にT. H.先生？というDMが届き，環の可能性を疑う．瑞希は環と会うことにし，廣瀬がその様子を監視．一瞬目を話した隙にいなくなった瑞希．実はDMの送り主はリュウで，林先生の居場所を聞き出すために瑞希に接近した．殺すと脅すリュウに対してプティシャトン事件を必ず暴くと啖呵を切る瑞希．そのことを加藤に報告する．

リュウに脅されたものの，加藤との電話で「先生」という言葉を使ったことに注目する瑞希と廣瀬．中東で医師として生活している林先生に衛星電話をする廣瀬．リュウとリュウが電話をしていた相手に心当たりがないか聞く廣瀬．リュウの存在を伝える林先生．

こっそり環の写真を撮る同級生．環は誰に監視を頼まれたかと聞く．堕胎に必要な金を稼ぐために監視していたのか．同級生はヤンという男に電話で相談．金を稼ぐために体を売るか聞くヤンと同意する同級生．なんとプティシャトンなのか．同級生は大金を稼ぐも，顔も体もボロボロにされてしまう．生きてるよね？

環の様子がおかしくなったのはヌクイの解体をしてから．まるで生気を失ってしまった環だが，唯一真琴の肖像画には興味を示した．そこで過去の真琴のビデオを見せると食い入るように見続け，真琴の所作のマネをする環．梨世は解離が生じており，環は限界なのではと言う．

一方で瑞希は阿藤のかつでのペアっ子に阿藤のPCのHDDをコピーできないか頼む．数日でHDDをゲット．

[あんコさんの感想 · 2018年12月7日]

中国とアメリカの二重スパイだった神崎梨世。
曹を裏切ったためタカシに匿われることに!!
秋光正が環を献体として扱っていたことにタカシは怒りを覚える。
タカシも梨世とともに曹に狙われるが
本気で襲うつもりはなくある意味メッセージ。
天廻功の事件で精神のバランスを崩した環…。
まだ終わらないプティシャトン事件、
タカシに曹と組むように言う梨世からのアドバイス。
どこもかしこも不穏な気配に闇だらけ
複雑に絡み合ってる人間関係と…
先の展開が読めないから面白いんだけど……
人によって正義が違い、
その正義がどうなるのか？