激変する世界を先読みする

  • 日本文芸社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784537262018

作品紹介・あらすじ

忍び寄るファシズムと国家統制。平成が終わりを告げる今、世界と日本はどこに向かうのか。2019年、激変するアメリカ、中国、ロシア、EU、日本の最深情報を元に、日本最高知性、副島隆彦・佐藤優が世界と日本の行方を論じる。

感想・レビュー・書評

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  • 「逆問題」についての議論が興味深かった。
    最初の結論をとりあえず想定し、未来においてその事象が起きるにはどのような条件が揃えば成立するかを考え予言する。
    これがインテリジェンスの仕事であると佐藤氏が記述している。

    これに対して副島氏も中等教育で頭の良い人物は、練習問題を大量に解き、実際に問題に直面した時に答えから逆算することができると述べている。

    大学入試対策の際に数学の問題で解法が思いつかず、解答を見て、このような解法思いつく訳がないということにしばしば私は直面した。
    今思えば、こうした逆問題の発想が当時はなかった(そして今も)ことに気づいた。

  • このお二人の対談の割には、分かりやすい表現および内容でした。

    ふだん日経新聞などを読んでいるだけでは触れられない、
    (というより報道されない)記述が盛りだくさんです。

    私は、時事ニュースのバランスをとるため、この手の書籍を読むようにしています。こういう見方もあるのだと、視点の違いに驚かされます。

  • この二人の対談が面白くないわけがない。知らない人物や事柄が多くて自分の知識の無さを痛感したが、とても勉強になる内容で柔軟な視点の大切さを感じた。

  • たくさん刺激を受けることのあった本でした。

    ゴーン事件、北方領土、カショギ事件ではめられて評判の悪くなったサウジアラビア王太子、北朝鮮問題、予測をしていくために結論から組み立てる逆問題、ロシアと中国、衰退する日本に比べて中国と韓国、橋下徹、公明党、統一教会、ドイツのナチズム・イタリアのファシズムよりも早く国家社会主義を唱えた高畠素之、ムッソリーニ、生理的な次元から生まれる不寛容性、天皇制皇室の伝統、北条泰時、北畠親房、成立のはっきりしている「日本書紀」に比べて、誰がいつ書いたのかはっきりとしない「古事記」、世界政治に騙された昭和天皇様と松岡洋右外相、とても偉かった松岡洋右、戦前の出版界にも「日本すごい本」が氾濫していた、資本主義の崩壊、資本主義社会で誰もが信じている拝金教、嘘ばっかりの人類の月面着陸、価値判断の最高段階の最後は信じるか信じないか(もっと突き詰めると、好きか嫌いか)、プロリタリアート以下の現代の労働者階級、サラリーマンは現代の奴隷、人権宣言以来の人類を支えた理念が壊れ始めた、アマゾンで働く労働者たちを代表とする人間の工場化
    等の話を読むことができます。

    北方領土問題は日本にとっての大悪人アメリカダレス達が悪知恵を働かせて、ソ連と日本を絶対に仲良くさせないために、そのためにわざと領土問題を残した。
    プーチン氏が山口会談で「日本人は主権国家、つまり独立国という意識があるのか?」
    北と南に分かれていたほうが、世界からの嵐は避けられるために、北朝鮮としてもその方が都合がよい。

    逆問題が大切。つまり過去のあらゆる事実を想定したうえで、最初の結論は、とりあえず想定してから組み立てる。
    逆問題をいくつか立てていくことをしないと、予測分析なんてできない。

    韓国なんか相手にしなければいい。相手にするからおかしくなる。

    ヒューマンエラーは防ぐことができない。

    プロテスタントとカトリックの徹底的な殺し合いの結果生まれた「寛容論」

    搾取しない資本家というのは倒産した資本家。搾取と収奪は違う。

    ヘイト防止とかで人間の力が必要になる。

    古代ローマの国勢調査で、子供しか生産することができない無産者階級のことを「プロレタリア」と言った。
    今起きているのはプロレタリアート以下。子供をつくることを諦めている。

    Amazonと大きく横に書いたバスで駅からAmazonの大倉庫に行って働く人たちの世界はまさしく、ジョージ・オーウェルの「1984年」よりも早くハックスレーが「すばらしき新世界」で書いた、あの恐ろしい世界そのもの。ディケンズの「オリバー・ツイスト」のフェイギンのもとで働く貧乏な、みなしごの少年たち。

    人間は、牛、豚、鳥とかを大量に殺して、今まで死ぬほど食べてきた。動物を腹一杯食用に殺してきた。それなのに、自分だけは長生きしたい、という、人間様だからです。これを人権、ヒューマンライツと言います。
    ヒューマンライツで、なんでそんなに人間だけが偉いのか
    猫からは人間を裏切ることはありません。人間が猫を捨てたりして、裏切ることはあります。人間は何をやるか、わかりませんから。
    だから、人間はキチガイ猿だって……

    「真実暴き教」教義は、「この世にあるすべての虚偽を、気づき次第、手加減せずにすべて暴くべきである」のたった一条。

  • 副島隆彦さんのお言葉を借りれば
    〈私たちの、この国における生来のサヴァン症候群savant syndromeの保有者としてのズバ抜けた頭脳が、他の、もっと若い知識人、有能の士、優れた読書人たちへの嚮導となることを願っているのである。螺子曲がった精神で知識や言論などするべきでない〉。


    副島さんはとても正直に本音を語るかたで、
    「ひぇーっ。私は安倍晋三が大嫌いだ」
    「私は橋下徹氏に名誉棄損で訴えられています。(中略)騒いでもらいたいのでしょう」
    「文藝春秋社や新潮社で、長年ずっと昭和史の評論をやってきた人たちは、松岡洋右をわざと無視します。彼らは全部、戦後アメリカに飼い慣らされた言論人たちだ。私は尊敬しません」
    最後のところ、「最近私が読んだ本の著者では?」と思ったので、メモしておきました。

    さて、この本の非常に優れてありがたいところは、たぶんこのお二方ではなくて日本文芸社の水波康氏と山根裕之氏の功績だと思うのですが、たくさん読み仮名をふってある。

    さらに「国家(政府)」「日本の財界(経団連)」「SEC(米証券取引委)」「アラブ諸国(産油国)」「小泉(純一郎)内閣」「福田(康夫)官房長官」「いまは日本がカネをいっぱい払ってくれる(アメリカ製の戦闘機F35やオスプレイ、イージス・アショアなどを5兆円=500億ドル買ったらしい)」「ムハンマド・ビン・サルマン王太子(本当は王国だから皇太子ではありません)」「世界官僚同盟」(WBO World Bureaucratic Union ワールド・ビューロクラティック・ユニオン)とカッコ書きを沢山つけてくれてる。
    でも、どうしてWBUじゃなくてWBOなんだろう?

    たぶん私が現地でおふたかたの対談を聴いても、ほとんど理解できなかったでしょう。
    水波氏と山根氏の補足のおかげで、100%とまではいかないけど、まあまあ理解でき、面白く読めたと思います。
    ありがとうございました。

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著者プロフィール

副島隆彦(そえじま たかひこ)
評論家。副島国家戦略研究所(SNSI)主宰。1953年、福岡県生まれ。早稲田大学法学部卒業。外資系銀行員、予備校講師、常葉学園大学教授等を歴任。主著『世界覇権国アメリカを動かす政治家と知識人たち』(講談社+α文庫)、『決定版 属国 日本論』(PHP研究所)ほか著書多数。

「2023年 『大恐慌と戦争に備えて 個人資産の半分を外国に逃がす準備を!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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