初版グリム童話集: ベスト・セレクション

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  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560046609

作品紹介・あらすじ

マスコミ各紙で大絶賛のベストセラー『初版グリム童話集』(全4巻)から選りすぐりの36話を素敵な挿し絵とともに贈る、贅沢な一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 各話ごとに感想を書いてたらとんでもない時間を消費してしまいました(笑)。でも楽しかったです。
    初版のグリム童話を全部読もうと思って図書館に行ったものの、この本しかなかったのでとりあえずベスト版を読むことにしました。36のお話が収録されています。淡々と語られるお話はツッコミどころがあったり不気味だったりと、中毒性のあるものばかりでした。(以下、各話ごとの感想になります。)


    『かえるの王さま または鉄のハインリヒ』
    改版を繰り返したグリム童話ですが、必ず最初に収録されているのがこの作品。話も割と有名で、恋愛心理の「蛙化現象」という言葉はこのお話に原型があるらしいですね。カエルだと「いやしい!」なのに、王子様に変わると結婚して幸せになるあたり、サラッと書かれてますけど結構ブラックですよね…。

    『狼と七匹の子やぎ』
    これも有名なお話。「お留守番」の教訓は分かりやすくて、いかにも道徳的な童話ですよね。狼がチョークを食べて声を細くしたりするあたりはツッコミどころがありますが(笑)。『赤ずきん』同様、狼はお腹に石を詰め込まれる運命にあるようです。

    『十二人兄弟』
    読み始めてものの二三行で、「おい、王さま! お前頭おかしいんか!?」と、思わずつんのめってしまう衝撃の幕開けが印象的な作品。森に追い出された12人の王子たちが「女の子が現れたらそいつ殺そう」ってなるのもなかなかイカれてます。その後の展開も結構豊富で、12人の王子たちの突然の鴉化、そんな兄達のために12年間黙り続ける妹、そして以外にも劇的な大団円で締め括られ、取り敢えず惨たらしい死に方をするのは「いつもの」継母…と、「本当は怖い…」にぴったりな狂気感です。


    『兄と妹』
    これも継母=悪女=魔女という、いかにもグリム童話らしいお話。継母が火炙りになるのはもはや常套手段だとして、このお話で好きなのは、魔女に殺されたはずの妃(娘)が自分の息子とのろ鹿になってしまった兄のために夜の間だけ、幽霊のように現れて面倒を見てあげるという幻想的な展開ですね。

    『ラプンツェル』
    妖精の庭の畑に植えられている「ラプンツェル」とは一体どんなものだったのか、気になりますが、よく分かってません。かぼちゃみたいなもの、らしい…? それはともかく、ディズニー映画化もされ、たちまち有名になったこのお話ですが、王子との逢瀬がバレてしまうラプンツェルの発言(「ねえ、名付け親のおばさん、わたしのお洋服きつくなっちゃって、わたしの体に合わなくなったの、どうしてかしら」)は、あからさまな性の告白で、童話らしからぬ官能的な響きを感じます(笑)。


    『ヘンゼルとグレーテル』
    狡猾で悪いヤツらはみんな死ぬ、という端的な教訓が丁寧に進んでいく印象を受ける、グリム童話を代表するお話。魔女の婆さんアホやないかい、と小さい頃何度も思っていたのを思い出します。ちょっと挿絵の格子小屋がリアルで怖いですね。

    『旅に出たわらと炭とそら豆』
    そら豆の縫い目みたいなアレは、こうしてできたんですよっていうだけの短い話。だいぶ押し付けがましいなぁ(笑)

    『漁師とおかみさんの話』
    教訓はシンプルで、「欲張りはいけませんよ」ってお話。やはりこう言う「欲 」が絡む作品だと、女性がなにかと貪婪で狡猾な感じに書かれるよなぁ。あと、旦那さんが漁師ということもあって、魔法使いとか小人のポジションに「ひらめ」がいるのも、新しい感じで面白いです。

    『灰被り』
    皆さんご存知、シンデレラとは灰被りの意。ただし初版だと、現在私たちが知る「シンデレラ」とは、印象が大きく違う作品です。まず「ビビデバビデブー」たるセリフは登場しない。舞踏会への準備はすべて、亡き母のお墓に植えた小さな木をゆすれば解決します。魔法使い的な位置には白い鳩がいます。そして1番驚くべきは、灰被りの落としたガラスの靴を履くために、1人の姉は踵を、もう1人の姉は爪先をちょんぎって、血を吹き出しながら靴を履くところでしょう! 王子もなぜ気が付かない!? なかなか悍ましい展開です…。

    『子供たちが屠殺ごっこをした話』
    初版のみ収録のこの話は、その残酷さと教訓的要素の皆無さにおいて逆に有名すぎるくらいで、「グリム童話初版はヤバい」と言わしめている元凶ですな。かなり短いですが毒が強すぎです。第1部は少年犯罪のドロドロを彷彿とさせるイヤな話。第2部は子供の残虐な無垢によって一家全員が死ぬ胸糞悪い話。エドワード・ゴーリーの絵本にありそうで、特に第2部なんか数行しかないのにあまりに酷すぎで逆にすごいくらいですわ。

    『ホレおばさん』
    対比的な二人の女の子が出てくる、教訓としてはわかりやすいお話。それにしても井戸に落ちると違う場所に迷い込んでいる、というつかみはやっぱり『不思議の国のアリス』を彷彿とさせ、いかにもメルヘンチックと形容したくなる素敵な世界観ですよね。どこかで「井戸」と「id(イド)」を関連させた文章を読みましたが、あれも秀逸でした。

    『赤ずきん』
    話の筋は言わずもがな。嘱目すべきは最後の数行、「こんな話もあります。」に始まる後日談的な話が挿入されているところです。グリム童話のラストは意外と投げやりな感じであっさり〆ますが、初版のこの話には後日談として赤ずきんちゃんが別の狼をまたやっつけるという展開があるのは珍しいですよね。因みに、狼のお腹に入りがちな「石」は、キリスト圏では「人間」の象徴であるとかないとか…(聖書にそんな展開がありましたよね)。

    『三本の金の髪の毛をもつ悪魔の話』
    この話の教訓はこれです。最後の段落を引用してみましょう。
    「こういうわけですから、悪魔を恐れない人は、悪魔の髪の毛を引き抜いて世界をまるごと手に入れることができます。」
    悪魔崇拝を教唆してんの? と個人的にはめちゃめちゃ面白い話でした。サラッと「きこりは地獄へとやって来ました」って書いてあったりとか、悪魔のおかみさんと悪魔のだんなのやりとりがコミカルなのも、悪魔に親近感を抱かせようとしているのか……とにかく目的は判然としませんが、ちょっとだけ悪魔の世界に足を突っ込んだ気分になれるので好きです(笑)。

    『長靴をはいた牡猫』
    個人的には、ゲーテ『ファウスト』に登場するメフィストフェレスみたいなイメージがあります、この猫。いや、やっぱりこの猫は悪魔の寓意なのかな…? グリム童話の中でもメルヘンみが強いお話ですが、考えてみると実は結構怖い…? そんな後味があります。

    『ハンスのトリーネ』
    短めの話ですぐ読み終わりますが、ハンスなの? トリーネなの? と若干混乱してきます。終わり方も「そして、ハンスはトリーネとおさらばできました」と、何やら精神分裂病を彷彿とさせる不気味なもの。これは怖い部類に入るでしょう。

    『おぜんよごはんのしたくと金貨を出すろばと袋の棍棒の話』
    いや、タイトルが長い(笑)! 2パターンの話が収録されています。狡猾な山羊に騙されて、父から追い出された3人の兄弟に親方が渡すものがどれも優れモノすぎでインフレしています。金貨を出すロバは有名な気がしますね、その他のドラえもんの秘密道具みたいなアイテムは知りませんでした。

    『小人たちの話』
    小人にまつわる三本の話で構成されています。特筆すべきは三つ目のお話、「子供を取り換えられた女の人の話」で、これはケルトの伝承《チェンジリング》と関係が深いような気がしますね。卵が出てくるあたりとかは、完全にクローカーのやつですよね。

    『コルベスさま』
    猿蟹合戦の最後の展開にそっくりなお話、てかあまりに似すぎてびっくり! こういうのをアーキタイプって言うのかな(集合的無意識のやつ)?

    『ねずの木の話』
    今回収録されていた話の中で一番面白かったかな。まず最初の妻の死因が、「喜びすぎ」ですからね(笑)。そこから意外とグロッキーになって、継母が林檎を入れた箱で夫の連れ子の頸を切断して、布で巻き付けてくっつけて、何も知らない娘(マルレーンチちゃん)に罪をかぶせようとするのなんかもう鬼畜でしょう・・・、ひどいや。 
    殺された息子は綺麗な鳥になりますが、それが紡ぐ歌の内容がまあ怖い(笑)。最後の展開も継母が息子の歌を聞くにつれておかしくなっていくあたりとか、下手なサスペンスよりも劇的で面白かったです。

    『いばら姫』
    これはグリム童話の定番。あまり内容も変化はなし。「何で百年の眠りにしたんだ、十年でもいいじゃないか」というツッコミはご法度です。

    『白雪姫』
    こちらもあまりに有名なお話。ただし初版の方が、明らかに女の嫉妬心が強調されています。「いるか?」ってくらいに女王様の嫉妬の描写が細かいです。舞台装置に鏡があったりだとか、これは女性という存在を意図的にそう書いているとしか思えません。自分の娘を何としても殺そうとしたい女王様の執着がすごすぎです。
    というか白雪姫ってこの時七歳だったんですね・・・・・・・。この視点で色々印象が変わりそうです。七歳くらいの女の子の死体を譲ってくれと懇願する王子様には、ネクロフィリアとペドフィリアの性癖が備わっているようです。まあ、わたしも好きですが。

    『馬鹿のハンス』
    これもまぁ、お姫様の意趣返しが陰湿(笑)。でも、「ある人をすぐ罪があると決めつけるな」と教訓は分かりやすくシンプル。馬鹿のハンスが謎の特殊能力を持っていたりと、ご都合主義的展開が露骨に展開されていていっそ清々しい作品でした。

    『ルンペルシュティルツヒェン』
    初見じゃまず言えない、「ルンペルシュティルツヒェン」。これはお父さんが悪いな。娘にできもしない錬金術をして見せろなんて、可哀想すぎる。そりゃあ小人に助けを求めたくもなるわな。それにしても、ルンペルシュティルツヒェン、おっちょこちょいすぎる(笑)

    『青髭』
    シャルル・ペロー版とグリム童話(初版)の『青髭』は、色々違います。でも言えるのは、この青髭の王様は、モデルにジル・ド・レをあげられる説があるくらいに、嗜虐的、サディスティックな癖のある曲者だということですね。包丁を研ぎながら迫ってくる青髭…怖すぎ! 3人の兄たちは普通にかっこいいですね。

    『千匹皮』
    あまり想像出来ない題名ですが、私はバーネット女史の『小公女』みたいな印象を受けました(小部屋で惨めな暮らしをするのとか)。もっとも、『千匹皮』に出てくるお父様は自分に結婚を迫ってくるロリコン野郎ですけどね(笑)。というか、千匹の獣の皮を継ぎ合わせたら、どんな感じになるんだろう? 『羊たちの沈黙』じゃないけど、グロデスクで絶対目立つと思うんだけどなぁ

    『夏の庭と冬の庭』
    バラ1本で娘を獣に売るって(笑)。獣が良い奴だったから良かったけれど、結末を見るにこれは悲劇的な「美女と野獣」みたいですね。「約束を破ると痛い目にあう」と教訓も直接的でパセティックな情緒をそそります。

    『貧乏人と金持ち』
    なんとなく展開が読めてきてしまいそうなタイトルですが、思った通り、傲慢な金持ちよりも、思いやりのある貧乏人を神は見捨てない、という話でしたね。旧約聖書のアブラハムの物語に類似している印象を受けました。もっともこちらは神様が直接出向いてるわけですが(笑)。まぁ、この手の話は日本人の童話を含め、色んな国の童話にもありそうですよね。

    『がちょう番の娘』
    今度は侍女が裏切るパターンか! 相変わらず女性の嫉妬は恐ろしい…! ところでこのお話にはちょっとだけ不気味なシーンがありました。お姫様の大切な馬、ファラダが、侍女の手によって殺されてしまいますが、その際お姫様は皮剥職人に頼んで、ファラダの首を門の下に打ち付けさせ、お姫様はそのぶら下がった馬の首と毎日会話をする、というシーンです。ここは確かに不気味でした。というか王子よ、婚約者くらい分かろうや…

    『悪魔の煤けた相棒』
    『三本の金の髪の毛をもつ悪魔の話』同様、悪魔に頼ると国もすべて手に入れることが出来ると唆す、ちょっと危ない感じのお話です。この話のハンスに関しては、完全に悪魔に頼りっぱなしだもんなぁ。泣きついてるし(笑)。地獄で悪態をついていたところを考えると、このハンスって男も、まあまあ悪いヤツだったのでしょう。そこに悪魔はつけ込むと、遠回しですがそんなところでしょうか。

    『おいしいお粥』
    ドラえもんにこんな話、あったなぁ。かなり短めですが、想像力をかきたてる、ポップな感じのお話でした。

    『ハンス針ネズミぼうや』
    これ、すごい話だ(笑)。個人的には読めてよかったなと思いました。この話のハンスは、上半身がハリネズミ下半身が人間と、かなり悍ましい姿の主人公で、家族に恐れられ見放される過去を持ち、後々2つの国の王女を手玉に取るあたり、どこかダークヒーロー感があります(最後にはお約束の展開で美しい姿になりますが)。それにしたって、「うそのむくいだ」と言って王女を脱がせて針で血だらけになるまで刺すってスゴすぎる。かなり極端な思考ですが、当時はそのくらいの方が良かったのでしょうか。

    『わがまま子どもの話』
    これもなかなか酷い(笑)。というか理不尽。わがままな子が気に入らないからって、神様殺しちゃダメでしょ。あと、子どもの最後の足掻きがイヤにリアルに描写されていて怖い…。(挿絵も怖かった)

    『長い鼻』
    うーん、色々混ざってるなぁ。3人の年寄りと3つのチートアイテム。鼻が伸びたり縮んだり。この話に登場するお姫様は以外にも欲深く嘘を貫こうとする性悪キャラとして登場しています。年寄りが活躍する話って、子供ウケしたのかな…

    『踊ってすりきれた靴』
    この12人のお姫様たち、まさしく「魔性の女」って感じがします。自分たちと結婚するためにやってくる男たちを惑わしては楽しんでますもん。まさにキルケーとかサロメとか…。いや、だとすると、お姫様たちと踊る王子様達は何者なのでしょうか? やっぱり悪魔なのかなぁ。不穏な感じが抜けきらないお話でした。

    『金の鍵』
    「箱の中に何が入っているか、分かるでしょう」──結局何が入っていたのでしょう? まぁ、きっと想像力を膨らませるためのお話ですから、これをきっかけに子どもたちは自分なりの考察を披露して、楽しく盛り上がったのでしょう。

  • 初版でしか読めない七編を入れた36話の初版グリム童話集。あの話の原型は案外あっさりしすぎているのね、とか短い一文なのに残酷、とか。この話は何を意図しているの?と頭をひねってしまう話とか。いろいろあるけど割と好きな感想です。

  • 初版は、現在伝わっているお話とは異なる部分が多々あり、面白く読めました。
    童話にしては少し過激かな?と思う表現もあり、当時確かに修正依頼がくるはずだよなぁ、と実感しました(笑)

  • グリム兄弟が書き換えや書き加えを行う前の童話集の原型として、素敵な挿し絵とともに贈る贅沢な一冊。物語が本来持つ素朴な力強さ、ひと味違った世界を楽しめる。97年刊の全4巻から、初版でしか読めない話等36話を選ぶ。
    原題:Kinder- und Hausmärchen,gesammelt durch die Brüder Grimm.(抄訳)
    — 目次 —
    かえるの王さま または鉄のハインリッヒ/狼と七匹の子やぎ/十二人兄弟/
    兄と妹/ラプンツェル/ヘンゼルとグレーテル/旅に出たわらと炭とそら豆/
    漁師とおかみさんの話/灰かぶり/子どもたちが屠殺ごっこをした話/
    ホレおばさん/赤ずきん/三本の金の髪の毛をもつ悪魔の話/長靴をはいた牡猫/
    ハンスのトリーネ/おぜんよごはんのしたくと金貨を出すろばと袋と棍棒の話/
    小人たちの話/コルベスさま/いばら姫/白雪姫/馬鹿のハンス/
    ルンペルシュティルツヒェン/青髭/千匹皮/夏の庭と冬の庭/めんどりの死/
    貧乏人と金持ち/がちょう番の娘/悪魔の煤けた相棒/おいしいお粥/
    ハンス針ねずみぼうや/わがままな子どもの話/長い鼻/踊ってすりきれた靴/
    金の鍵

  • いいとか悪いとかでなく、まあ機会があったら読んでみてもいいのでは、という本

  • 19世紀から20世紀にかけて描かれた挿絵を多く収録した美しい一冊。
    ただし、残酷な描写も多く子供向きではありません。とは言え、もっと残酷な版も存在するので、あくまで、ある程度の年齢になってから初版グリム童話がどんなものか知りたいと思った人向けの資料といったイメージ。
    絵本を卒業してからも一冊くらい手元にグリム童話をおいて置きたい方にもオススメです。

    かえるの王さま または鉄のハインリッヒ
    狼と七匹の子やぎ
    十二人兄弟
    兄と妹
    ラプンツェル
    ヘンゼルとグレーテル
    旅に出たわらと炭とそら豆
    漁師とおかみさんの話
    灰かぶり
    子どもたちが屠殺ごっこをした話
    ホレおばさん
    赤ずきん
    三本の金の髪の毛をもつ悪魔の話
    長靴をはいた牡猫
    ハンスのトリーネ
    おぜんよごはんのしたくと金貨を出すろばと袋の棍棒の話
    小人たちの話
    コルベスさま
    ねずの木の話
    いばら姫
    白雪姫
    馬鹿のハンス
    ルンペルシュティルツヒェン
    青髭
    千匹皮
    夏の庭と冬の庭
    めんどりの死
    貧乏人と金持ち
    がちょう番の娘
    悪魔の煤けた相棒
    おいしいお粥
    ハンス針ねずみぼうや
    わがままな子どもの話
    長い鼻
    踊ってすりきれた靴
    金の鍵

    以上36話を収録

  • ねずのきのした

  • 多分中学以来くらいの再読。結構残酷なお話も多い。私はもう大人だからこういう残酷でブラックな描写も嫌いじゃないけど、子どもが読んだら泣いちゃうだろうな…。2011/358

  • 一般に読まれている第七版を良く知っている人ほど、楽しめると思う。
    初版のみに収録されている「子どもたちが屠殺ごっこをした話」「夏の庭冬の庭」(美女と野獣と同じ系統の話)なども興味深いし、七版との違いを発見するのも面白い。
    「いばら姫」ではお妃の懐妊を予言するのはザリガニ。
    「白雪姫」「ヘンゼルとグレーテル」を殺そうとするのは実母。
    このへんはよく知られてると思うけど、「ホレおばさん」は雄鶏が鳴くシーンがなくて物足りない。
    「灰かぶり」なんかは七版とはかなり違う。七版では豆を拾わせるのは継母だけど、こちらは姉娘。姉娘たちの腹黒さが七版より詳細に描かれ、ハトに目をつぶされてしまうのも納得だな、と思ってたら、目をつぶされるシーンがない。
    ちなみに七版でも親指やかかとを切り落とすシーンはあります。
    まず、七版を読んでから初版を読んだほうがいいと思う。
    知らずにこれを初めて読んで「初版はグロテスクだ残酷だ」って言われてもね。いや初版じゃないのも読もうよって感じ。

    小澤俊夫の研究書なんかと合わせて読むとより楽しめそう。

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