ユルスナール・セレクション 3

  • 白水社
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (418ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560047132

感想・レビュー・書評

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  • 「アレクシス」は再読。前回はアレクシスの弱さを感じたけれど、今回はしぶとさというかずうずうしさを感じた。ああこの人ぜんぜん折れる気ないんだなあと。こういう、低姿勢だけれど自分ばっかりの人っていやですね。

    「とどめの一撃」。主人公が偉そうにひどい物言いを延々続けるので本当に震えた。10年代マイワースト主人公になりそう。執着なのか支配欲なのかサディズムなのか、こんなひどい人を造形するユルスナール先生すごい、と思いつつ、でももしかしたらもう少し3人の関係をくっきり書いてくれてもよかったかも、と思った。もうちょっと神話っぽさがあれば、主人公のひどさ以外のところに目が行ったかもしれない。

    「夢の貨幣」。前の二作がクズ男の独白で非常に辛かったぶん快適に読み始めたけれど、出てくる人出てくる人みんな俗世の苦しみの網にがんじがらめにとらえられているので、かなしく息苦しい気持ちに。登場人物をつなげる滑らかさが上手いと思ったけれど、10リラコインが効いているかというとどうだったかなあというところも。

    三作とも話自体は苦すぎて好みではないのだけれど、皮肉だったり辛辣だったりするフレーズがとても決まっているので、かっこいいのはかっこいい。そういうものを受け止める体力があるときに読むといいと思う。

  • 2001-10-00

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