- Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
- / ISBN・EAN: 9784560070048
感想・レビュー・書評
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3度目の挑戦で読了。ヨーク家のエドワード四世が王位に着いてからリチャード三世がボズワースで戦死するまでの14年間を描いた戯曲。物語のテンポの良さにびっくり。ここまで悪党ぶり描かれると、魅力的に思えてくる。一気に読んだ
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2012年にイングランドの駐車場の下で発見された遺骨が、つい先日リチャード三世のものと断定された。DNA鑑定の結果「疑いを差し挟む余地がない」とのこと。すごいなぁ。遺骨の写真を見て初めて知ったのだが、リチャード三世の背骨には湾曲が見られる。彼は今で言う脊柱側湾症だった。親近感を覚え、読んでみることにした。
見どころはやはり、リチャード三世の人物像。”I am determined to prove a villain.”と、冒頭で自ら悪役宣言。「せむし」のリチャードには人並みの幸せは望むべくもない。となれば、取るべき道は一つ。この世を憎んでやる、呪ってやる!この怨嗟の凄まじさたるや。
邪魔な人間は全員殺す。新潮文庫版表紙の面構えから予感はしていたものの、まったく惚れ惚れするような悪党である。きらいじゃないよ。
そんなこんなで、死ぬわ死ぬわ。とにかくリチャードの周りで人がいっぱい死にます。複雑な血縁関係を整理するため系図を書きながら読んでいたのだが、次々とバツ印がついていく。これはもう、クリスティ『そして誰もいなくなった』に匹敵する死にっぷり。ロンドン塔の二王子のくだりは、漱石の『倫敦塔』やミレーの『塔の中の王子たち』を思い起こしつつ。
『リチャード三世』は言葉、もっと言えば、呪詛の劇。極悪非道なリチャードの台詞はもちろんのこと、マーガレットの予言やラストの「絶望して死ね!」など、舞台上で吐かれる言葉は悪意に満ち満ちている。そういえば、こんなにも殺伐とした物語でありながら、血なまぐさい場面はほとんど見当たらないのも印象的だ。ここでは言葉が人を殺すのだ。 -
「馬を! 馬をよこせ! 代わりに我が王国をくれてやる!」というセリフが有名。
シェイクスピアの中でもかなりの悪役が主人公だ。マクベスは良心が残っていたが、リチャードは最初から最後まで悪いやつだ。これは楽しい。悪漢小説が好きな人は楽しめると思う。 -
リチャード、あっぱれなヒール。前巻までは、頭が切れて行動力もあるニヒルな二枚目(中身)然としていたのに、主人公になるや否や冒頭からの悪人宣言、お見事!最後は小物になるところまで含めて、与えられた役を演じきった。
マーガレット、ランカスターの生霊。最年長のかなしみを纏う者。呪詛が紙面を埋め尽くすこの巻にあって、なお並ぶ者のいない呪いの名手!
リチャードに殺された者たちが亡霊となって現れ、リチャードに対して口々に「絶望して死ね!」と絶叫し、リッチモンド伯ヘンリーには「生きて栄えよ!」と祝福の言葉を贈る。この場面は舞台で観たらさぞや圧巻だろう。
かくてテューダー朝は開かれる。 -
ばら戦争時代の人間関係は、同じ名前の人があって分かりにくい。
二度目に読んだ。一度目よりもすっと入ってくる。亡霊との対話が思っていたよりも少ない。ヘンリー7世がチューダー朝の始まり。やってはやられるの繰り返しに見える。 -
後半ちょっとぐだぐだ。
あんまりいい出来じゃない。 -
清々しいほどの悪役っぷり。表と裏の顔の変わる瞬間が何とも魅力的
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リチャード三世が素晴らしい悪役で好きです。
しかし物語的にはそんなに…
リチャード三世のキャラだけで保ってる感じします。
だから舞台で今話題の俳優や実力がある俳優がリチャード三世をやるってのは分かる気がします。 -
悪役っぷりがたまらない。
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原題: King Richard III