リチャード二世 (白水Uブックス (11))

  • 白水社
3.72
  • (4)
  • (6)
  • (7)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 86
感想 : 12
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (217ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560070116

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • リチャード二世の性格、ボリングブルックの王位剝奪の正当性、などすっきりと理解できない。

  • 争い合うリチャード2世の家臣たち追放されたヘンリー・ボリングブルック。ヘンリーの父親あるジョン・オブ・ゴーントの死により没収された領地を取り返すためフランス王と共にイギリスに上陸したボリングブルック。リチャードの施政に反抗する貴族たちの集結。

  • 批評史が面白い。

  • はじめて、シェイクスピアを読んでおもしろいと思った。脚本形式が最初なれなかったけど… ぜひイギリスでみてみたい。

    最初、ヘンリー六世を読みかけたけどなにげなく読んだこちらの方がおもしろくなって先に読んでしまった。

    でも、おじと甥、いとこが争うのは悲しいなあ…
    これからバラ戦争に突入するのだ。

  • 西欧の歴史を学んだら面白いと思うのだろうか?

  • イエスマンに取り囲まれた優柔不断な王がその王位を失う物語。 原題:King Richard II

  • 第一幕

    第一場 ウィンザーの王宮
    ボリングブルックとモーブレーの争い。どちらが謀反人か?二人は決闘での証明を望む。

    ボリングブルック→モーブレー
    公金横領。
    過去十八年間に起きたすべての謀反の首謀者。
    ボリングブルックの叔父であるグロスター公の暗殺。

    モーブレー→ボリングブルック
    ボリングブルックの弾劾は、すべて根も葉もないもの。
    名誉のためにボリングブルックを訴える。

    王とボリングブルックの父ジョン・オブ・ゴーントの仲裁でも二人の怒りは収まらない。決闘は聖ランバートの祭日に、コヴェントリーでおこなわれることになる。

    第二場 ランカスター公爵の邸
    ジョン・オブ・ゴーント 暗殺されたグロスター公の兄。エドワード王の七人の息子の一人。
    弟の暗殺者が誰かを知っているが、罰することは出来ないでいる。そのことを嘆くが、故グロスター公爵夫人は弟のために復讐するようゴーントに迫る。
    そこで彼女に暗殺の首謀者は王リチャード二世であることを告げる。未亡人はせめて下手人であるモーブレーだけでも死ぬように願う。ゴーントはコヴェントリーへ、公爵夫人は悲しみと共ににとどまる。

    第三場 コヴェントリーの試合場
    ノーフォーク公爵トマス・モーブレーとヘリフォード、ランカスター、ならびにダービーの公爵ハリーが決闘する。勝った方の訴えが正しくて、負けたほうが裏切り者だと決まる。野蛮だ。それに名前が長い。

    いざ決闘というときに、王が待ったをかける。そして二人をイギリスから追放する。ヘリフォードは十年、モーブレーは永遠に、イギリスに足を踏み入れることがかなわない。モーブレーは、その時四十歳。嘆いても、王の宣告は取り返しがつかない。(下手人を追放すれば、自分の罪も追放できると考えたの?)。

    王はまた、二人の追放者に、連絡を取り合うこと、和解すること、イギリスに弓引くことを禁じ、誓わせた。モーブレーが立ち去った後、王はボリングブルックの追放の年数を六年に縮める。(ゴーントがいたから十年ですんだ?)。ヘリフォードは友人オーマールに見送られてイギリスを去った。

    第四場 宮廷
    王とオーマール、バゴットとグリーンは、ヘリフォードを追放できたことを喜んでいる。オーマールとヘリフォードの友情は偽物だった。ボリングブルックは、身分の低い者にも気さくで親切だったので、王たちに憎まれていたのだ。

    アイルランドの紛争のため金が必要だが、国庫は空っぽだ。
    王領を抵当に借り入れして、足りないときには、金持ちから手当たり次第に財産を取り上げて軍費を補充させることにする。ひどい暴君だ。
    そこにジョン・オブ・ゴーント危篤の知らせが届く。王は喜ぶ。ゴーントが死ねば、彼の遺産を没収して、戦の費用にしようというのだ。ひどい暴君だ。

    第二幕

    第一場 イーリー司教の邸
    病気のジョン・オブ・ゴーント、最後の忠告を王に告げたいと願う。ヨーク公は王は聞き入れないだろうと言う。
    ゴーントは予言する。王の悪徳はイングランドを破滅に追いやると。

    そこに王と王妃、その取り巻きが到着する。ゴーントは王に最後の忠告をするが、王は彼をあざけり、耳を貸さない。
    死者の枕元で王はゴーントの財産を没収すると告げる。エドワード王の息子の最後の生き残りであるヨーク公はヘリフォード公の権利に
    手を触れないよう願うが無駄だった。ヨークは立ち去り、王は明日アイルランドへ出陣することを決める。留守中は彼の叔父ヨークを
    イングランド総監に任じる。

    残されたノーサンバランド、ロス、ウィロビーは彼らの友人に降りかかった災難を嘆く。王がイングランドを破産させたことに怒っている。
    そして王のアイルランド出征の隙にクーデターが計画されていることが明かされる。三人はクーデターに加わることにする。

    第二場 ウィンザーの王宮
    王が不在の王宮で、王妃は不幸の予感にふるえている。そこに、ボリングブルック率いる反乱軍がイギリスに上陸した知らせが届く。
    貴族も平民も反逆に参加するだろう。ヨーク公は王宮に留まるが、希望はない。彼の姪御を安全な場所に避難させるため去る。
    残った王の取り巻きのうち、ブッシー、グリーンは逃げ出す。バゴットはアイルランドの王の元へ向かう。

    第三場 グロスターシアの荒野
    反乱軍は順調に進み、バークリー城のそばにいる。バークリー城は王への忠誠を守っている軍勢が立てこもっている。
    叔父と甥は対峙する。ヨーク公は反逆を責める。ボリングブルックは奪われた権利を取り戻したいだけだという。
    ヨーク公は邪をもって正を求めるのは許されないと説く。しかし、ヨーク公に反逆軍を止める力はない。中立の立場を取ることに決める。
    敵でも味方でもない者として彼らを城に招く。

    第四場 ウェールズの陣営
    王は死んだという噂が流れている。王の没落は時間の問題だと、誰もが思っている。

    第三幕

    第一場 ブリストル、城の前
    第二幕第二城で逃げた二人が立てこもっていた城。攻め落とされ、二人は死刑を宣告される。
    王妃はヨーク公の城で匿われている。彼女の安全の保証はされている。
    一行はグレンダワー一味との戦いに赴く。

    第二場 ウェールズの海岸
    王は生きていた。イギリスに戻ってきた。反逆者たちを呪っている。失ったものを全て取り戻せると思っている。
    だが、王が頼みとしているウェールズの軍勢は前日に解散した。そしてボリングブルックのもとへ走った。
    けれど王は現実を見ない。国内に残っていた味方は全て死んだが、叔父ヨークと合流すればなんとかなると思っている。
    だがオーマールの父はすでにボリングブルックの軍門に降っている。誠実にして人望を集めるって大事なんだな。
    王は自分の軍勢を解散させることに決めた。

    第三場 ウェールズ、フリント城の前
    ヨークはブリングブルックに協力してはいるが、王への敬愛はまだ失ってはいない。
    フリント城に王が籠城しているとの知らせが届く。
    ボリングブルックは王に談判を申し込む。追放宣告の撤回と、没収された所領が無条件に返還を要求するのだ。
    それが叶えば武装解除をし、再び王へ服従と忠誠を捧げると誓った。
    叶わないなら内乱だ。美しい大地が血で染まることになる。
    王はなんと答えるだろう?選択の余地はない。要求を全て飲むと伝えた。
    でも心は怒りと屈辱で満ちている。すごく被害者面してる。

    全員ロンドンへ。

    第四場 ラングリー、ヨーク公爵邸の庭園
    王妃はひたすら嘆いている。そこへ庭師たちがやってくる。彼らは放蕩が国を傾けていること、王の取り巻きがみな死刑に処されたこと、
    今の王の境遇は王自身が招いたことであると話す。
    それを聞いた王妃はロンドンへ向かう。庭師は王妃の悲しみのために、悲しみの花ヘンルーダの花壇をつくる。

    第四幕

    第一場 ウェストミンスター大会堂
    議会を開くべく、主な貴族、司教らが集まっている。
    決闘のバーゲンセール会場はここですよ。
    この議会では、気に入らないやつを陥れることばっかりに夢中になっている。大混乱だ。
    追放されたトマス・モーブレーは十字軍に参加して死んだ。
    ヨーク公がやってきて、リチャードは自ら退位し、王位をボリングブルックに明け渡すと伝えた。
    ボリングブルックはヘンリー四世として即位する。しかしカーライル司教が待ったをかける。
    そしてヘリフォードを謀反人と呼び、彼に王冠を与えるならばイギリスに不幸が訪れると予言する。
    新王の忠臣は彼を大逆罪で逮捕する。そして新王はリチャードに衆人の前で王位を譲ることを要請する。
    リチャード王はやってきて、王位を譲り、自棄になって新しい王に祝福を叩きつける。
    リチャードと、彼に従う家来が犯した罪状と弾劾文を読むよう求められると、心は千々に砕ける。
    結局読まずにロンドン塔へ幽閉される。新王の戴冠式は次の水曜日。リチャードの家来たちには企みがあるらしい。

    第五幕

    第一場 ロンドン、ロンドン塔へ通じる街路
    王と王妃の再会 王妃はフランス出身

    リチャードはロンドン塔ではなくポンフレット城へ連れて行かれる。「酷寒と病苦のためにやせ衰えた土地へ。」
    王妃はフランスへ帰される。

    第二場 ヨーク公爵の邸
    ヨーク公爵夫妻が、ボリングブルックの栄光とリチャードの没落を語っている。リチャードに同情的。息子のオーマールを心配している。ヨーク公はオーマールが謀反を犯そうとしている証拠を見つける。父は息子を告発するべく王の元へ向かう。息子と妻もその後を追う。

    第三場 ウィンザーの王宮
    ボリングブルックに息子が生まれたようだ。父は息子に手を焼いているが、期待もしている。
    オーマールがやってきて、人払いをさせ、許しを請う。ヨークが追って現れる。陰謀の手紙に王は激怒する。そこに公爵夫人が我が子への許しを嘆願するために現れる。ヨークは反逆者を許さないよう忠告するが、ヘンリーは夫人と息子の願いを聞き届ける。だが、他の反逆に加わったメンバーは捉えるよう命じる。

    第四場 同じ場所
    エクストンは王のために先王リチャードを暗殺することにした。

    第五場 ポンフレット城
    悲しみに苛まれながら孤独に生きているリチャード。エクストンの毒。激高したリチャードをエクストンが打ち倒す。取り返しのつかないことをしてしまったとわかったが、もう遅い。

    第六場 ウィンザー城
    謀反人はカーライル司教を除いてみんな死んだ。王はカーライルに静かに暮らす限り罰しないと約束する。
    エクストンがリチャードの遺体を持ってやってくる。血を浴びて生まれた王はその血をあがない続けなくてはならない。エクストンは永久追放。ヘンリー王は十字軍に参加する。
    ボルリングブルックはリチャードによってイギリスを追放されるのだ。

  • 四大悲劇はどれも希望のある終わり方だったように思うが、この作品はそうではなく珍しく感じた。個人的にここの全集は台詞のテンポを大事にしていて、読みやすくて好き。脚注があればなお良かった。

  • 二度読み予定

  • 詩的。美しい。英文ならなおよいことだろう。ただ、強さはない。
    コールリッジの批評が面白い。
    「傲慢から卑屈へ、希望から絶望へ、愛情の浪費から憤怒の苦悶へ、装った諦念から痛烈な呪詛へと一瞬のうちに変わるのは、彼の全生涯に認められる特徴で、これらに豊かな想念が結びついている」

全12件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

イングランドの劇作家、詩人であり、イギリス・ルネサンス演劇を代表する人物。卓越した人間観察眼からなる内面の心理描写により、最も優れた英文学の作家とも言われている。また彼ののこした膨大な著作は、初期近代英語の実態を知る上での貴重な言語学的資料ともなっている。
出生地はストラトフォード・アポン・エイヴォンで、1585年前後にロンドンに進出し、1592年には新進の劇作家として活躍した。1612年ごろに引退するまでの約20年間に、四大悲劇「ハムレット」、「マクベス」、「オセロ」、「リア王」をはじめ、「ロミオとジュリエット」、「ヴェニスの商人」、「夏の夜の夢」、「ジュリアス・シーザー」など多くの傑作を残した。「ヴィーナスとアドーニス」のような物語詩もあり、特に「ソネット集」は今日でも最高の詩編の一つと見なされている。

「2016年 『マクベス MACBETH』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ウィリアム・シェイクスピアの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×