- Amazon.co.jp ・本 (187ページ)
- / ISBN・EAN: 9784560073407
感想・レビュー・書評
-
1995年当時のプラハ。
美味いビールを呑ませる店とそのこだわり、気の利いた品揃えの古本屋。
今、どれくらい残っているんだろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
長らく気になっていた本。
タイトルがほぼ全てで、言語学者というかチェコ語研究者の千野氏が80年代後半から90年代初頭のチェコのビロード革命のビフォアアフターについて、ビールと古本を中心に書いている。
西側の視点が大きめの世界にいるせいか、公共交通とか芸術がめちゃ安いのは共産圏のいいとこだよねー!という意見にハッとした
政治体制の変化は、生活の上ではとんでもなく大きな変革があったと容易に想像がつく。
特に、この世界の古本屋は独特だった。
古本屋に通い詰め、主人と親しくなっていくと、やっと奥に部屋に通され、あなたのために取って置きました、と言われる本を売ってもらえたというくだりは、まるでファンタジーの世界。
呑み屋も同じく、曜日ごとの固定客が固定席にいて、そこはインテリの溜まり場というあたりも。パリのサロンなのコーヒー広場なの、というかんじ。
面白かったのは、ブドワイゼル=バドワイザー、budはインドヨーロッパ語で目覚める、の意味があり、チェコ語の「目覚まし時計」と、お釈迦様の「目覚めた人」ブッダは同じ言葉が元だという話。明日誰かに言いたい言語ネタ、いただきました。 -
私はお酒が呑めないのですが、ビールという飲み物がとても魅力的に思えて、溜飲が下がりました。
古本屋の本来のあり方が知れましたし、紋章も好きなので面白く読めました。-
「溜飲が下がりました」
私も飲めないのですが、黒ビールが美味しそうに思えてしまうのが不思議。。。
千野栄一の本では、「プラハの古本屋」もお薦...「溜飲が下がりました」
私も飲めないのですが、黒ビールが美味しそうに思えてしまうのが不思議。。。
千野栄一の本では、「プラハの古本屋」もお薦めです。2012/09/01
-
-
チェコ語に精通する著者が、プラハのビールと古本屋を語るエッセイ本。チェコは、1人当たりビール消費量が最も多い国で有名であるが、本書を読むとチェコ人のビールへのこだわり具合がよくわかる。職業、身分にかかわらず、多くの家庭ではビール用の樽を所有する。また、古本屋についてだが、社会主義以前と以後で、雰囲気が別だという。市場経済か否かで、本の内容も冊数も大幅に異なるのは興味深い。これはソ連崩壊以前の東欧諸国にも当てはまる。
-
15年ぶりに再読。
-
フラバルの話とチェコビールの話、ときどきクンデラの話。
-
以前読んだ須賀敦子さんの「コルシア書店の仲間たち」に近いイメージの内容で、こちらの舞台は分裂前のチェコスロバキア、社会主義が崩壊して「ビロード革命」により資本主義に変わり、街並みや物価が目に見えて変わっていく風景が、教授が出会う人や店から見えてくる。こういう「人」と「出来事」と「美味しそうなもの」が出てくるエッセイはいかにもその人ならではの体験という感じで読んでいて楽しくなる。文体もストレートで回りくどい言い回しはなく、スラスラ読める。
-
百塔の町と呼ばれる美しい古都プラハは、多くの作家、詩人、音楽家などを輩出した芸術の都としても知られ、ビアホール、カフェ、そして古本屋の文化が花開いた。かつてこの町に学び、暮し、この町と人を知悉し愛する著者は、今もしばしばこの町を訪れる―常に3つの目的を持って。1つは様々だが、あとの2つは変らない。おいしいビールを飲むことと、古本屋を巡ることである。(表紙)
ビール好き、古本好き、そしてチェコが好き…いずれか一点あればそこそこ楽しめるかと思いますが、二点三点だと満点に近づくかと思います(私は古本のみ)。
中でも特にビール好きな方にはたまらないんじゃないでしょうか。飲めない私でもそのおつまみが気になるような、良い文章でした。 -
プラハの古本屋の続編的な形で、冷戦後変化していく古本屋を軸に、ビールやいろんな人との出会いを描いていく千野先生のエッセイ。なんとなく読むのがもったいないなぁと思って棚に置いてたのをついに読んでしまった。楽しくてあっという間に読み終えちゃいます。チェコ好きでもそうでなくてもオススメな一冊です。
-
言語学者千野栄一さんの本。
チェコのビールがそんなに美味しいとは知らなかった。
また、様々な地下の秘密組織的な数々のビアホール。とても興味深く、機会があれば是非行ってみたい。