チベット旅行記 下 (白水Uブックス 1073)

著者 :
制作 : 長沢和俊 
  • 白水社
4.02
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本棚登録 : 163
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560073735

感想・レビュー・書評

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  • 肉食や肉欲を禁じながらも、自らの目的のためには人を騙す。この本を読むと、一体何が仏の道で、一体何が人道なのかが分からなくなる。聖人では、自らの命を捨てる覚悟を持っていたとしても大切なものは守れず、そもそも事物に囚われない事から大切なものを持たないのかも知れないが、では、そこに見せる執着は何なのか。まして肉欲の無い世界は、子孫も残せず、滅びを導きはしないのか。チベットまでの苦行に耐える著者の手記を見ながら、自分の価値観を照らし、悩む。どうやら、仏の道とは、ただのこだわりを貫く事ではないか。そして、貫く事こそが戒律であり、煩悩を絶する事は、単に自らのルールに過ぎないのでは、と。考えながら読む。著者と共に、旅をしながら。不思議な読書体験であった。

  • チベット入国後、支那人を装いセラ大学に学ぶ。そして法王ダライ・ラマの侍従医にまで上りつめ、仏法も学び当初の目的は達成するが、日本人であることがバレそうに!バレれば投獄。死罪もあり得る。果たしてどうやって脱出するのか!下巻ではチベットの文化や風習、生活の比較文化が面白い。

  • チベットに単独潜入した日本僧の記録。あの手この手で旅の危険を回避する様子が面白く、当時のチベット周辺の風俗も興味深い。しかし、あまりに出来すぎていて必ずしも真実だけを書いてるんじゃないのかなと思ってしまう。慧海は後年、還俗してたり旅行記のオリジナルメモも発見されたりして曰くがありそう。

  • こんな坊さんが明治時代にいたとは。感動。アドベンチャー坊主、河口慧海。

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