たまかな暮し

著者 :
  • 白水社
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本棚登録 : 74
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560082317

作品紹介・あらすじ

分をわきまえた、つつましい日々の食卓。たまさかの、ちょっとした贅沢…。静かな感動が胸に染み入る東京物語。

感想・レビュー・書評

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  • たまかな暮し

  • 絶版になったのか、なかなか手に入らなくてようやく読めた。
    良かったけど、期待が大きかったかなぁ。
    なんとなくちょっと昔の話を連想してたのだけど、割合最近の時代なのね。
    歳時記ややよいが着物を着るせいか。
    悠三よりも啓吾がメインのお話だったら良かったなぁ。
    でも、贅沢をせず愚痴を言わず、たまかなら暮らしという姿勢はとても良かった。

  • たまなか暮らし 素晴らしい!
    おいしく食べるのは芸術だ。

  • 2016/06/11 読了

  • つつましやかなに、日々を大切に生きる暮らし。
    ほのぼの憧れる!
    欲にすぐ飲まれちゃうけれど、、

  • 慎ましく質素な生活の中にも愛情のこもった美味しそうなものが食卓に並ぶ。
    すり下ろしたわさびを乗せた焼き海苔や豚肉の味噌漬け。
    何杯でもごはんがいけそうだな。
    酒の肴、御飯のおかず、甘味まで美味しそうなものが次々と登場する。
    悠三とやよいの食を語るやりとりもほのぼのしていて幸せそうだ。

  • お悔やみ申し上げます。。。直木賞作家の常盤新平さんが死去

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    「父と息子とその妻を中心に、身の丈に合った日々の暮らしを食生活のなかから描いた「東京物語」。ふだんの食卓からちょっとした外食まで、26の短編からつつましい食の幸せが広がる。

    「たまかな暮しか」と父も呟いた。「それでいいんだよ。一日一日がもっと楽しくなる。ブリヤ・サヴァランという人が言ってるね。ただ食べるだけなら必要をみたすだけだが、おいしく食べるのは芸術だ、と」本文より」

  • 分をわきまえた、つつましい日々の食卓。たまさかの、ちょっとした贅沢…。静かな感動が胸に染み入る東京物語。
    _______________

    一箱古本市でタイトルに惹かれて購入。
    「たまかな」って言葉を初めて知った。

    身近な短編がたくさんあるなかで
    毎回季節の料理や食べ物が出てきて
    つつましくても幸せな日々が淡々と描かれている。

    毎日を謙虚に丁寧に生きる理想のイメージがあった

  • 「たまか」とは「つつましい」という意味。

    プライベートでは携帯を持たない悠三。
    仕事がら和服姿の多いやよい。


    世の中の動きからはどこかずれたところにいる二人だが、
    贅沢はできないが、自分たちの身の丈にあった日々を暮らす。

    そんな夫婦の「つつましい暮し」の物語。



    悠三の仕事のはなし。
    やよいの着物姿のはなし。
    食事のはなし。
    悠三の父親の話、やよいの母親の話。
    歳時記から書き出した俳句の話。



    この5つの話で構成される短編が26載っています。

    いまどきめずらしく、和服をきこなす「やよい」にほれています。
    仕事たいへんなのに給料安くて、ボーナスでないけど、やよいはそれでもいいって言ってくれてる。
    料理はうまいし、おれの親父のことも気遣ってくれる、
    本当にいい女房です。
    まぁ、ちょっとやりくりしてお金ためたから、今度やよいと食事でも行こうかな。
    贅沢はできないけれど、こんな毎日がいつまでも続くといいな~。
    そういえば、今のこの気持ちをあらわすのにぴったりな俳句見つけたんだよね~。


    ってなことを26回繰り返しています。

    あまり変化のない小さなお話の繰り返しですが、
    その変化のなさがこの作品の良いところ。
    めまぐるしい現実からちょっと離れたところにいて、
    それを良しとしているこの二人の生活が
    ほほえましい。

  • 若い夫婦の暮らしと四季の移ろいを背景に、食卓に上る料理を賞味しながら綴られた小説集。まるで「食べ物」歳時記とでも表現したい26編のシリーズ作品群だ。(「四季の味」1997年春号~2003年夏号までの連載分)

    俳句の歳時記をひも解くことが趣味という、やや若年寄じみた出版社勤務の若者・悠三を主人公に、後に連れ合いとなる着物の似合うべっぴん娘・やよいとの馴れ初めから始まる物語。

    「たまかな」というのは、ひっそりと慎ましくという意味か?
    あまり豊かでない二人が、たまに出歩いて食べ歩く東京下町のうまい店。あるいは父親・啓吾が年配者らしく出歩く先の老舗の食べ物屋など、食いしん坊たちを刺激する食べ物描写が次から次へと登場する。

    思うに、この作品集は、この世に存在しない理想的なカップル(俳句好きの若い男性と母親仕込みの手料理が得意な着物の似合う若い女性)を自在に動かしながら、俳句歳時記に登場する食材や季節感を織り込んで理想とする「たまかな暮らし」に仕立て上げていくという著者の夢物語なのかもしれない。

    26話で四季を重ねること6年。さらに物語りは続いていくのだが、貧しくても食の楽しみを日々味わいながら暮らしていく若い二人の今後がとても気になる、、、

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著者プロフィール

1931-2013。岩手県生まれ。長年にわたってアーウィン・ショーなど現代アメリカ小説やニュージャーナリズム作品を数多く紹介してきた名翻訳家。86年、自伝的小説「遠いアメリカ」で直木賞受賞。洗練されたエッセイにも定評がある。

「2022年 『新版 O・ヘンリー ラブ・ストーリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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