- Amazon.co.jp ・本 (490ページ)
- / ISBN・EAN: 9784560095188
作品紹介・あらすじ
「名将」の栄光と挫折の生涯を描く評伝
マンシュタインは第二次世界大戦のドイツ軍の「名将」として知られる。名家に生まれ、第一次世界大戦に従軍し、やがて参謀将校として頭角を現し、エリート街道を進む。ヒトラーが権力を掌握し、彼に仕えてフランスを電撃的に打ち破り、降伏に追いやる。独ソ戦ではレニングラードに猛進、またセヴァストポリを陥落させるなど、多大なる戦果をあげる。しかしマンシュタインは、スターリングラードを死守せよとするヒトラーと対立し、解任される。失意のマンシュタインは、戦後、戦犯裁判の訴追という窮境に追い込まれる。マンシュタインは指揮下の部隊が戦争犯罪を行うのを止めず、責任を問われたのだ。すべての訴因について有罪ではなかったものの、禁錮刑に処せられる……。
英陸軍少将の著者は、戦後、称賛と非難の両極端に分かれたマンシュタイン評価に対し、その生涯を包括的に再構成し、ドイツ近現代史の流れを投影しつつ、ドイツの興亡を活写する。マンシュタインはナチ犯罪・戦争犯罪にどこまで関与したのか? 新史料や私文書を駆使し、「名将」の光と影、実像に迫る評伝の決定版。
感想・レビュー・書評
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下巻で引用しているグイド・クノップの「ヒトラーの戦士たち」にも言える事だが、遺族に取材しているからか、第11軍司令官時代にユダヤ人虐殺の命令を出した事などは「重要ではない」と避けているみたいだ。こればかりでないにしろ、第11軍傘下の第22歩兵師団の聯隊長だったディートリヒ・フォン・コルティッツ将軍が言うところの「最悪の仕事」に対する責任はなかったのだろうか?著者はクノップと違って、この元帥の軍人としての才能と実績に魅了されているようなので無意識のうちに擁護しているように見えてしまう。もし彼が赤軍の捕虜になっていたら「ソ連市民に対する犯罪」で戦犯裁判にかけられて、セヴァストーポリで公開の絞首刑になっていた可能性は高い。
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289.3||Me||1,2
上,下 -
「Manstein: Hitler’s Greatest General」の翻訳(2016/11/10発行)。
本書は、ドイツ第三帝国において、特に有能な将帥として知られるエーリヒ・フリッツ・フォン・レヴィンスキー・ゲナント・フォン・マンシュタイン元帥の評伝の上巻。
上巻ではマンシュタインの少年時代から、第2次大戦中の独ソ戦におけるクリミア半島とセヴァストポリ要塞をめぐる独ソ両軍の戦いまで記載されています。
本書は、新たに発掘された資料や関係者への聞き取りなどを基に書かれたものかと思っていましたが、疑問を感じる点が少なくない上、違和感のある翻訳など少々期待外れの内容でした。