反復(新装版)

  • 白水社
5.00
  • (2)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 43
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560096727

作品紹介・あらすじ

ベルリンに向かう列車、窓から殺人現場の見えるホテル、SMに魅せられた少女のいる人形店……華麗なる迷宮を彷徨う〈私〉の5日間。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • フランスのある機関に属する私はある任務を帯びて
    第二次大戦敗戦後のドイツをベルリンに向けて列車で移動する。
    途中駅でホームに降りた後、車内に戻ってみると、
    新聞で顔が隠れた男が私の席に座っていた。
    男が新聞を下ろし、そこに見えた顔は私と瓜二つだった。
    という導入で始まる小説。

    廃墟の残るベルリンを舞台に、
    人物・時間・場所・出来事といったものが曖昧で交錯する、
    ロブ=グリエらしい作品だと思います。

    そのため、私は最初から理解をあきらめて(笑)
    単なる幻想的なロマン・ノワールとして読みました。

  • 新装版。
    まさかこれが復刊されるとは思ってもみなかった。人生、何が起こるか解らない。
    難解だと言われることが多いヌーヴォー・ロマンの中では、流石に気軽に楽しめる……とまでは言わないが、とっつきやすい内容だとは思う。ハチャメチャで楽しい。惜しいのはこれが比較的安価なUブックスで復刊されなかったことか……。

    読んでいてふと思ったのだが、カズオ・イシグロの『充たされざる者』は、大体、カフカ的な観点で紹介されることが多いけれど、ヌーヴォー・ロマン的な読み解き方も出来るんじゃないだろうか。

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

Alain Robbe-Grillet(1922-2008)
フランスのブレストに生まれる。国立経済研究所に勤めたのち、バナナなどの熱帯果実を研究する農業技師としてフランス領植民地を転々とするが、熱帯病で帰国の船上で執筆した『消しゴム』により、作家としてデビュー。ジョルジュ・バタイユやロラン・バルトらの積極的な支持を受けながら、創作活動と並行して評論集『新しい小説のために』を発表し、ヌーヴォー・ロマンの旗手として活躍。代表作は、他に『嫉妬』『迷路のなかで』『ニューヨーク革命計画』『ジン──ずれた舗石のあいだの赤い穴』ほか。また、『去年マリエンバートで』のシナリオを手がけて以降は映画にも関心を寄せ、『不滅の女』『ヨーロッパ横断特急』『噓をつく男』『エデン、その後』『快楽の漸進的横滑り』『囚われの美女』など9本を自ら監督している。2004年、アカデミー・フランセーズの会員に選出される。2008年、心臓発作によりカーンで死去。

「2023年 『弑逆者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

アラン・ロブ=グリエの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×