無条件降伏:誉れの剣Ⅲ (エクス・リブリス・クラシックス)

  • 白水社
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  • Amazon.co.jp ・本 (390ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560099155

作品紹介・あらすじ

クレタ島脱出から二年、ガイは開戦時に抱いた大義を見失いつつあった。自身の戦争体験をもとに書き上げた《誉れの剣》三部作完結篇。

感想・レビュー・書評

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  • 3部作読了。本書も厚みはあるがウォーの軽快な語りですいすいと前に進める。しかし前2作を覚えていないので(いつもながら)主人公の周辺キャラの名前を見てもどういう人だったかピンとこない。リュードヴィックがメロドラマ小説を書いてヒットするのは面白い。
    女性キャラが印象を残す。ヴァージニアの爽快な生き方(妊娠の逸話には感心しきり)、終盤で強い印象を残すマダム・カニイ「悪から自由な場所などあるでしょうか?(略)善良な男の人たちでさえ(略)殺し殺されることによって男らしさを示そうとしたんです。」
    370ページ戦場にいながらガイ・クラウチバックは戦争を傍から眺めている。兵士としても個人としても、周囲に流され情けない立場に陥り、精気乏しいのだが、いい人、主人公として生きている。これが戦争小説なのだというウォーの皮肉な視点が好き。

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著者プロフィール

Evelyn Waugh(1903-1966)
イギリスの著名な出版社の社主で、文芸評論家でもあったアーサー・ウォーの次男として生まれ(長兄アレックも作家)、オクスフォード大学中退後、文筆生活に入る。デビュー作『衰亡記』(1928)をはじめ、上流階級の青年たちの虚無的な生活や風俗を、皮肉なユーモアをきかせながら巧みな文体で描いた数々の小説で、第1次大戦後の英国文壇の寵児となる。1930年にカトリックに改宗した後は、諷刺の裏の伝統讃美が強まった。

著作は、代表作『黒いいたずら』(1932)、ベストセラーとなった名作『ブライヅヘッドふたたび』(1945)、T・リチャードソン監督によって映画化された『ザ・ラヴド・ワン』(1948)、戦争小説3部作『名誉の剣』(1952-61)など。

「1996年 『一握の塵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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