- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784562045440
感想・レビュー・書評
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館から移動する死体、関係者全員が殺害の動機を持っていてアリバイもあやふや。さらに探偵ヴェリティより先に調査を行っていたベヴァリー・クラブの友人は「犯人が分かった」と言い残した直後に事故死――と英国クラシカルなミステリのツボをつきまくりで楽しい。登場するキャラクターはどれも「いかにも」な性格設定で、カリカチュアされ演劇的な印象。
「衣装戸棚の~」と比べるとコメディ要素は抑えめですが、状況証拠だけでなく各自の心理からアプローチする手法が面白い。探偵役が躁鬱気質かと思うくらい、調査の最中ずっと鬱々としてるのに、解決編に入った途端はしゃぎ始めるのが印象的。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
私がゼルダなら、絶対ヴェリティを結婚式には招ばない。嫌な奴だもの。ミス・ランディスなら、彼がチェックアウトした後、塩を撒く。欧米では箒を逆さに立てるんだっけ。とにかく探偵としてトップクラスに嫌な奴だった。『衣装戸棚の女』ではそんな印象なかったのにな。
被害者にも全く同情出来ず。真の被害者は死者ではなく、生きている容疑者たち。特に未亡人が気の毒。これといって悪いことしていないのに、人柄もそんなに悪くないのに、被害者と探偵に、二重に踏みつけられて。
ある意味イヤミスだった。 -
探偵ヴェリティは、べヴァリー・クラブの依頼を受け、元判事のリヴィングストンの殺人事件の真相究明に乗り出す。品行方正な人柄で知られたはずのリヴィングストンだが、彼を亡きものとしたがっていた連中が大勢いたようだ・・・。
昔ながらの名探偵もの。作者はクリスティの大ファンなんだそうな。よくわかる!探偵はなんか偏屈な人っぽいけど笑、怪しげな容疑者たち、正統派な謎解き、かっちり回収される伏線、そして驚きの結末!大変よく出来ていて楽しめました!
同シリーズの「衣装戸棚の女」は、これまた怪作らしいんだけど、読むべきかしら。。 -
4月5日 読了。
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引退した判事を殺害した容疑で逮捕され裁判で無罪になった男が、「犯人がわかった」と書き残した直後に事故死した。探偵ヴェリティは犯罪好きが集まった「ベヴァリークラブ」の面々に頼まれて事件を捜査するが…
「本格ミステリベスト10」で海外1位だったので、ちょっと期待しすぎたかも。
事件のあった町は陰鬱な雰囲気で、関係者や町の人間誰一人として好感が持てない描かれ方。真相も今読むといまいち驚かず。
意地の悪い英国クラシックミステリーだけど、バークリーほど笑えなかった。
しかしこの作者の『衣裳戸棚の女』は、解説によると脱力系パズラーらしいので読んでみたい。 -
本格ミステリ2010、1位
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よみにくかったのは、馬鹿がすすんだからかしらん?
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意外な結末のビンテージミステリという位置づけで、50有余年の時を経て今年出版されたらしいけど、クリスティのアクロイド、オリエント急行のように、謎解きの意外性だけでなく物語としての豊かな滋味を備えているかというとはなはだ疑問。 いま一つ魅力がたりない気がする。 犯罪愛好家集団ベヴァリー・クラブっていうふれこみが古き良き時代のイギリスミステリっぽくてワクワクさせるから期待が大きすぎたのかも。