葬式組曲 (ミステリー・リーグ)

著者 :
  • 原書房
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本棚登録 : 161
感想 : 35
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  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784562047628

作品紹介・あらすじ

葬式の規制された国で、若き社長に率いられた北条葬儀社。遺族のさまざまな要求、ときには無理難題に右往左往しつつも、着実に地歩を固めてゆく。葬儀社の面々は、遺族に向き合い、故人が残していった「謎」を解き明かし、無事に式を執り行ってゆくのだが…新鋭の書き下ろす「あらかじめ用意された死者をめぐる謎」。

感想・レビュー・書評

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  • なんか、物足りなかった

  • 正体を表して以降、出突っ張りじゃないですか。
    やっぱり身内にいた方が何かとやりやすいということなんでしょうね。
    亡くなった人を弔うのがお葬式。
    だけど、その意味はむしろ生きている人に対して発揮される。
    今更言うことでもないけれど。
    その手順をすっ飛ばすと…心のバランスを取り戻す機会がないままになっちゃう人もいるよね…。

  • 直葬が主流になっていくなかでS県だけがこれまでの葬儀を行っているが,それを担う北条葬儀社に係る物語.社長の北条紫苑,新見直也,餡子邦路,高屋敷英慈が葬儀を担当する.父,祖母,息子,妻の葬式が醸し出す様々なエピソードがそれらに楽しめたが,最後の「葬儀屋の葬式」で,これまでの被葬儀者が全て殺されたことが判明する.何とも意外などんでん返しで非常に素晴らしい構成だと感心した.

  • 葬儀屋さんのお話。法律が変わって、お金と時間をかける葬儀は無駄で、やるなら『葬儀税』を払わないといけなくなった。死後、お葬式はせずに『直葬』という火葬してお終い。だが、S県では知事が『葬儀税』を条例で廃止し、その県ではまだお葬式をするという物語。


    ちょっとミステリーも含まれた葬儀小説。家を飛び出した次男に喪主をやらせる遺言を残した父親、亡くなった祖母の棺桶をオカルトな理由で自分で作ると言った孫娘、事故で亡くなった息子の遺体がいなくなったという母親、自殺した妻の金切り声が聞こえる夫などさまざま。


    だけど、ラストはなんか腑に落ちないかんじがした。トンデモ感が出たというか…は?え?みたいなかんじ。それまでの物語は、ミステリーというか謎かあって、いいキャラしてる餡子さんが謎を解くかんじだったのに。


    まぁ、多様化する葬儀ってのは今もそうだけど、ちゃんと葬儀をして、故人とのお別れとか思い出とかを偲ぶことは大事だなと思った。


    2017.3.25 読了

  • 09/23/2016 読了。

    図書館から。

    葬式ってそういうものなんだなと。
    年齢を経ると必ず誰もが経験することだとは
    思うけれど、自分が送られる一回は、
    自分は知覚出来ないですもんね。

    新鮮な設定でした。
    新実君の動機も、個人的にはこの世界観では
    成り立つと思います。
    他県からの人だし。

    餡子さん…いいキャラ。

  • 天祢涼の著書2作目。
    以前から少し気になってた作家だったので、今後追いかけるかどうかを判断するために2,3作読んでみることにした。

    動機が共感できないこともあり、感情移入はできなかった。
    ただ、設定は面白く、各章はもっと膨らませれば面白くなるかと感じた。
    ただ、もっと書いて欲しい部分が書かれずに、面白くない部分が長々としているので、途中で手が止まることもしばしばあった。

    相変わらず伏線を意識した物語作りをしているように感じたため、最後まで読まずに途中で投げ出すのは勿体ないかと思ったので最後まで読んだ。

  • これからの多様化するお葬式のかたちを暗示するようなお葬式自体を規制された社会の中で故人や遺族の謎を解く葬儀社の4人。
    まさか全部繋がってラストになるとは。
    お葬式はご遺族のもの…
    かたちはどうあれお葬式という儀式の意味をいろいろ考えさせられました。

  • 葬式豆知識短篇集としては中々面白いストーリだが、最後のオチはすこし振るわないね

  • タイトルに惹かれて。葬式という概念がなくなり、直葬が主流の時代に、葬式の習慣が残るS県を舞台に繰り広げられる葬儀屋ミステリー。正直ミステリーとしても微妙でつまらないかもしれないと思っていたら最終話で全てをひっくり返された。いやはや、まぁなんという壮大な伏線。まさかそんな風に話が繋がるとは予想外。やられたー!おもしろかった。2012/508

  • 【収録作品】父の葬式/祖母の葬式/息子の葬式/妻の葬式/葬儀屋の葬式
    *著者らしく壊れている犯人で、鬱。

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著者プロフィール

1978年生まれ。メフィスト賞を受賞し、2010年『キョウカンカク』で講談社ノベルスからデビュー。近年は『希望が死んだ夜に』(文春文庫)、『あの子の殺人計画』(文藝春秋)と本格ミステリ的なトリックを駆使し社会的なテーマに取り組む作品を繰り出し、活躍の幅を広げている。

「2021年 『Ghost ぼくの初恋が消えるまで』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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