- Amazon.co.jp ・本 (181ページ)
- / ISBN・EAN: 9784562050697
作品紹介・あらすじ
石器時代や中世の昔からインスタント製品全盛の現代まで、
スープの歴史を豊富な写真とともに大研究。
西洋と東洋のスープの決定的な違い、戦争との意外な関係ほか、
最も基本的な料理「スープ」を実におもしろく描く。レシピ付。
感想・レビュー・書評
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ポタージュは仏「鍋に入れられるもの」が語源で、鍋で煮られたもの全般がこう呼ばれた。だがその起源、最初に調理で用いられた「容器」は地面の穴だった。地面に穴を掘り大きな石をいくつも入れ、そのうえで火を起こす。火が燃え尽きた後、灰をかき出し穴に食物を入れ土で埋める。石の余熱で調理するのだ。また、水を入れることで穴茹で・石茹で調理となった。
ほか、天然の容器としては樹皮や竹筒、甲殻類の殻、亀の甲羅などを使った。
「レストラン」という語は、昔スープ自体を指した。1904年版「アカデミー・フランセーズ辞典」によると「レストラン」は「回復させ、力を与える食事」「濃いコンソメ、肉のエキス」とある。転じて回復させる食事を出す店がレストランと定義された。
健康回復用のブロスを煮だすためのレシピとして、「極めて高価な宝石、すなわちダイヤモンド、真珠、ルビー、サファイア、トルコ石、エメラルドを亜麻袋に入れる…60もしくは80粒以上の純金とダカット金貨その他の品々も加える…これを金の鍋に入れて病人の元へ運び医師の指示に応じて使うべし」というものがある。
ジャガイモ飢饉ジャガイモに際して、無料のスープを配給する代わりカトリック信仰を捨てプロテスタントへ回収することを条件にする者もいた。
ロシア流キャベツスープ、シチーは発酵させたキャベツを使う。スラブ特有の方法だ。この地域の人にとって発酵はスープづくりに必要なひと手間であり、鍋の中身を捨てるかどうかの判断基準ではない。
ボルシチは、せり科ニンジンの仲間の植物の名。これを使うことからこの名になった。 -
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ボルシチとかオニオングラタンスープが作りたくなった。
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古今東西いろんなスープとその歴史。
読みやすくて分かりやすい。
サクッと読めちゃうやつ。
スープはどんな国にもあるらしい。
スープのない国はないそうな。
それだけ、スープは人間の欲求に沿ったものみたい。
固形とか粉末とかも、ずいぶん昔(といってもスープの歴史的には最近だけど)からあるみたい。
長い航海とかでも、栄養をとることごできて、温かく元気の出るものとして持ち運びできる固形スープは重宝したらしい。 -
古代から食事に登場するスープについて。
世界各地の歴史や
地方色によっての特徴を調べている。 -
まぁそれなり
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3F閲覧室
A/383/717783 -
肉や野菜を水で煮るという料理としての歴史は古い。おそらく偶然に煮炊きの概念は広まった。貧乏人の粗末な食事から、裕福層のゴージャスなレシピまで。病人への滋養を目的としたスープ、軍隊での食料の提供のためのスープ。乾燥して切り分けて携帯の食料になり(マギーブイヨンの原型)、イギリスでウミガメのスープのブーム(もちろん不思議の国のアリスにおける涙の挿絵)、ブームに則った、牛の頭でつくる「偽ウミガメのスープ」まで出現する。そして缶詰の誕生、当初はハンダ付けで溶接したため、探検隊が持参した缶詰スープを食べたメンバーの中には亜鉛中毒になり死者も出たとか。そしてキャンベルのトマトスープの登場、最初は高級品だった。
著者は外国人だが、日本におけるスープ(吸い物、味噌汁)の造詣も深い。日本では朝食に味噌汁は定番だが、西洋では、朝食にスープが出るということは無いというのは、そういえば確かにそうなのだった。西洋料理ではコースのはじめに出ることが多い。胃の中をあたためてから食事に向かうという手順は確かに理にかなっているのであった。
カラーの写真やイラストも多く楽しめる。原書房の「食の図書館」シリーズはそそるラインナップ。他のテーマも楽しみ。